「今年は年金が増えた!」
年金受給者にとって、年金額が増えるのは嬉しいニュースですよね。
物価が上昇している現在、年金額も物価や賃金の変動などを踏まえて毎年度改定されています。
実際、2026年度(令和8年度)は、国民年金(基礎年金)が前年度比1.9%、厚生年金の報酬比例部分が2.0%の引き上げとなりました。
ところが、ここで気になるのが、
「年金が増えたのに、実際に振り込まれる金額はあまり増えていない……」
というケースです。
場合によっては、
「年金は増えたはずなのに、手取りが減っている!」
ということもあります。
一体なぜなのでしょうか?
その理由の一つが、年金そのものではなく、年金を受け取ることで発生する税金や社会保険料の変化です。
さらに、一定の所得水準を超えることで、それまで受けていた保険料の軽減や各種制度の対象から外れることもあります。
今回は、年金の「額面」と「実際の手取り」が違う理由から、「住民税非課税の壁」と呼ばれるものまで、できるだけわかりやすく解説していきます。
年金の支給額が増えたのに、手取りが減ることは本当にある?
結論から言えば、
あります。
ただし、
「年金が増えたら必ず手取りが減る」わけではありません。
ここは非常に重要なポイントです。
年金の振込額は、単純に「年金額=そのまま銀行口座に入る金額」ではありません。
年金からは、条件に応じて、
- 介護保険料
- 国民健康保険料(税)
- 後期高齢者医療保険料
- 所得税・復興特別所得税
などが差し引かれる場合があります。
日本年金機構の「年金振込通知書」でも、年金支払額のほか、介護保険料、国民健康保険料・後期高齢者医療保険料、所得税などの項目が確認できるようになっています。
つまり、
年金の額面が増えることと、銀行口座に振り込まれる金額が同じだけ増えることは別問題
なのです。
そもそも「年金の額面」と「手取り」は違う
例えば、わかりやすくするために、
年金の額面が月12万円から12万3,000円に増えた
とします。
月3,000円増えたので、
「年間では3万6,000円増えた!」
と思いますよね。
ところが、年金額が増えたことなどをきっかけに、翌年度以降の社会保険料などが増えたとします。
すると、
年金は年間3万6,000円増えた
↓
保険料や税金も増えた
↓
実際に自由に使えるお金は、ほとんど増えない
ということが起こる可能性があります。
さらに、所得水準が変わることで保険料の軽減割合などが変われば、単純な「年金の増額分」だけでは判断できなくなることもあります。
なぜ年金が増えると負担も増えるの?
ここでポイントになるのが、
「年金収入が所得として扱われる仕組み」
です。
老齢年金は、税金の計算上、一定の計算方法によって「雑所得」として扱われます。
65歳以上の場合、公的年金等控除などを差し引いて所得を計算します。
2026年分の所得税については、65歳以上の人の公的年金等控除額は、一定の条件では110万円が基本となっています。
つまり、
年金収入がそのまま課税所得になるわけではありません。
ここを理解しておくことが大切です。
「年金が増えたら税金も増える」は本当?
これも、
場合によります。
年金額が少し増えたからといって、増えた金額すべてにそのまま税金がかかるわけではありません。
公的年金等控除や基礎控除など、さまざまな控除を考慮して課税される所得が決まります。
また、所得税と住民税では非課税になる基準も異なります。
例えば2026年度の住民税について、65歳以上で公的年金収入だけの場合、自治体によっては155万円、151.5万円、148万円などが一つの目安になります。
日本年金機構も、住民税の非課税限度額は自治体の級地区分によって異なると案内しています。
そのため、
「65歳以上なら年金148万円を超えたら全国どこでも課税される」
というような単純な話ではありません。
自分が住んでいる自治体の基準を確認することが重要です。
「住民税非課税の壁」とは?
年金の話をすると、よく登場するのが、
「住民税非課税の壁」
という言葉です。
これは正式な一つの制度名ではありませんが、一定の所得水準を超えることで、それまで住民税が非課税だった人が課税対象になる境目を、一般的に「壁」と表現することがあります。
そして、この壁が注目される理由は、単純に
「住民税が少し発生する」
だけではありません。
所得水準によって、
- 国民健康保険料の軽減
- 後期高齢者医療保険料の軽減
- 介護保険料の段階
- 高額療養費などの自己負担上限
- 各自治体独自の支援制度
- 物価高対策などの給付制度
など、さまざまな制度の判定に影響する場合があるからです。
ただし、これらはすべて同じ基準で判定されるわけではありません。
ここが非常に重要です。
年金が少し増えただけなのに、保険料が上がることがある?
あります。
特にわかりやすいのが、所得が低い世帯を対象とした保険料の軽減制度です。
例えば国民健康保険では、一定の所得基準を下回る世帯について、均等割・平等割が7割、5割、2割軽減される制度があります。
つまり、
所得が低い人ほど保険料の負担が軽くなる仕組み
が用意されているわけです。
ところが、所得が増えて軽減の判定基準を超えると、軽減割合が変わる可能性があります。
その結果、
年金が少し増えた
↓
所得の判定が変わった
↓
保険料の軽減割合が変わった
↓
結果的に負担が増えた
ということが起こり得ます。
ただし、国民健康保険料は自治体ごとの料率なども関係するため、
「年金が○円増えたら必ず保険料が○円増える」
とは言えません。
75歳になると「後期高齢者医療制度」に変わる
高齢者の医療保険について考える場合、もう一つ知っておきたいのが、
後期高齢者医療制度
です。
原則として75歳以上になると、それまで加入していた健康保険などから後期高齢者医療制度へ移行します。
この保険料も所得などを基準に計算されるため、年金額だけでなく、その他の所得や世帯状況などによって負担額が変わります。
また、低所得者については均等割の軽減制度もあります。
2026・2027年度の後期高齢者医療制度については、全国平均の一人当たり平均保険料額も前の2年間より増える見込みとなっています。
つまり、
「年金額が増えたかどうか」だけでなく、「医療保険料がいくらになったのか」も確認する必要がある
ということです。
介護保険料にも注意したい
65歳以上になると、介護保険料も重要になります。
介護保険料は所得などに応じて段階的に設定されるため、所得状況が変わることで保険料段階が変わる場合があります。
しかも、介護保険料は年金から天引きされることがあります。
そのため、
「年金が増えたのに、振込額が思ったほど増えていない」
という場合には、
介護保険料がいくらになっているのか
を確認することも大切です。
「非課税世帯」から外れると何が変わる?
ここは誤解されやすいところです。
「住民税非課税世帯」になることには、税金そのものだけではなく、さまざまな制度上のメリットが関係する場合があります。
例えば、
① 保険料の軽減
国民健康保険や後期高齢者医療制度では、所得が低い人を対象とした保険料軽減制度があります。
② 介護保険料
介護保険料についても、所得状況などに応じて段階が設定されています。
③ 医療費の自己負担上限
高額療養費制度などでは、所得区分によって自己負担限度額が異なります。
④ 各種給付・支援制度
自治体や国の制度では、住民税非課税世帯を対象にした給付や支援が設けられることがあります。
ただし、
「非課税世帯から外れたら、これらが全部一斉になくなる」わけではありません。
制度ごとに判定基準が違います。
ここを「全部なくなる」と説明してしまうと、かえって読者を混乱させてしまいます。
「年金が増えた=非課税世帯から外れる」ではない
これも非常に重要です。
年金が増えたからといって、必ず住民税非課税から外れるわけではありません。
なぜなら、
- 年齢
- 年金収入
- その他の所得
- 配偶者の有無
- 扶養親族の状況
- 障害者・寡婦・ひとり親などの該当状況
- 居住している自治体
などによって判定が変わるからです。
例えば、日本年金機構が案内している65歳以上の単身者の住民税非課税限度額は、1級地155万円、2級地151.5万円、3級地148万円となっています。
「年金148万円」という数字だけが一人歩きしがちですが、
自分の住んでいる自治体の基準を確認することが大切
です。
「夫婦なら211万円まで非課税」は本当?
これも注意したいポイントです。
ネット上では、
「65歳以上なら夫婦で年金211万円までは非課税」
といった説明を見かけることがあります。
実際、一部自治体では、一定の条件を満たす夫婦世帯について、そのような金額が目安として案内される場合があります。
しかし、
全国一律の「夫婦の非課税ライン=211万円」ではありません。
住民税の非課税判定は、自治体の級地区分や家族構成などによって変わります。
そのため、ブログでは「211万円なら大丈夫」と断定するより、
「夫婦の場合は扶養親族等の人数などによって非課税基準が変わるため、自治体に確認しましょう」
と説明するほうが正確です。
「年金が増えたのに手取りが減る」もう一つの原因
税金や保険料とは別に、
物価上昇
も忘れてはいけません。
例えば、
年金が2%増えた
↓
物価が3%上昇した
とすれば、額面の年金は増えていても、同じ金額で買える商品の量は減っています。
つまり、
名目上は増えていても、実質的な購買力は低下する
ということです。
これは「手取り額そのものが減った」という話とは別ですが、生活者からすると、
「年金が増えたはずなのに、生活が楽にならない」
という感覚につながります。
マクロ経済スライドって何?
ここで登場するのが、
マクロ経済スライド
です。
日本の公的年金では、賃金や物価の変動などを基に年金額を改定する仕組みがあります。
一方で、現役世代の人口減少や平均余命の伸びなどを考慮して、年金給付の伸びを抑える調整が行われる場合があります。
これがマクロ経済スライドです。
ただし、
「マクロ経済スライドによって年金の手取りが直接減る」
と説明するのは正確ではありません。
マクロ経済スライドは、年金額の改定に関係する仕組みです。
一方、
実際の振込額がいくらになるのか
については、税金や社会保険料なども関係します。
この2つは分けて考えたほうが分かりやすいでしょう。
年金が増えたのに「手取りが増えない」仕組みを簡単にすると?
イメージとしては、
年金額
↓
増える
↓
しかし、その後の所得状況によって
↓
税金・社会保険料などが変わる
↓
さらに場合によっては
↓
保険料の軽減などの対象から外れる
↓
結果として
↓
手元に残るお金が思ったほど増えない
という流れです。
だからこそ、
「年金額がいくら増えたか」だけを見るのではなく、「最終的にいくら振り込まれたか」を見る
ことが重要なのです。
では、何を確認すればいい?
ここで役立つのが、
「年金振込通知書」
です。
日本年金機構によると、年金振込通知書は原則として毎年6月に送付され、年金の振込額などを確認できます。
通知書には、
- 年金支払額
- 介護保険料額
- 国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料
- 所得税額および復興特別所得税額
- 実際の振込額
などが記載されています。
つまり、
「年金が増えたのに、なぜ振込額が思ったほど増えていないの?」
という疑問がある人は、まずこの通知書を確認してみましょう。
前年の通知書と比較してみよう
おすすめなのが、
前年の年金振込通知書と並べて比較すること
です。
例えば、
| 項目 | 前年 | 今年 |
|---|---|---|
| 年金支払額 | 120万円 | 122万円 |
| 介護保険料 | 6万円 | 7万円 |
| 医療保険料 | 4万円 | 5万円 |
| 所得税など | 0円 | 1万円 |
| 実際の振込額 | 110万円 | 109万円 |
※数字は説明用の架空例です。
このように比較すると、
「年金は増えているけど、保険料や税金も増えている」
ということが見えてきます。
もちろん、実際の計算は人によって異なります。
だからこそ、
通知書を確認することが一番確実
なのです。
「年金が増えたら翌年にドカンと取られる」は少し違う
ここも注意したいところです。
年金の改定と税金・社会保険料の計算には、制度上のタイミングの違いがあります。
そのため、
「年金が増えた直後に、同じ月からすべての保険料が同じ割合で増える」
とは限りません。
住民税や社会保険料は、前年の所得を基に計算されるものが多いため、影響が後から表れることがあります。
一方で、保険料の算定方法や特別徴収の時期は制度によって異なります。
したがって、
「必ず約1年後にドカンと増える」
と考えるのではなく、
「税金や各種保険料は、年金額の改定とは別のタイミングで計算されるため、時間差が生じることがある」
と理解しておくのがおすすめです。
では、何か対策はできるの?
できます。
ただし、
「非課税になるために、とにかく控除を増やせばいい」
と考えるのは危険です。
住民税の非課税判定は、制度や自治体によって基準が異なり、所得控除をすべて差し引いた後の金額だけで決まるわけではありません。
そのため、
「医療費控除を使えば非課税世帯に戻れる」
「生命保険料控除を使えば非課税の壁を超えなくなる」
と一律に考えることはできません。
では、何をすればいいのでしょうか?
対策① 控除の申告漏れを確認する
まず確認したいのが、
本来利用できる控除を使っているか
です。
例えば、
- 配偶者控除
- 扶養控除
- 医療費控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
など、条件を満たしている控除がある場合は、きちんと申告することが大切です。
特に、年金受給者の場合は、
「税金がかからないと思って何も申告しない」
という人もいるかもしれません。
しかし、税金がゼロになる場合でも、自治体への所得申告が必要になるケースがあります。
「申告しなくても大丈夫」と自己判断せず、必要かどうかを確認しましょう。
対策② 配偶者控除などを確認する
夫婦の場合は、
配偶者に関する控除を正しく利用できているか
を確認しましょう。
ここで注意したいのが、
「扶養に入れる」という言葉です。
税金の制度では「配偶者控除」や「配偶者特別控除」などの仕組みがあります。
一方、健康保険の「扶養」とは別の制度です。
つまり、
税金の扶養と健康保険の扶養は同じではありません。
年金生活者の場合、そもそも健康保険の扶養という概念が現役世代と同じように使えるとは限りません。
そのため、
「配偶者を扶養に入れれば年金の非課税ラインが211万円になる」
と単純に考えるのではなく、
税金上の配偶者控除などを利用できるか
を確認することが大切です。
対策③ 医療費控除を忘れない
年間の医療費が一定額を超えた場合には、医療費控除を利用できる可能性があります。
また、対象となる医療費には、一定の条件のもとで通院のための公共交通機関の交通費などが含まれる場合があります。
ただし、
「市販薬なら何でも医療費控除になる」
わけではありません。
医療費控除の対象になるかどうかは、治療目的かどうかなど、細かな条件があります。
また、医療費控除を申告したからといって、必ず住民税非課税世帯になれるわけでもありません。
ここは注意しましょう。
対策④ 「世帯分離」は慎重に
元記事で紹介していた、
「世帯分離をすれば非課税世帯になれる」
という方法についても注意が必要です。
世帯分離とは、同じ住所に住みながら住民票上の世帯を分けることです。
しかし、
「世帯分離=必ず税金や保険料が安くなる」
ではありません。
そもそも住民税は個人単位で課税されますし、制度によって世帯の判定方法も異なります。
また、世帯分離によって別の制度に影響する可能性もあります。
したがって、
「節約できそうだから、とりあえず世帯分離」
という考え方はおすすめできません。
世帯分離を検討する場合は、自分の世帯構成や加入している制度を伝えたうえで、市区町村の窓口に相談したほうが安心です。
対策⑤ 「年金の繰下げ受給」は慎重に考える
年金は、受給開始を繰り下げることで、将来受け取る年金額を増やせる制度があります。
これは老後資金を考えるうえで重要な選択肢です。
しかし、
「非課税世帯を維持したいから、繰下げ受給は絶対にダメ」
ということでもありません。
繰下げによって将来の年金額が増えれば、その分だけ税金や社会保険料の負担が増える可能性はあります。
一方で、毎月受け取れる年金そのものが増えるメリットもあります。
つまり、
税金だけを見て判断するのではなく、何歳まで生きるか、生活費はいくら必要なのか、貯蓄はいくらあるのかなどを含めて考える必要があります。
「非課税だから得」とも限らない
ここも非常に大切なポイントです。
「住民税非課税世帯」という言葉を見ると、
「非課税なら絶対に得」
と思ってしまいがちです。
しかし、非課税であることだけを目的にして、必要な収入を減らすのは本末転倒です。
例えば、
年金を年間10万円増やせる
↓
税金や保険料が少し増える
↓
だから年金を増やさない
という判断が本当に得なのかは、個人によって違います。
税金や保険料が増えても、
最終的な手取りが増えるのであれば、収入を増やしたほうが生活は楽になる
こともあります。
重要なのは、
「税金をいくら払うか」ではなく、「最終的にいくら手元に残るか」
です。
「年金が増えたのに生活が苦しい」の正体
ここまで読んでいただければ、
「年金が増えたのに、なぜ生活が楽にならないの?」
という疑問の答えも見えてくると思います。
理由は一つではありません。
年金額が増える
↓
物価も上昇する
↓
税金や社会保険料が変化する
↓
場合によっては保険料の軽減割合なども変わる
↓
実際に使えるお金は思ったほど増えない
ということがあるからです。
つまり、
「年金額」だけを見ていると、老後の生活実態を正確に把握できない
ということです。
これから年金を受け取る人が確認しておきたいこと
これから年金生活に入る人は、受給開始前から次のポイントを確認しておくと安心です。
✔ 自分の年金はいくらなのか
「ねんきんネット」などを利用して、将来の年金額を確認しておきましょう。
✔ 年金以外の収入はあるか
給与、事業所得、不動産所得などがある場合は、年金だけで判断できません。
✔ 住んでいる自治体の非課税基準
住民税の非課税基準は自治体によって異なります。
✔ 国民健康保険・後期高齢者医療の保険料
自分がどの医療保険制度に加入することになるのかも確認しておきましょう。
✔ 介護保険料
65歳以上になると介護保険料の負担も重要になります。
✔ 年金振込通知書
実際に年金を受け取るようになったら、毎年の通知書を確認しましょう。
年金は「額面」ではなく「手取り」で考えよう
年金について考えるとき、
「年金が月15万円ある」
という数字だけでは、本当の生活費を判断できません。
例えば、
年金15万円
↓
介護保険料
↓
医療保険料
↓
所得税など
↓
実際の振込額
となるからです。
さらに、家賃や住宅ローン、食費、光熱費、医療費などを支払う必要があります。
だからこそ、
老後の資金計画では「年金額」ではなく「実際に自由に使えるお金」を見る
ことが大切です。
まとめ
今回は、
「年金が増えたのに手取りが減ることがあるのはなぜ?」
という疑問について考えてみました。
年金額は毎年度改定されます。
2026年度も、国民年金(基礎年金)は1.9%、厚生年金の報酬比例部分は2.0%の引き上げとなりました。
しかし、
年金額が増えた=そのまま手取りが同じ割合で増える
とは限りません。
税金や社会保険料などが変わることで、実際に振り込まれる金額が思ったほど増えなかったり、条件によっては前年より少なくなったりする可能性があります。
また、住民税非課税の基準を超えることで、保険料の軽減などに影響する場合もあります。
ただし、
「年金が少し増えただけで必ず大幅に損をする」わけではありません。
制度は非常に複雑で、自治体や家族構成、所得などによって結果が変わります。
だからこそ、
「年金がいくら増えたか」だけではなく、「税金や社会保険料を差し引いた後に、実際いくら手元に残るのか」
を見ることが重要です。
まずは毎年届く「年金振込通知書」を確認してみましょう。
日本年金機構によると、年金振込通知書には年金支払額だけでなく、介護保険料や医療保険料、所得税などの金額も記載されています。
前年の通知書と比較すれば、
「年金は増えたのに、なぜ振込額があまり増えていないのか?」
という疑問の答えが見えてくるかもしれません。
老後の生活では、数千円、数万円の違いが決して小さなものではありません。
「年金は国からもらえるお金だから、支給額だけ見ておけば大丈夫」
ではなく、
「自分の年金から何が引かれて、最終的にいくら使えるのか」
まで確認しておく。
これが、これからの年金生活を考えるうえで大切なのではないでしょうか。
そして何より、
「税金や保険料を払いたくないから収入を減らす」
のではなく、
「必要な制度を正しく知って、使える控除や軽減制度をきちんと利用する」
ことが大切です。
年金は長い年月をかけて納めてきたお金だからこそ、受け取る段階になってから慌てないよう、今のうちから仕組みを知っておきたいですね。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
9月30日
【クレーンの日】
クレーンの日は、一般社団法人日本クレーン協会と公益社団法人ボイラ・クレーン安全協会が制定した記念日です。クレーンなどによる労働災害の防止や安全意識の向上を目的として、昭和55年(1980年)に設定されました。
制定の目的と主な活動
- 労働災害の防止: クレーン作業における事故をなくすため、安全意識を高める。
- 点検・整備の徹底: 職場での安全会議や設備の点検・整備活動を行う。
- 啓発活動: ポスターやスローガンなどを通じて、関係者や広く一般に安全作業の周知を図る。
9月30日に決まった経緯
もともとは日本クレーン協会が11月1日を「クレーンの日」としていましたが、別の団体が6月6日を記念日としてPRしていたため、当時の労働省から統一するよう勧奨を受けました。その後、昭和47年に「クレーン等安全規則」が公布された日などにちなみ、昭和55年に9月30日へと一本化されました。