はじめに
選挙のたびに何気なく受け取る「投票用紙」。
普段は深く考えることのない存在ですが、実はこの紙には、開票作業を効率化するための高度な工夫が詰め込まれています。
さらに驚くことに、同じ素材の紙は一般でも購入可能。知れば知るほど面白い、投票用紙の世界を今回は分かりやすく解説していきます。
それでは見ていきましょう。
選挙の投票用紙は「紙」ではない?
日本の選挙で使われている投票用紙は、一般的な紙ではなく、**ポリプロピレン樹脂を主原料とした合成紙「ユポ紙」**で作られています。
見た目は紙そのものですが、素材はプラスチックに近い性質を持ち、選挙という重要な場面に最適化された特別な仕様になっています。
投票用紙に隠された3つのすごい特徴
1. 折っても自然に開く「形状記憶性」
最大の特徴は、折りたたんでも元の形に戻ろうとする性質です。
かつては開票時に、職員が1枚ずつ紙を手で広げる必要がありました。しかしユポ紙なら、投票箱から取り出した瞬間に自然と開くため、開票時間を大幅に短縮できます。
この小さな工夫が、深夜まで続く開票作業の負担軽減につながっています。
2. 書きやすくて、とにかく丈夫
ユポ紙には実用面でも大きなメリットがあります。
- なめらかな書き心地:鉛筆の粉が乗りやすく、弱い筆圧でもはっきり記入できる
- 破れにくい強度:手で引っ張っても簡単には破れない
- 高い耐水性:雨の日の投票所でも安心して使用できる
選挙という公的手続きにおいて、記入ミスや破損を防ぐ重要な役割を担っています。
3. 日本企業が生んだ独自技術
この投票用紙は、ユポ・コーポレーションと選挙機器メーカー・ムサシによって共同開発され、1990年代から全国で導入されました。
日本の選挙を支える、まさに縁の下の技術と言えるでしょう。
投票用紙1枚のコストはどれくらい?
用紙そのものは意外と安い
選挙用のユポ紙は大量発注されるため、
1枚あたり約3〜4円程度とされています。
一般販売のユポ紙はA4で1枚100円前後することもあるため、スケールメリットによって大きく価格が抑えられていることが分かります。
「1票」にかかる本当の費用
しかし、選挙全体のコストで見ると話は別です。
投票所の設営、人件費、郵送費、開票作業などを含めると、
1票あたり約500〜700円ほどの費用がかかると言われています。
用紙代はごく一部で、実際には運営コストが大半を占めているのです。
それでもユポ紙を使う理由
一見すると高価に思える合成紙ですが、
開票時間の短縮によって人件費を削減できるため、結果的には合理的な選択になります。
いわば選挙における「タイムパフォーマンス重視」の発想です。
ユポ紙は一般でも買える?
実は、投票用紙と同じ素材のユポ紙は一般向けにも販売されています。
購入方法
- Amazon・楽天市場・モノタロウなどのネット通販
- 紙専門のオンラインショップ
店頭では見かけにくいものの、ネットなら比較的簡単に入手できます。
使用する際の注意点
ユポ紙は便利ですが、扱いには少しコツがあります。
- レーザープリンターはNGの可能性
熱で溶ける恐れがあり、故障の原因になることがあります。 - インクジェットは乾きにくい
専用加工された「インクジェット対応ユポ紙」を選ぶ必要があります。 - おすすめの活用例
- 登山用の耐水地図
- お風呂ポスター
- 屋外メモ帳
- アルコールインクアート
水や破れに強い特性を活かすと、日常でも意外と役立ちます。
まとめ
普段は意識することのない選挙の投票用紙ですが、
そこには開票効率・耐久性・コスト削減を実現するための工夫が詰まっていました。
しかも同じ素材の紙が一般でも購入できるというのは、ちょっとした驚きですよね。
身近なものの裏側を知ると、社会の仕組みが少し面白く見えてきます。
これから選挙に行くときは、ぜひ投票用紙にも注目してみてください。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
2月28日
【ビスケットの日】
1980年に全国ビスケット協会が制定した記念日で、主に以下の2つの理由からこの日が選ばれました。
- 歴史的由来: 1855年(安政2年)2月28日、水戸藩の医師・柴田方庵が、長崎で学んだ軍用ビスケットの製法を「パン・ビスコイト製法書」として藩に送ったことが、日本におけるビスケット製法の公的な記録の初まりとされています。
- 言葉の語源: ビスケットの語源であるラテン語の「ビス・コクトゥス(2度焼かれたもの)」にちなみ、「に(2)ど・や(8)く」という語呂合わせも含まれています。