「墓じまい」という言葉を聞いて、皆さんはどんなことを思い浮かべますか?
少子高齢化や核家族化、後継者不足などを背景に、近年では墓じまいを選択する人が増えています。
お墓を撤去して更地に戻し、遺骨を別のお墓や納骨堂、永代供養墓などへ移す――。
ここまでは何となくイメージできますよね。
では、墓じまいで取り外された「墓石」は、その後どうなるのでしょうか?
先祖代々受け継がれてきた墓石を撤去するとなると、
「この石は捨てられてしまうの?」
「どこへ運ばれるんだろう?」
「墓石ってリサイクルできるの?」
と、気になる人も多いのではないでしょうか。
実は墓じまいを終えた墓石には、いくつかの行き先があります。
粉砕されて道路などの土木資材として再利用されることもあれば、供養塔などに集められることもあります。
さらに最近では、墓石の一部をアクセサリーや記念品などに加工して、**「形を変えて手元に残す」**という方法もあります。
今回は、そんな墓じまい後の墓石の行方について、詳しく見ていきましょう。
墓じまいした墓石はどうなるの?
墓じまいでは、墓石を撤去して墓地を更地に戻す必要があります。
そのため、墓石は石材店などによって解体・搬出され、その後、適切な方法で処理されます。
ただし、墓石は単なる「石」として扱われるまでに、少し独特な手順があります。
まずは「閉眼供養」を行う
墓じまいをする際には、一般的に「閉眼供養(へいがんくよう)」と呼ばれる法要を行います。
地域や宗派によって考え方や呼び方は異なりますが、墓石に対する供養を行い、これまでお墓に手を合わせてきたことへの区切りをつけるための儀式です。
「魂抜き」と呼ばれることもあります。
閉眼供養を終えたからといって、墓石そのものが法律上「普通の石」に変わるわけではありません。
あくまで宗教的・慣習的な意味で、これまでのお墓としての役割を終えるための儀式と考えると分かりやすいでしょう。
その後、墓石はどうやって処理される?
閉眼供養などを終えた後、墓石は石材店などによって解体・搬出されます。
その後の処理方法は、石材店や処理業者、地域などによって異なります。
代表的なのが、墓石を破砕して再生資材として利用する方法です。
大きな墓石をそのまま保管しておくには広い土地が必要です。
そこで、専用の設備などを使って石を細かく砕き、道路工事や建設工事などで利用される砕石・路盤材などとして再利用されるケースがあります。
つまり、
墓石 → 破砕 → 砕石など → 建設・土木資材
という形で、姿を変えて再び社会の中で利用されるわけです。
「お墓だった石が道路の下に使われることもある」
そう考えると、ちょっと意外ですよね。
墓石は「産業廃棄物」として処理されることも
墓じまいで撤去された墓石は、処理の過程では産業廃棄物として扱われる場合があります。
ここで大切なのは、
「墓石だから特別な方法で永久保存しなければならない」わけではない
ということです。
墓じまいを依頼した場合は、石材店などが適切な処理ルートを通して処分・リサイクルすることになります。
ただし、依頼する側としては、
「撤去した墓石は最終的にどうなるのか?」
を確認しておくと安心です。
特に見積もりを取る際には、
- 墓石の撤去費用
- 運搬費
- 処分・リサイクル費用
- 閉眼供養の費用
- その他の追加費用
などが含まれているのかを確認しておきましょう。
「お墓のお墓」があるって本当?
ここからが、今回の記事でぜひ知ってもらいたいポイントです。
実は、役目を終えた墓石を集めて供養する場所があります。
いわば、
「お墓のお墓」
とも呼べるような場所です。
もちろん、正式名称として「お墓のお墓」という施設があるわけではありません。
寺院や霊園などに設けられた「無縁塔」「供養塔」などが、その役割を担うことがあります。
無縁塔とは?
無縁塔は、簡単に言えば、引き取り手がなくなった墓石や、供養する人がいなくなった墓石・石仏などを集めて供養するための場所です。
寺院などの敷地内に設置されていることがあります。
墓じまいをした墓石を、必ずしもすべてこのような場所に納めるわけではありません。
しかし、
「墓石をただ廃棄するのではなく、供養したうえで残したい」
という考え方から、供養塔などに納めるケースがあります。
墓石の扱いについては、宗派や寺院、霊園、石材店などによって違いがあるため、希望する場合は事前に確認しておくことが大切です。
なぜ全部の墓石を残さないの?
ここで、
「そんなに大切な墓石なら、全部残しておけばいいのでは?」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、現実にはそれが難しい問題があります。
墓じまいで撤去される墓石を、すべて元の形のまま保管するには、当然ながら広大な土地が必要になります。
しかも、墓石は非常に重く、長期間保管するには管理や安全面での負担も発生します。
さらに墓石は、数十年、場合によっては何百年という単位で存在してきたものもあります。
それらをすべて永久に保管し続けるのは、現実的にはかなり難しいでしょう。
そのため、
供養・保管するもの
と
破砕して再利用するもの
に分かれることになります。
「形を残すこと」だけが供養ではない。
そう考えれば、墓石を砕いて再利用することも、ひとつの役割の終え方なのかもしれません。
墓石の処分にはどれくらいお金がかかる?
墓じまいを考えるうえで、やはり気になるのが費用です。
墓石の撤去費用は、墓地の広さや墓石の大きさ、立地、作業の難しさなどによって大きく変わります。
一般的には、墓石の解体・撤去費用について、1㎡あたり10万円前後からがひとつの目安として紹介されることがあります。
ただし、これはあくまで目安です。
例えば、
- 墓地まで重機が入れるか
- 道路から墓地までの距離
- 墓石の大きさや数
- 外柵や基礎部分の有無
- 墓地が斜面にあるか
- 人力作業が必要か
- 石材の搬出が難しい場所か
などによって費用は大きく変わります。
特に山間部や狭い墓地などでは、重機を使えず、人の手で解体・搬出しなければならない場合があります。
その場合は、人件費や運搬費などが高くなる可能性があります。
閉眼供養にも費用がかかる
墓じまいの際には、閉眼供養のお布施も必要になる場合があります。
金額は宗派や寺院、地域などによって異なりますが、数万円程度がひとつの目安として考えられます。
ただし、お布施には全国共通の料金表があるわけではありません。
分からない場合は、お寺に直接確認するのも一つの方法です。
「お墓のお墓」に納める費用は?
では、墓石を供養塔などに納める場合、別途「お墓のお墓代」が必要になるのでしょうか?
これも一律ではありません。
石材店や寺院などによって取り扱いが異なり、墓石の撤去・処分費用に含まれている場合もあれば、別途費用が必要になる場合もあります。
また、
「墓石を一定期間保管してほしい」
「一部だけ供養塔に納めたい」
「寺院で永代供養してほしい」
など、希望する内容によって費用が変わることもあります。
そのため、
「墓石を撤去した後、どこへ持っていくのか?」
を契約前に確認しておくことが重要です。
墓石を全部捨てるのはちょっと寂しい……
ここまで読んで、
「でも、先祖代々の墓石を全部砕いてしまうのは、やっぱり寂しいな……」
と思った人もいるかもしれません。
実は、そんな人のために、
墓石を別の形にリメイクする
という選択肢もあります。
墓石に使用される御影石などの天然石は、非常に丈夫で、加工すると美しい仕上がりになります。
そのため、一部を切り出して、記念品や小物などに加工することが可能です。
墓石をアクセサリーにすることもできる?
墓石の一部を小さく加工して、
- ペンダント
- 数珠
- ブレスレット
- キーホルダー
- 小さな記念石
などにするサービスがあります。
すべての石材店が対応しているわけではありませんが、墓石のリメイクや手元供養を専門に扱う業者もあります。
例えば、墓石の一部を小さなペンダントトップに加工すれば、
「大きなお墓はなくなっても、その石の一部は手元に残す」
ということができます。
これは、墓じまいに抵抗を感じている人にとって、一つの選択肢になるかもしれません。
墓石を小さな置き物にする
アクセサリー以外にも、墓石を小さなモニュメントや記念品に加工する方法があります。
例えば、
- 小さな石のオブジェ
- ミニモニュメント
- 置き石
- 文鎮
- コースター
- 箸置き
- 表札
- 庭石
などです。
もちろん、石の種類や状態、加工業者によって対応できるものは異なります。
特に墓石に文字や家紋などが刻まれている場合は、どの部分を残すのかによって仕上がりも変わってきます。
「この部分だけは残したい」
という希望がある場合は、墓じまいをする前に相談しておくとよいでしょう。
墓石のリメイクにはどれくらいかかる?
リメイクの場合、単純に石を持ち帰るだけなら比較的費用を抑えられます。
しかし、
「切断する」
「磨く」
「穴を開ける」
「金具を取り付ける」
などの加工を行う場合は、当然ながら加工費が発生します。
加工内容によっては数万円程度から、それ以上になる場合もあります。
また、墓石全体をそのまま自宅へ持ち帰るとなると、非常に重量があるため、運搬費用にも注意が必要です。
そのため、
「墓石の一部だけを残す」
という方法は、費用面でも現実的な選択肢の一つです。
墓石を庭石として使う方法も
もっとシンプルな方法もあります。
それは、
自宅の庭などに墓石の一部を残すこと。
閉眼供養を行った墓石を、庭の踏み石やオブジェなどとして利用する方法です。
ただし、墓地から墓石を持ち出す際には、墓地管理者や石材店との確認が必要です。
また、墓石の処分や持ち帰りについては、墓地の規則や契約内容なども確認しておきましょう。
「何となく持って帰ればいい」というわけではありません。
墓石ではなく「遺骨」を手元に残す方法もある
墓じまいでは、墓石だけではなく、遺骨についても考える必要があります。
墓じまいをしたからといって、遺骨まで処分するわけではありません。
改葬などの手続きを行い、
- 新しいお墓
- 永代供養墓
- 納骨堂
- 樹木葬
- 散骨
- 手元供養
など、それぞれの希望や事情に合った方法を選びます。
また、近年では遺骨の一部を使ったメモリアルジュエリーなどもあります。
これは「墓石をリメイクする」のとは別の方法ですが、
「大きなお墓がなくても、故人を身近に感じられる形で残したい」
という考え方には共通する部分があります。
墓じまいで注意したいこと
墓じまいをするときに、一番注意したいのが、
「撤去した墓石が最終的にどう処理されるのか」
を確認することです。
悪質な業者を避けるためにも、見積もりを取る際には、
「墓石はどこへ運ばれますか?」
「処分とリサイクルのどちらになりますか?」
「供養塔などに納めることはできますか?」
「処分費用は見積もりに含まれていますか?」
などを確認しておきましょう。
産業廃棄物として処理する場合には、適切な処理ルートを確保している業者なのかを確認することも大切です。
「安いから」という理由だけで業者を決めるのではなく、撤去後の墓石の行方まで確認することが安心につながります。
墓じまいは「お墓を捨てること」ではない
墓じまいという言葉から、
「ご先祖様のお墓をなくしてしまう」
「先祖を大切にしていないようで申し訳ない」
と感じる人もいるかもしれません。
しかし、墓じまいの本来の目的は、お墓そのものをなくすことではありません。
大切なのは、
「これから先、どうやって故人やご先祖様を供養していくのか」
ということではないでしょうか。
遠方に住んでいてお墓を管理できない。
後継者がいない。
高齢になって墓参りが難しくなった。
子どもたちに墓守の負担を残したくない。
そんな事情から墓じまいを選択する人もいます。
お墓の形が変わったとしても、故人を大切に思う気持ちまで消えてしまうわけではありません。
形を変えて、もう一度役に立つ墓石
墓じまいを終えた墓石の多くは、そのままの形で残されるわけではありません。
砕石などに加工され、道路や建設工事などに使われることがあります。
一方で、供養塔などに納められ、供養される場合もあります。
さらに、墓石の一部をアクセサリーや記念品などに加工して、手元に残すこともできます。
つまり、墓じまい後の墓石には、
「供養する」
「リサイクルする」
「形を変えて残す」
という、いくつもの道があるわけです。
考えてみれば、墓石も長い年月をかけて役割を変えていくのかもしれません。
何十年、何百年とご先祖様を見守ってきた石が、姿を変えて道路を支えたり、庭の一部になったり、アクセサリーとして家族の手元に残ったりする。
そう考えると、
「墓じまい=墓石を捨てる」
という考え方だけでは、少し違うのかもしれません。
まとめ
今回は、墓じまいをした後の墓石がどうなるのかについて紹介しました。
墓じまい後の墓石には、主に次のような行き先があります。
- 石材店などによって解体・搬出される
- 破砕され、砕石や路盤材などとして再利用される
- 寺院などの供養塔・無縁塔に納められることがある
- 一定期間、石材店などで保管される場合がある
- 一部をアクセサリーや記念品などにリメイクすることもできる
- 庭石やオブジェなどとして再利用する方法もある
そして何より覚えておきたいのは、
墓じまいは「ご先祖様を大切にしなくなる」ということではない
ということです。
お墓の形が変わっても、故人を思う気持ちは残ります。
もし現在、墓じまいを検討しているのであれば、
「墓石は最終的にどうなるのか?」
「できれば一部を手元に残したい」
「供養塔などに納めたい」
など、自分や家族が納得できる方法を石材店や寺院に相談してみるのもよいでしょう。
大きなお墓を手放すことになっても、そこに刻まれた思い出まで手放す必要はありません。
形を変えて残す。
そんな墓じまいの方法があってもいいのではないでしょうか。
それではまた罰の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
8月30日
【ハッピーサンシャインデー】
ハッピーサンシャインデーとは、「太陽のような明るい笑顔の人のための日」という記念日です。
「ハッピー(8)サンシャイン(30)」という語呂合わせが由来となっています。この記念日には、以下のような意味や背景があります。
記念日の由来と意味
- 笑顔の素敵な人をお祝いする:この日に生まれた人は「笑顔が素敵な人(太陽のように明るい人)」が多いという説から誕生しました。
- みんなで笑顔になる日:明るい笑顔で過ごすことで、自分も周りもハッピーな気分になろうという願いが込められています。
- 季節的なイメージ:真夏の太陽が空いっぱいに輝く8月の季節感が、笑顔のイメージにぴったり重なっています。
笑顔がもたらす効果
笑顔で過ごすことは、心と体に以下のような良い効果があることが科学的にも実証されています。
- 免疫力の向上:大笑いした後は、免疫細胞の一種である「NK細胞(ナチュラルキラー細胞)」の活性が上昇します。
- ストレスの解消:気持ちを切り替え、ストレスを軽減する効果があります。
- 笑顔の伝染:笑っている人を見ると自分もつられて笑ってしまうように、周囲の雰囲気も穏やかにします。
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近年では、特定のジャンルに限定されない明るいテーマであることから、多くの企業がSNSでのキャンペーンやイベント、笑顔にまつわる調査リリースの発信などにPR TIMESなどを通じて活用しています。