名古屋メシはなぜ全国区になった?味・ボリューム・コスパだけじゃない人気の秘密

皆さんは、自分の地元以外の「ご当地グルメ」と聞いて、何を思い浮かべますか?

筆者の場合、真っ先に思い浮かぶのが「名古屋メシ」です。

みそカツ、手羽先、ひつまぶし、味噌煮込みうどん、きしめん、あんかけスパ、台湾ラーメン、小倉トースト……。

こうして並べてみると、とにかく種類が多い!

しかも、どれも一度聞いたら忘れにくい個性的な料理ばかりです。

今では全国的に知られている「名古屋メシ」ですが、そもそもなぜここまで全国区になったのでしょうか?

今回は、名古屋メシが全国へ広がった理由を、食文化だけではなく、ネーミング、企業の全国展開、観光との関係などから掘り下げてみたいと思います。

それでは、いってみましょう!

そもそも「名古屋メシ」って何?

まず、「名古屋メシ」という言葉について考えてみましょう。

名古屋市の観光情報では、みそカツ、手羽先、ひつまぶしなど、名古屋とその周辺で広く受け入れられ、家庭や飲食店で親しまれてきた地域独特のメニューを「なごやめし」と紹介しています。

つまり、「名古屋メシ」という料理が一つ存在するわけではありません。

さまざまな料理をまとめて「名古屋メシ」と呼んでいるのです。

ここが、名古屋メシの面白いところ。

例えば、

  • みそカツ
  • 手羽先
  • ひつまぶし
  • 味噌煮込みうどん
  • きしめん
  • あんかけスパゲッティ
  • 台湾ラーメン
  • 小倉トースト
  • 天むす
  • どて煮
  • 味噌おでん
  • 名古屋コーチン

など、ジャンルがバラバラです。

和食だけではありません。

洋食もあれば、中華料理から派生したものもあり、喫茶店文化から生まれたものまであります。

まさに「名古屋という地域の食文化そのもの」をまとめてブランド化したような存在と言えるでしょう。

なぜ名古屋メシは全国区になった?

では、ここからが本題です。

なぜ名古屋メシは、これほど全国的に知られるようになったのでしょうか?

一つの理由だけで説明するのは難しいですが、大きく分けると次のような要素が考えられます。

1.「名古屋メシ」という名前が分かりやすかった

全国的な知名度を考えるうえで、意外と重要なのが「名前」です。

「名古屋の名物料理」と一つひとつ説明するよりも、「名古屋メシ」とひとまとめにしたほうが、圧倒的に覚えやすいですよね。

「今日は名古屋メシを食べよう!」

この一言だけで、みそカツや手羽先、ひつまぶしなどを連想できます。

「名古屋」という地域名と「メシ」という非常に分かりやすい言葉を組み合わせたことで、料理そのものだけではなく、「名古屋で食べる独特の料理」というイメージまで伝わりやすくなりました。

いわば、複数のご当地料理を一つの看板にまとめたわけです。

これが観光やメディアとの相性も良かったのではないでしょうか。

2.とにかく料理の種類が多い!

そして、名古屋メシの最大の特徴の一つが「種類の多さ」です。

例えば、名古屋を訪れたとしても、

「今日は何を食べよう?」

という選択肢がかなりあります。

がっつり食べたいなら、

  • みそカツ
  • 味噌煮込みうどん
  • ひつまぶし
  • きしめん

お酒のお供なら、

  • 手羽先
  • どて煮
  • 味噌おでん

麺類が好きなら、

  • あんかけスパゲッティ
  • 台湾ラーメン
  • きしめん

喫茶店なら、

  • 小倉トースト
  • モーニング
  • 鉄板ナポリタン

といった具合です。

しかも、これらはすべて同じ味というわけではありません。

「味噌文化」という共通点はありながら、それぞれにかなり個性があります。

名古屋市の観光情報でも、味噌料理だけでなく、麺類、喫茶店、手羽先、ひつまぶしなど、非常に幅広い料理が「なごやめし」として紹介されています。

つまり名古屋の場合、「代表的なご当地グルメが一つある」というより、

「ご当地グルメの選択肢そのものが多い」

という強みがあるのです。

3.「普通の料理」を名古屋流にアレンジする文化

名古屋メシを見ていると、面白いことに気づきます。

「完全にゼロから生み出した料理」だけではありません。

既存の料理を名古屋流にアレンジしたものが多いのです。

例えば、みそカツ。

トンカツという全国的に知られた料理に、豆味噌をベースとした味噌ダレを合わせています。

あんかけスパも、パスタ料理を名古屋流にアレンジしたもの。

台湾ラーメンも、名前からして名古屋らしい独自性を感じます。

小倉トーストも、トーストと小倉あんという、一見するとシンプルな組み合わせです。

つまり名古屋メシには、

「すでにある料理を、自分たちなりにアレンジしてしまう」

という面白さがあります。

その結果、どこか知っているようで、他ではあまり見かけない料理が生まれました。

この「知っている料理なのに、ちょっと違う」という絶妙な距離感も、名古屋メシの魅力なのかもしれません。

4.味噌文化が強烈な個性を作った

そして、名古屋メシを語るうえで外せないのが「豆味噌」です。

みそカツや味噌煮込みうどん、どて煮、味噌おでんなど、名古屋周辺では豆味噌を使った料理が数多くあります。

名古屋市の観光情報でも、どて煮などについて、豆味噌による濃厚な甘辛さが特徴として紹介されています。

この「濃厚な味わい」は、名古屋メシの強烈な個性につながっています。

もちろん、名古屋の料理がすべて「味が濃い」というわけではありません。

しかし、全国的に有名になった料理の中には、味噌や甘辛いタレ、胡椒などを使い、味の印象が強いものが多いのは確かです。

初めて食べた人が、

「おお、これは名古屋っぽい!」

と感じやすい。

この分かりやすい個性も、全国区になるうえでプラスに働いたのではないでしょうか。

5.地元企業が全国へ進出した

ここはかなり重要なポイントです。

どれだけ美味しいご当地グルメでも、その地域に行かなければ食べられなければ、全国的な知名度を維持するのは簡単ではありません。

ところが名古屋には、全国へ店舗を展開した企業があります。

代表的なのが、

  • コメダ珈琲店
  • 世界の山ちゃん
  • 矢場とん

などです。

例えばコメダ珈琲店は名古屋発祥の喫茶店文化を全国へ広げました。

現在のコメダ珈琲店でも、ドリンクを注文するとトーストなどが付くモーニングサービスが提供されています。

「名古屋の喫茶店文化」を、全国の人が自分の住んでいる地域で体験できるようになったわけです。

世界の山ちゃんも、東京や大阪を含む全国各地に店舗を展開しています。

矢場とんも、東京や大阪などに店舗を展開しています。

こうして考えると、

「名古屋に行かなければ食べられない」から「自分の街でも食べられる」へ変わったこと

は、名古屋メシの知名度を広げるうえで非常に大きかったのではないでしょうか。

6.2005年の「愛・地球博」も追い風になった

名古屋メシを語るうえで、2005年に愛知県で開催された「愛・地球博(愛知万博)」も無視できません。

全国から多くの人が愛知県を訪れる機会が生まれたことで、名古屋や愛知の食文化に触れる人も増えました。

旅行先で、

「せっかく名古屋に来たんだから、名古屋らしいものを食べよう」

となるのは自然な流れですよね。

みそカツ、手羽先、ひつまぶしなどは観光客にも分かりやすい。

そして一度食べてもらえば、その料理をきっかけに名古屋そのものへの興味が生まれることもあります。

つまり観光と食文化がうまく結びついたのです。

名古屋メシって、やっぱりボリュームがある?

ここで気になるのが、

「名古屋メシって、なんだか量が多くない?」

という疑問です。

これは筆者も感じるところです。

ただし、「名古屋メシは他地域より必ず量が多い」と断定するのは少し難しいでしょう。

料理や店によって当然違います。

それでも、名古屋メシには「食べ応えがある」と感じやすい料理が多いのは確かです。

例えば、

  • 大きなカツを使ったみそカツ
  • 麺と濃厚なソースを組み合わせたあんかけスパ
  • うなぎとご飯を一緒に楽しむひつまぶし
  • ボリューム感のある喫茶店メニュー
  • 手羽先を何本も食べるスタイル

などがあります。

そして忘れてはいけないのが「喫茶店文化」です。

名古屋の喫茶店では、コーヒーを注文するとトーストやゆで卵などが付くモーニングサービスが広く知られています。

現在のコメダ珈琲店でも、午前11時までドリンクを注文するとトーストなどを無料で選べるモーニングサービスを提供しています。

「飲み物だけ頼んだつもりなのに、食べ物まで付いてきた!」

という感覚は、確かに「お得感」を強く感じますよね。

名古屋には「お値打ち」という考え方がある

名古屋メシを語るとき、個人的に面白いと思うのが「お値打ち」という感覚です。

「安ければいい」というだけではなく、

払った金額に対して、どれだけ満足できるか。

これを重視する文化が、名古屋の飲食文化には見られます。

その象徴ともいえるのが喫茶店のモーニングです。

コーヒーを注文したらトーストなどが付いてくる。

これを考えると、

「せっかく来てくれたんだから、少しでも喜んでもらおう」

というサービス精神を感じます。

実際、名古屋市の観光情報でも、現在の名古屋にはレトロな喫茶店から新しいスタイルの店まで、喫茶店文化が根付いていることが紹介されています。

名古屋メシの魅力は、単純な「安さ」ではありません。

価格、量、味、サービスを含めて「満足してもらおう」という考え方が見えやすいこと。

ここが面白いところだと思います。

じゃあ、名古屋メシは他のご当地グルメと何が違う?

ここまで見てくると、名古屋メシの特徴が少し見えてきます。

もちろん全国には魅力的なご当地グルメがたくさんあります。

うどんで有名な地域もあれば、海産物、ラーメン、肉料理、郷土料理など、地域ごとに特色があります。

その中で名古屋メシの特徴を挙げるなら、

「一つの料理ではなく、地域の食文化全体がブランドとして知られている」

という点ではないでしょうか。

みそカツだけが全国的に知られているわけではありません。

手羽先だけでもありません。

ひつまぶしだけでもありません。

それぞれ別の料理なのに、

「名古屋メシ」

という一つの言葉でまとめて認識されています。

しかも、

「味噌」
「手羽先」
「ひつまぶし」
「きしめん」
「喫茶店」
「モーニング」

など、食事の時間帯やジャンルまで広がっています。

朝はモーニング。

昼はみそカツやあんかけスパ。

夜は手羽先やどて煮。

最後にひつまぶし。

……本気で食べ歩いたら、一日でかなり満腹になりそうです(笑)。

名古屋メシが全国区になった理由は「料理だけ」ではなかった

ここまでをまとめてみましょう。

名古屋メシが全国的に知られるようになった背景には、

「個性的な料理」

だけではなく、

「分かりやすい名前」

「豊富な料理の種類」

「名古屋らしい味の個性」

「地元企業による全国展開」

「観光との相性」

「喫茶店文化やお値打ち感」

など、さまざまな要素が重なっています。

つまり、

「美味しかったから全国区になった」

だけではないんですよね。

料理そのものに個性があり、それを「名古屋メシ」という言葉でまとめ、企業が全国へ届け、観光客が現地で体験する。

そうした流れが積み重なって、現在の「名古屋メシ」というブランドにつながっていると考えると、かなり面白いと思います。

そして何より面白いのが、

名古屋メシは現在進行形で増えている

ということです。

名古屋市の観光情報でも、今後地域で広く受け入れられる料理が新たな「なごやめし」になる可能性が紹介されています。

つまり「名古屋メシ」という文化は、過去の郷土料理を保存しているだけではありません。

新しい料理を取り込みながら、これからも変化していく可能性があるのです。

まとめ

今回は「なぜ名古屋メシは全国区になったのか?」について考えてみました。

改めて名古屋メシを調べてみると、単に「味噌を使った料理が多い」というだけではありませんでした。

個性的な料理がたくさんあり、それをまとめる「名古屋メシ」という分かりやすい言葉があり、さらにコメダ珈琲店、世界の山ちゃん、矢場とんなど、地元発の企業が全国へ店舗を展開しています。

そして、愛知万博などの観光需要も、名古屋の食文化を知ってもらうきっかけになりました。

こうして考えると、名古屋メシが全国区になったのは、料理そのものの魅力だけではなく、

「食文化を発信する力」

も大きかったのかもしれません。

全国どこに行ってもコメダ珈琲店を見かける。

東京や大阪で「世界の山ちゃん」の看板を見る。

東京駅などで矢場とんを見つける。

こうした光景を見ると、「名古屋の食文化って、思った以上に全国へ進出しているんだな」と感じます。

そして、個人的には「安くて、うまくて、お腹いっぱい」という名古屋メシの魅力も外せません。

……とはいえ、名古屋メシを一度に全部食べようとすると、さすがにお腹が大変なことになりそうですが(笑)。

皆さんは「名古屋メシ」と聞くと、何を思い浮かべますか?

みそカツ?

手羽先?

ひつまぶし?

味噌煮込みうどん?

それとも、コメダ珈琲店のモーニングでしょうか?

皆さんが好きな名古屋メシがあれば、ぜひコメントで教えてください!

それではまた別の記事でお会いしましょう

参考


🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」

10月15日

【世界手洗いの日】

世界手洗いの日(Global Handwashing Day)は、せっけんを使った正しい手洗いを広めることを目的として、定められた国際的な記念日です。

国際衛生年であった2008年に、ユニセフ(国連児童基金)などの国際機関や大学、企業などからなる「せっけんを使った手洗いのための官民パートナーシップ」によって制定されました。

制定の背景と目的

世界では、きれいな水やトイレなどの衛生環境が整っていない地域が多く存在します。そのため、不衛生な環境が原因で下痢や肺炎などの感染症にかかり、命を落としてしまう子どもたちが年間多く存在しています。

せっけんを使った正しい手洗いは、これら感染症の経路を断ち、子どもの命を守る最もシンプルで効果的な方法のひとつとされています。この記念日は、世界中の子どもたちが正しい衛生習慣を身につけ、自らの体を病気から守れるようになることを目指しています。

日本での取り組み

日本では、日本ユニセフ協会が中心となって「世界手洗いの日」プロジェクトを発足しています。子どもたちが楽しく学べる「世界手洗いダンス」の普及や、正しい手の洗い方を伝えるイベント、開発途上国の衛生問題について考える活動などが毎年行われています。