なぜ期待のEVは消えたのか?
世界的に「脱炭素」や「地球温暖化対策」が叫ばれる中、自動車業界では電動化の流れが一気に加速しています。日本でも電気自動車(EV)は徐々に普及し、未来の主役として期待されてきました。
そんな中、大きな注目を集めていたのが、ソニーとホンダによるEVプロジェクトです。
「異業種タッグでどんな車が生まれるのか?」
そう期待していた人も多いはずです。
しかし――
そのプロジェクトは、発売直前でまさかの中止となりました。
今回はこの出来事をきっかけに、
なぜEV開発はうまくいかなかったのか?
そして
自動車業界に存在する“高すぎる壁”とは何なのか?
を分かりやすく解説していきます。
ソニー×ホンダEV「AFEELA」は本当に中止になったのか?
ソニーグループとホンダが共同出資した「ソニー・ホンダモビリティ(SHM)」は、2026年3月、EVブランド「AFEELA(アフィーラ)」の開発・販売中止を正式に発表しました。
期待されていたプロジェクトがなぜ止まってしまったのか。主な理由は次の3つです。
■ ① ホンダの戦略転換
ホンダはEV戦略そのものを見直し、
アフィーラのベースとなる予定だった「ゼロシリーズ」の開発を中止しました。
これにより、
- 生産体制が消滅
- 技術の流用が不可能
となり、プロジェクトの継続が現実的ではなくなりました。
■ ② EV市場の失速(特にアメリカ)
EVは順調に普及すると思われていましたが、現実は少し違いました。
- 政策の変化(環境規制の緩和)
- EV補助金の影響低下
- ハイブリッド車への回帰
こうした要因が重なり、特に北米市場ではEV需要が鈍化。
「売れる前提」が崩れたことで、計画自体の意味が揺らいでしまったのです。
■ ③ 巨額投資のリスク
EV開発には兆単位の投資が必要です。
市場が不透明な中でこの投資を続けるのは、企業にとって大きなリスクになります。
実際にホンダは、この戦略見直しにより最終赤字の見通しを発表しており、
経営判断として“撤退”を選ばざるを得なかったと言えるでしょう。
日産との「破談」とは何が違うのか?
ホンダは過去に日産とも協議が決裂していますが、今回とは性質がまったく異なります。
■ 日産とのケース:経営の主導権争い
- 内容:会社統合(いわば“結婚”)
- 原因:主導権争い(どちらが上か)
- 結果:短期間で完全決裂
■ ソニーとのケース:事業そのものの中止
- 内容:EVプロジェクト(共同ビジネス)
- 原因:市場と戦略の変化
- 結果:事業は終了、関係は継続の可能性あり
簡単に言うと、
👉 日産 → 「結婚話が破談」
👉 ソニー → 「一緒に作ってた企画がボツ」
という違いです。
なぜ自動車会社同士の協業は難しいのか?
ここが今回の本質です。
自動車業界には、他の業界にはない“見えない壁”が存在しています。
■ ① プライドと企業文化の衝突
自動車メーカーは長い歴史の中で独自の技術と思想を築いてきました。
- 「自社が一番」という意識
- 現場レベルでの強い抵抗
これが、協力の大きな障害になります。
特にホンダや日産のような総合メーカー同士では、
領域が重なりすぎて衝突しやすいのです。
■ ② 共通化の難しさ(想像以上に大変)
車は数万点の部品でできています。
- ネジの規格
- 設計思想
- 生産工程
すべてが違うため、「一緒に作る」こと自体が非常に困難です。
結果として、
👉「自社で作った方が早い」
という結論に陥りやすくなります。
■ ③ 市場変化が早すぎる
今の自動車業界は「100年に一度の変革期」と言われています。
- EV
- 自動運転
- ソフトウェア化
しかし変化が激しすぎて、
👉 検討している間に前提が崩れる
ということが普通に起きます。
今回のEV需要減速はまさにその典型例です。
それでも成功する提携はある
すべてが失敗するわけではありません。
例えば、トヨタとスバルのように
- 役割が明確
- 強みが被らない
こうしたケースでは、協業は成功しやすい傾向があります。
まとめ:EV時代でも「簡単には変われない業界」
今回のソニー×ホンダの事例は、
👉 EVが難しいのではなく
👉 自動車業界そのものが変わりにくい
という現実を示しています。
技術、文化、投資、そして市場――
すべての要素が複雑に絡み合うこの業界では、
「正しい戦略」でも簡単には成功しません。
車好きとしては少し残念なニュースですが、
逆に言えば今は大きな転換期の真っ只中。
これからどのメーカーが生き残り、どんな車が生まれるのか。
今後の動きにも注目していきたいところですね。
あなたはこのニュース、どう感じましたか?
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
5月20日
【東京港開港記念日】
1941年(昭和16年)5月20日に芝浦埠頭と竹芝埠頭が完成し、東京港が国際貿易港として開港指定を受けたことを記念して、東京都が制定しました。
主な背景とイベント
- 歴史的背景: かつて江戸湊(えどみなと)と呼ばれていた東京港は、関東大震災をきっかけに大型船が入港できる港の必要性が高まり、整備が進められました。
- 東京みなと祭: この記念日を祝して、毎年5月に「東京みなと祭 」が開催されます。船の一般公開や体験型イベントなど、港の役割や魅力を伝える企画が行われます。
- 重要性: 東京港は、横浜、名古屋、大阪、神戸と並ぶ「日本五大港」の一つとして、日本の物流や経済を支える重要な拠点となっています。
ちなみに、横浜港の開港記念日は6月2日、神戸港は12月7日と、港によって記念日は異なります。