リニア中央新幹線の開業が、また延期となりました。
世界最速クラスとなる時速500kmで東京・名古屋・大阪を結ぶ夢のプロジェクトとして期待される一方、「本当に採算は取れるの?」「利用者は十分いるの?」といった疑問の声も少なくありません。
皆さんは、もし開業したら乗ってみたいと思いますか?
おそらく多くの人が「一度は乗ってみたい」と答えるでしょう。
しかし、「毎回リニアを利用するか?」と聞かれると、答えは少し変わってくるのではないでしょうか。
今回は、リニア中央新幹線が抱える課題や将来性について考えてみたいと思います。
リニア中央新幹線はいつ開業する?
当初は2027年の開業を目指していましたが、静岡工区の工事が大幅に遅れたことで計画は延期されました。
現在では、品川〜名古屋間の開業は最短でも2036年以降とされています。
さらに、新大阪までの全線開業時期についても現時点では未定となっています。
特に南アルプスを貫く長大トンネルは、日本でも前例の少ない超難工事であり、安全性や環境への配慮も求められることから、工事期間が長引くことは避けられない状況です。
リニアが開業すると何が変わる?
最大のメリットは、やはり移動時間の短縮です。
例えば、
- 品川〜名古屋:約40分
- 品川〜新大阪:約67分
現在の東海道新幹線と比較すると約1時間近く短縮されます。
また、東海道新幹線とは別ルートになるため、南海トラフ巨大地震などで東海道新幹線が利用できなくなった場合のバックアップ路線としても期待されています。
さらに、東京・名古屋・大阪が1時間程度で結ばれることで、巨大な経済圏「スーパー・メガリージョン」の形成も期待されています。
本当に利用者は増えるのか?
JR東海では、現在東海道新幹線を利用している人の多くがリニアへ移行すると試算しています。
さらに、
- 飛行機利用者の移行
- 移動時間短縮による新規需要
なども見込んでいます。
営業収益も5〜10%程度増えるという試算が公表されています。
しかし、ここで気になるのが「その試算は本当に実現するのか?」という点です。
最大のターゲットはビジネス客
リニアの利用者として最も期待されているのがビジネス客です。
しかし、近年は状況が大きく変わりました。
コロナ禍をきっかけにオンライン会議が普及し、以前ほど頻繁に出張する必要がなくなっています。
さらに2030年代後半には団塊ジュニア世代が定年を迎え、ビジネス需要そのものが減少する可能性もあります。
「時間短縮=利用者増加」という単純な図式ではなくなっているのです。
一般利用者は毎回リニアを選ぶのか?
例えば東京から名古屋へ向かう場合、
現在の東海道新幹線でも約1時間30分です。
リニアなら約40分になります。
もちろん速いのですが、
そのために追加料金を毎回支払うでしょうか?
ビジネスなら時間をお金で買う価値があります。
しかし観光や帰省なら、
「50分早く着くより、ゆっくり景色を楽しみたい」
という人も少なくないでしょう。
インバウンド需要が救世主になる?
日本人だけでは利用者が伸び悩む可能性があるため、期待されているのが外国人観光客です。
海外から見ると、
「時速500kmで走る浮く列車」
というだけで十分観光資源になります。
実際、一度は体験してみたいと思う外国人は多いでしょう。
しかし、ここにも課題があります。
現在、多くの外国人旅行者はJRパスを利用しています。
もしリニアが追加料金の対象となれば、
「追加料金を払ってまで乗るか?」
という問題が出てきます。
実は景色がほとんど見えない
リニア最大の弱点とも言われているのがここです。
品川〜名古屋間は約86%がトンネル。
つまり、
ほとんど景色を見ることができません。
東海道新幹線では、
- 富士山
- 浜名湖
- 茶畑
- 日本の田園風景
など、日本らしい景色を楽しめます。
海外旅行では移動時間も旅の思い出になります。
速さだけを求める人ばかりではないことも忘れてはいけません。
約9兆円という巨額投資
リニア最大の問題は建設費です。
総事業費は約9兆円。
しかも基本的にはJR東海が負担します。
もちろん利用者が増えれば回収できます。
しかし、
少子高齢化が進み、
人口減少が続く日本で、
数十年先まで現在と同じ利用者数を維持できる保証はありません。
これが多くの専門家が採算性を心配する理由でもあります。
リニアはコンコルドの二の舞になる?
ここで思い出されるのがコンコルドです。
コンコルドは「速さ」を極限まで追求した旅客機でした。
しかし、
- 燃費が悪い
- 維持費が高い
- 運賃が高額
- 利用者が限られる
という問題を抱え、最終的には退役しました。
リニアも
「世界最速」
という魅力はありますが、
高速運転には大量の電力を必要とします。
建設費も莫大です。
もし利用者が想定より少なければ、採算は一気に厳しくなる可能性があります。
もちろん、リニアとコンコルドは交通インフラとしての役割が異なるため、単純比較はできません。
しかし、「速ければ必ず成功するとは限らない」という教訓は共通しているように思えます。
一方で期待できるメリットもある
もちろんリニアには明るい面もあります。
もし利用者がリニアへ分散すれば、
現在混雑している東海道新幹線の指定席や自由席が取りやすくなる可能性があります。
また、災害時の代替ルートとしての価値は非常に大きく、日本全体の交通インフラの強化にもつながります。
採算性だけでは測れない「国のインフラ」としての役割もあることは忘れてはいけません。
まとめ
リニア中央新幹線は、日本の技術力を象徴する壮大なプロジェクトです。
一方で、
- 約9兆円という巨額投資
- 人口減少
- ビジネス需要の変化
- インバウンド頼みになる可能性
- 採算性への不安
など、多くの課題も抱えています。
開業すれば話題になることは間違いありません。
しかし、その人気が一時的なものなのか、それとも何十年にもわたって利用され続ける交通機関になるのかは、実際に開業してみなければ分からないでしょう。
皆さんはリニア中央新幹線についてどう思いますか?
「未来の乗り物」として成功すると考えますか?
それとも採算面では厳しい未来が待っていると思いますか?
ぜひコメントで皆さんの意見も聞かせてください。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
7月31日
【蓄音機の日】
1877年(明治10年)のこの日に、アメリカの偉大な発明家であるトーマス・エジソンが蓄音機(フォノグラフ)の特許を取得したとされることにちなんで制定されました。
誕生のきっかけと歴史
- 開発の背景: エジソンはもともと電話機の開発に注力していましたが、グラハム・ベルに先を越されて特許を取得されてしまいます。そこで発想を切り替え、「音を記憶して再生する装置」として蓄音機の開発を始めました。
- 最初の録音: 錫箔(すずはく)を巻き付けた円筒状の金属に音を記録する仕組みでした。世界で初めて録音・再生された曲は、エジソン自身が吹き込んだ「メリーさんのひつじ」です。