スタンディングデスクで集中力は上がる?仕事も趣味も快適にする活用法

パソコンで仕事をしたり、勉強したり、趣味に没頭したり……。気がつけば何時間も椅子に座りっぱなし、なんてことはありませんか?

近年、オフィスなどで見かける機会が増えてきたのが、立ったまま作業できる「スタンディングデスク」です。

座りっぱなしを減らすために導入する企業もあり、仕事の効率化や健康づくりの観点から注目されています。

「立って仕事をすると集中力が上がるらしい」「座り続けるより健康にいいらしい」と聞くと、試してみたくなりますよね。

しかし、本当に立って作業するだけで仕事の効率や集中力は上がるのでしょうか?

実は、スタンディングデスクにはメリットがある一方、立ちっぱなしなら何でもいいというわけではありません。

今回は、スタンディングデスクが注目される理由や研究で分かっていること、仕事以外の勉強や趣味での活用法、導入する際の注意点まで紹介します。

そもそもスタンディングデスクとは?

スタンディングデスクとは、立った状態でパソコン作業や事務作業などができる机のことです。

一般的なデスクとの大きな違いは、椅子に座らずに作業できる高さに設定できること。高さを調整できるタイプなら、座った姿勢と立った姿勢を切り替えながら使えます。

代表的なのは、次の2種類です。

  • 固定式: 立って作業する高さに設定されたデスク。比較的シンプルな構造です。
  • 昇降式: 天板の高さを変えられるデスク。電動式や手動式があり、座る作業と立つ作業を切り替えられます。

特に便利なのが、ボタン操作で高さを変えられる電動昇降式デスクです。

長時間のデスクワークでも、作業内容や体の状態に合わせて姿勢を変えられます。

ただし、スタンディングデスクを導入すれば、自動的に健康になったり仕事が速くなったりするわけではありません。大切なのは、同じ姿勢を長時間続けないことです。

なぜ立って作業するスタイルが注目されているの?

スタンディングデスクが注目されている大きな理由は、主に2つあります。

1.座りっぱなしの時間を減らせる

デスクワーク中心の生活では、仕事中だけでなく、通勤中や帰宅後も座って過ごす時間が長くなりがちです。

長時間の座位を含む身体活動の少ない生活習慣は、心血管疾患や2型糖尿病など、さまざまな健康上の問題と関連することが報告されています。

世界保健機関(WHO)も、座っている時間を減らし、その時間を軽い身体活動も含めた活動に置き換えることを推奨しています。

ただし、ここで注意したいのは、座ること自体が悪いわけではないという点です。

座る時間が長くなりすぎないように、立つ、歩く、軽く体を動かすといった行動を取り入れることが大切なのです。

参考:WHO「身体活動と座位行動に関するガイドライン」

2.仕事中の気分転換につながる

同じ姿勢でパソコンに向かい続けていると、疲労感や眠気を感じることがあります。

そんなとき、立ち上がって作業を続けたり、少し歩いたりすることは気分転換になります。

座った状態から姿勢を変えることで、体を動かすきっかけにもなります。

ただし、立つだけで脳への血流が必ず大幅に増える、あるいは集中力が確実に上がるとまではいえません。

スタンディングデスクのメリットは、集中力を魔法のように高めることよりも、長時間の座りっぱなしを避け、作業中に体を動かす選択肢を増やせることにあると考えるとよいでしょう。

スタンディングデスクを導入する企業は増えている?

スタンディングデスクは、企業のオフィスでも利用されています。

導入方法はさまざまで、全社員の机を昇降式にする企業もあれば、共有スペースや一部の席だけに設置する企業もあります。

例えば、次のような使い方が考えられます。

フリーアドレスの一部に設置する

社員が自由に席を選べるフリーアドレスのオフィスでは、通常のデスクに加えて、立って作業できる席を用意する方法があります。

集中して作業したいときや、座り続けて疲れたときに利用できるのがメリットです。

個人のデスクを昇降式にする

社員一人ひとりに昇降式デスクを用意すれば、それぞれの体格や仕事内容に合わせて高さを調整できます。

長時間のパソコン作業が中心の職場では、座る姿勢と立つ姿勢を自由に切り替えられることが便利です。

ミーティングスペースで活用する

立ったまま短時間の打ち合わせを行う方法もあります。

会議の目的や進行方法によっては、要点を絞って話し合うきっかけになるかもしれません。ただし、立って会議をすれば必ず短時間で終わるというわけではありません。

立って作業すると効率はどれくらい上がる?

ここが一番気になるところではないでしょうか。

スタンディングデスクを使えば、座って作業するよりも仕事が速くなるのでしょうか?

結論からいうと、生産性が必ず上がるとは、現在の研究からは断言できません。

スタンディングデスクの効果を調べた研究では、作業効率が大きく改善した事例がある一方、座った場合と比べて明確な差が確認できなかった研究もあります。

生産性が46%向上したという研究もある

米国テキサスA&M大学の研究者らは、コールセンターの従業員を対象に、座ることも立つこともできるデスクを利用するグループと、従来の座り仕事を行うグループを比較しました。

6か月間の調査では、昇降可能なデスクを使ったグループの生産性が、従来型のデスクを使ったグループより約46%高かったと報告されています。

ただし、この結果は特定の職場で、特定の業務を行った従業員を対象としたものです。

すべての職種や作業に当てはまるわけではなく、スタンディングデスクを導入するだけで誰もが46%効率アップするという意味ではありません。

参考:Texas A&M University「Boosting Productivity At Work May Be Simple: Stand Up」

研究全体を見ると、効果は一様ではない

スタンディングデスクと作業効率の関係を調べた研究のレビューでは、座る姿勢と立つ姿勢を切り替えるデスクを使っても、作業能力が大きく損なわれるとは考えにくい一方、生産性が明確に向上するという証拠は限定的だと報告されています。

つまり、立って作業することで仕事の効率を維持しながら、座りっぱなしの時間を減らせる可能性はありますが、必ず仕事が速くなるとは限らないのです。

参考:The Impact of Active Workstations on Workplace Productivity and Performance: A Systematic Review

作業内容によっても向き不向きがある

例えば、メールの確認や資料の読み込み、簡単な文章の下書きなどは、立った状態でも取り組みやすいかもしれません。

一方、細かな画像編集や精密なマウス操作、長時間の複雑な文章作成などは、座ったほうが快適に進められる人もいます。

大切なのは、立つことを目的にするのではなく、自分が集中しやすく、無理なく作業を続けられる姿勢を選ぶことです。

仕事だけじゃない!自宅での勉強や趣味にも活用できる

スタンディングデスクの活躍の場は、オフィスだけではありません。

自宅での勉強や趣味でも、座りっぱなしを避けるための選択肢として活用できます。

1.資格の勉強や読書

資格試験の勉強や参考書を読む時間は、気がつくと長くなりがちです。

座ったまま勉強していると、疲れて姿勢が崩れたり、眠気を感じたりすることもあるでしょう。

そんなときに立って勉強すると、姿勢を変えることで気分転換になる可能性があります。

ただし、立つことで記憶力や理解力が必ず向上するわけではありません。暗記や問題演習など、自分が取り組みやすい作業を選びながら試すのがおすすめです。

2.ブログ執筆や小説などの創作活動

ブログ記事を書いたり、小説のアイデアを考えたりする作業にも活用できます。

例えば、次のように使い分けてみるのはいかがでしょうか。

  • 立って作業する: 記事のテーマを考える、見出しを整理する、アイデアをメモする。
  • 座って作業する: 長文を書く、文章を推敲する、細かい編集を行う。
  • 席を離れて歩く: 考えがまとまらないときや、頭を切り替えたいとき。

もちろん、これはあくまで使い分けの一例です。

立っているほうが発想しやすい人もいれば、座ってじっくり考えるほうが得意な人もいます。自分に合ったスタイルを探してみましょう。

3.イラスト制作や動画編集

パソコンを使った創作活動は、長時間同じ姿勢になりやすいものです。

立ち作業と座り作業を切り替えられれば、作業の途中で姿勢を変えられます。

ただし、細かな描画や精密な編集など、安定した姿勢が必要な作業では、座ったほうが取り組みやすい場合があります。

作業内容に応じて切り替えるのがよさそうです。

4.パソコンゲーム

ゲームに熱中していると、何時間も座ったまま過ごしてしまうことがあります。

昇降デスクがあれば、ゲームの合間に立ったり、少し歩いたりするきっかけを作れます。

ただし、立ってプレイすれば反射神経や判断力が必ず向上するというわけではありません。ゲームの操作性や疲れやすさを考え、快適にプレイできる姿勢を選びましょう。

スタンディングデスクは立ちっぱなしでも大丈夫?

ここは、導入する前に知っておきたいポイントです。

座りっぱなしがよくないからといって、今度は一日中立ち続ければいいというわけではありません。

長時間立ち続けることも、足の疲労や不快感につながります。人によっては腰や足に負担を感じることもあります。

そのため、スタンディングデスクを使う際は、座る時間と立つ時間を組み合わせるのが基本です。

最初は短時間から試してみる

例えば、まずは仕事や勉強の途中に5〜10分程度立って作業し、疲れ具合や集中しやすさを確認してみましょう。

慣れてきたら、自分の体調や作業内容に合わせて少しずつ調整します。

「30分座ったら必ず30分立つ」といった厳密なルールを守らなければならないわけではありません。現時点では、すべての人に最適な座位・立位の時間配分が確立されているわけではないからです。

立つことだけでなく、歩く、軽くストレッチをするなど、体を動かす時間を取り入れるのもよいでしょう。

正しいデスクの高さを意識する

デスクが高すぎたり低すぎたりすると、肩や腕に余計な負担がかかる可能性があります。

立ってパソコンを操作する際は、次の点を意識してみてください。

  • 肩の力を抜き、無理に腕を持ち上げない。
  • キーボードやマウスを自然に操作できる高さにする。
  • 画面を見下ろしすぎたり、首を反らしすぎたりしない。
  • 同じ姿勢を続けず、適宜体を動かす。

足が疲れたときは無理をせず、座るか、少し歩いて休憩しましょう。

自宅に導入するなら何を選べばいい?

スタンディングデスクを購入する場合、価格やデザインだけでなく、使い方に合ったものを選ぶことが大切です。

電動昇降式デスク

ボタン操作で高さを調整できるため、座る姿勢と立つ姿勢を切り替えやすいのがメリットです。

頻繁に高さを変えたい人や、ブログ執筆、勉強、在宅ワークなど複数の用途で使いたい人に向いています。

一方で、固定式や手動式に比べて価格が高くなりやすく、本体が重い製品もあります。購入前に設置場所や耐荷重、天板のサイズなどを確認しましょう。

手動昇降式デスク

ハンドルなどを使って高さを調整するタイプです。

電動式より価格を抑えられる製品もありますが、高さを変えるのに手間がかかる場合があります。

固定式スタンディングデスク

立って作業することが中心なら、固定式も選択肢です。

ただし、座って作業したくなった場合には別の机や椅子が必要になることがあります。自宅で長時間使うなら、自分の作業スタイルに合っているかを考えておきましょう。

また、フローリングで長時間立つ場合は、クッション性のあるマットや履き心地のよい室内履きも役立つことがあります。

まとめ:立つことを目的にせず、快適に作業できる環境をつくろう

今回は、スタンディングデスクのメリットや作業効率との関係、仕事以外での活用方法について紹介しました。

ポイントを整理すると、次のとおりです。

  • スタンディングデスクは、座りっぱなしの時間を減らすための選択肢になる。
  • 立って作業することで気分転換になる場合があるが、集中力や生産性が必ず向上するとは限らない。
  • ブログ執筆や勉強、読書など、自宅での作業にも活用できる。
  • 長時間立ち続けるのではなく、座る・立つ・歩くを組み合わせることが大切。
  • デスクの高さや作業内容、自分の体調に合わせて使い方を調整する。

ちなみに筆者は、普段は座ったまま作業することがほとんどです。

ブログを書いていると、気がつけば何時間も椅子に座ったまま……なんてこともあります。

しかも、休憩中にスマホを見始めると、いつの間にか休憩時間が延びてしまうことも(汗)。

そんなとき、立って作業する時間を取り入れれば、気分を切り替えるきっかけになるかもしれません。

いきなりスタンディングデスクを購入しなくても、まずは定期的に立ち上がったり、少し歩いたりすることから始められます。

大切なのは、ずっと座ることでも、ずっと立つことでもなく、自分に合った方法で体を動かす機会を増やすこと。

皆さんは、仕事や勉強をするときに座る派ですか? それとも立つ派ですか?

スタンディングデスクを使っている方がいれば、実際に集中力や作業のしやすさが変わったのか、ぜひ教えてください!

それではまた別の記事でお会いしましょう

参考


🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」

11月5日

【縁結びの日】

「いい(11)ご(5)えん」(いいご縁)という語呂合わせと、神話の国として知られる島根県の出雲地方の伝承に由来しています。

由来と背景

  1. 「いいご縁」の語呂合わせ
    11月5日の数字を「11(いい)5(ごえん)」と読むことから、人と人との良いつながりを願う日とされました。
  2. 出雲の「神在月(かみありづき)」
    旧暦の10月(新暦の11月頃)、全国の神々が島根県の出雲大社に集まり、人々の結婚や恋愛、健康、仕事など、あらゆる「縁」を決める会議(神議り=かみはかり)を行うとされています。この神聖な時期に合わせて、島根県の「神話の国・縁結び観光協会」が記念日を制定しました。

どのような日?

恋愛や結婚の縁だけでなく、友人関係、仕事、健康など、人生におけるすべての「良い出会いやつながり」を大切にし、感謝する日とされています。この日には、縁結びで有名な神社への参拝や、人と人との絆を深めるための様々なイベントが各地で行われます。