皆さんは、自分のことを「運が良い」と思いますか?
それとも、
「自分は昔から運が悪いんだよな……」
と思うことが多いでしょうか?
たまたま信号が全部青だった。
欲しかった商品が、最後の1個だけ残っていた。
偶然入ったお店が、とても美味しかった。
困っていたとき、ちょうど誰かが助けてくれた。
こうした出来事が続くと、「今日は運が良いな」と感じますよね。
一方で、電車に乗り遅れた、財布を忘れた、仕事でミスをした、雨に降られた……。
嫌なことが続けば、「なんで自分ばかり……」と感じることもあります。
では、本当に「運が良い人」と「運が悪い人」が存在するのでしょうか?
もし存在するとしたら、その違いはいったい何なのでしょう?
今回は、「運」という少し不思議なものを、心理学や人間の行動という視点から考えてみたいと思います。
「自分は運が悪い」と思っている人ほど、運が悪く感じるのはなぜ?
「自分は運が悪い」と口癖のように言っている人っていますよね。
そして不思議なことに、そういう人には本当に悪いことが次々と起こっているように見えることがあります。
逆に、「自分は運が良い」と言っている人は、多少のトラブルがあっても、なぜか楽しそうにしています。
これは単なる偶然なのでしょうか?
もちろん、世の中には偶然によって起こる出来事があります。
誰にでも予想できない幸運や不運は起こりますし、人生で起きる出来事をすべて「考え方」でコントロールできるわけではありません。
しかし、「同じような出来事が起きても、それをどう受け止めるか」には、人によって違いがあります。
そして、その違いが積み重なることで、結果的に「この人は運が良い」「この人は運が悪い」という印象につながっている可能性があります。
では、具体的に見ていきましょう。
1.人は「意識しているもの」に気づきやすい
私たちの脳は、目の前にあるすべての情報を同じように処理しているわけではありません。
意識しているものや、自分にとって重要だと思っている情報に注意が向きやすくなります。
例えば、赤い車を買おうと思った途端、街中を走っている赤い車が以前より目につくようになった経験はありませんか?
これは「突然、赤い車が増えた」というわけではありません。
もともと走っていた赤い車に、自分の意識が向くようになったのです。
「運」についても似たことが起こります。
「自分は運が悪い」と思っている場合
例えば朝から、
「今日は嫌な予感がする」
と思っていたとします。
すると、
- 信号が赤だった
- 電車が少し遅れた
- コーヒーをこぼした
- 店員さんの対応が少し冷たかった
といった出来事に敏感になるかもしれません。
そして、
「ほら、やっぱり今日はついてない」
と思ってしまいます。
一方、その日に、
- 席が偶然空いていた
- 欲しかった商品を見つけた
- 知り合いに会えた
- 雨が降る前に帰宅できた
といった小さな幸運があったとしても、それほど意識しないかもしれません。
結果として、「今日は悪いことばかりだった」という記憶が残ります。
「自分は運が良い」と思っている場合
反対に、
「自分は結構運が良いんだよな」
と思っている人なら、同じ一日でも、
「信号が青だった。ラッキー!」
「電車の席が空いてた。今日はついてるな」
「雨が降る前に帰れて良かった」
と、小さな幸運に気づくかもしれません。
つまり、起きている出来事そのものだけではなく、どの出来事に注意を向けるかによって、人生の感じ方が変わるわけです。
こうした現象を説明する際に、「選択的注意」や「確証バイアス」などの心理学的な概念が関係します。
2.「自分は運が悪い」という思い込みが、行動を変えてしまう
もう一つ重要なのが、「思い込みが行動に影響する」という点です。
例えば、
「どうせ自分は運が悪い」
と思っている人が、新しい仕事を任されたとしましょう。
最初から、
「どうせ失敗する」
「自分には無理」
と思ってしまえば、積極的に質問したり、新しい方法を試したりすることを避けてしまうかもしれません。
そして準備不足のまま失敗してしまう。
すると、
「やっぱり自分は運が悪い」
と考えてしまいます。
これが繰り返されると、
「運が悪いと思う → 行動が消極的になる → 結果が悪くなる → やっぱり運が悪いと思う」
という悪循環が生まれることがあります。
心理学では、こうした「思い込みや期待が、実際の行動や結果に影響を与える現象」を説明する考え方として、自己成就予言が知られています。
もちろん、すべての不運が本人の考え方によって起こるわけではありません。
ただ、「自分は運が悪い」という認識が、自分の行動に影響を与えてしまう可能性はあります。
3.「運が良い人」はチャンスに気づきやすい?
「運が良い人」というと、何をやっても偶然うまくいく人を想像するかもしれません。
しかし、心理学者のリチャード・ワイズマン氏が行った「運の良さ」に関する研究では、幸運を自認する人と、そうでない人の行動傾向に違いがあることが報告されています。
その研究で注目されたのが、偶然の機会に気づくことです。
例えば、街を歩いているときに偶然誰かと出会ったとします。
そこで、
「久しぶりですね!」
と話しかける人もいれば、
「急いでいるから」
とそのまま通り過ぎる人もいます。
前者の場合、その出会いから新しい情報を得たり、新しい人間関係が生まれたりする可能性があります。
つまり、最初の出来事は単なる偶然でも、そこから何かにつなげられるかどうかは、その後の行動によって変わるのです。
「運が良い人」は、偶然をチャンスとして捉える機会が多いのかもしれません。
4.行動する人ほど「運が良い」と感じやすい?
ここは、個人的にも「運」というものを考えるうえで面白いポイントだと思います。
例えば、家から一歩も出なければ、偶然誰かと出会う可能性はほとんどありません。
しかし、
「今日はちょっと違う道を歩いてみよう」
「気になっていた店に入ってみよう」
「以前から気になっていたことを調べてみよう」
と行動すれば、それだけ新しい出来事に遭遇する機会が増えます。
もちろん、行動したからといって必ず良いことが起こるわけではありません。
失敗することもあります。
しかし、行動する回数が増えれば、偶然の出会いや新しい情報、思いがけないチャンスに遭遇する機会も増えていきます。
いわば、
行動することは「運を引く回数」を増やすこと
とも考えられるわけです。
宝くじに例えるなら、1回しか引かない人と100回引く人では、何かに当たる可能性そのものが違います。
もちろん、人生は宝くじほど単純ではありません。
それでも、「行動しなければ発生しないチャンスがある」という意味では、これは「運」を考えるうえで重要なポイントではないでしょうか。
5.「運が悪い」と感じる人は、悪い出来事を大きく捉えてしまうことも
もう一つ注意したいのが、出来事の捉え方です。
例えば、1週間のうちに2回電車に乗り遅れたとします。
そこで、
「最近、何をやってもダメだ」
「自分は本当に運が悪い」
と思ってしまうとします。
でも、1週間の中には、
- 時間通りに電車に乗れた
- 事故に巻き込まれなかった
- 美味しいものを食べた
- 誰かに親切にしてもらった
- 無事に家に帰れた
という出来事もあったはずです。
それなのに、嫌な出来事だけを強く覚えていると、
「悪いことばかり起きている」
という感覚になってしまいます。
これは人間の心理にあるネガティビティ・バイアスとも関係しています。
人は一般に、良い出来事よりも悪い出来事に注意を向けやすく、強く記憶する傾向があります。
だからこそ、
「最近、運が悪いな」と感じたときほど、本当に悪い出来事ばかりだったのか、一度振り返ってみる
ことには意味があります。
6.では、「自分は運が良い」と思い込むだけでもいいの?
ここまで読んで、
「じゃあ、今日から『自分は運が良い!』と思っておけばいいんじゃない?」
と思った人もいるかもしれません。
私は、それも一つの方法だと思います。
ただし、「自分は運が良い」と思うだけで、突然すべてがうまくいくわけではありません。
例えば、
「自分は運が良いから勉強しなくても大丈夫」
「運が良いから何をしても失敗しない」
という考え方では、むしろ危険です。
大切なのは、
「自分は運が良い」と思うことで、行動しやすくなること
です。
「自分は運が良い」と思っているから、
「ちょっとやってみようかな」
「せっかくだから挑戦してみよう」
「知らない人だけど話しかけてみよう」
と、一歩踏み出しやすくなる。
その結果、新しい経験や出会いが増える。
そして、その中から思いがけないチャンスが生まれる。
こう考えると、「運が良い」という思い込みにも意味があることが分かります。
7.今日からできる「運を良くする」小さな習慣
では、実際にどうすれば「運が良い」と感じられるようになるのでしょうか?
難しいことをする必要はありません。
小さな幸運を見つける
例えば、
「信号が青だった」
「今日は天気が良かった」
「欲しかったものが買えた」
「電車で座れた」
「店員さんが親切だった」
など、本当に小さなことで構いません。
「あ、今日はついてるな」
と意識してみましょう。
これを続けていると、今まで見逃していた小さな幸運にも気づきやすくなるかもしれません。
少しだけ行動範囲を広げる
いつも同じ道を通る。
いつも同じ店に行く。
いつも同じ人と話す。
これが悪いわけではありません。
ただ、たまには、
「今日は違う道を歩いてみよう」
「気になっていた店に入ってみよう」
「新しい本を読んでみよう」
「普段話さない人と話してみよう」
と、ほんの少しだけ行動を変えてみる。
新しい行動をすれば、それまで存在しなかった「偶然」が発生する可能性もあります。
「失敗=不運」と決めつけない
何かに失敗したとき、
「最悪だ。やっぱり自分は運が悪い」
と考えるのではなく、
「今回はうまくいかなかった。でも、次はどうすればいい?」
と考えてみる。
失敗そのものを「運が悪かった」で終わらせなければ、その経験が次の行動につながります。
もしかすると、その失敗が後になって役に立つことだってあるかもしれません。
8.「運」は自分で完全にコントロールできない。でも、運との付き合い方は変えられる
ここまで「運が良くなる方法」を紹介してきましたが、ここで一つ大切なことがあります。
それは、
人生で起こるすべての出来事を、自分の考え方でコントロールできるわけではない
ということです。
突然の事故や災害、病気、他人の行動など、自分ではどうにもできないこともあります。
だから、
「悪いことが起きたのは、あなたがネガティブだから」
と考えるのは適切ではありません。
不運な出来事が起こること自体は、誰にでもあります。
重要なのは、起きてしまった出来事をどう受け止め、その後にどう行動するかです。
同じ出来事でも、
「最悪だ。自分は運が悪い」
と考えて終わるのか、
「嫌なことが起きた。でも、ここから何ができるだろう?」
と考えるのか。
その違いが、次の行動を変えることがあります。
まとめ:「運が良い人」は、幸運に気づき、行動している?
「運が良い人」と「運が悪い人」。
この違いを考えてみると、単純に「幸運が多い人」と「不運が多い人」というだけでは説明できない部分があります。
もちろん、人生には偶然があります。
誰にでも良いことも悪いことも起こります。
しかし、その出来事に対する注意の向け方、捉え方、そしてその後の行動には違いが生まれます。
「自分は運が良い」と思っている人は、小さな幸運に気づきやすくなったり、新しいことに挑戦しやすくなったりする可能性があります。
そして、行動することで新しい出会いやチャンスに遭遇する機会も増えていきます。
そう考えると、
「運が良いから、運が良いと思う」のではなく、「運が良いと思っているから、幸運に気づき、行動し、結果として運が良いと感じる機会が増える」
という循環が生まれているのかもしれません。
もちろん、「自分は運が良い」と思ったからといって、人生のすべてがうまくいくわけではありません。
それでも、
「今日はちょっと運が良かったな」
「やってみたら意外とうまくいった」
「失敗したけど、いい経験になった」
そんな小さな出来事を見つける習慣は、毎日の感じ方を少し変えてくれるかもしれません。
何より、
「自分は運が悪い」と決めつけてしまうより、「もしかしたら自分は運が良いのかもしれない」と考えてみる。
それだけなら、今日からでもできます。
皆さんは、自分のことを「運が良い」と思いますか?
それとも「運が悪い」と思いますか?
もし今まで「自分は運が悪い」と思っていた人も、今日一日だけでも、
「何かラッキーなことはないかな?」
という目線で過ごしてみてください。
意外と身近なところに、小さな「運」が転がっているかもしれませんよ。
この記事が、普段何気なく使っている「運」という言葉について、少し考えてみるきっかけになれば幸いです。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
10月9日
【トラックの日】
1992年(平成4年)に全日本トラック協会(JTA)によって制定され、一般社団法人・日本記念日協会にも認定・登録されています。
由来と目的
- 由来: 10と9で「ト(10)ラック(9)」と読む語呂合わせからきています。
- 目的: 国内貨物輸送量の約9割を占める「トラック運送業」の社会的役割や重要性を、より多くの人に知ってもらい、正しい理解を深めてもらうために設けられました。
主な活動・イベント
この日を中心に、全国47都道府県のトラック協会や運送業者が様々なPR活動やイベントを企画しています。
- トラックフェスタなどのイベント: 大型トラックの乗車・運転体験、子ども向けの運転免許証作成、はたらく車の展示などが行われます。
- 社会貢献・環境活動: 交通安全教室の開催、地域の清掃活動、植樹を行う「トラックの森」づくり、献血活動などが実施されます。
- 広報活動: 毎年デザインの異なる「トラックの日」ポスターが制作され、啓発活動に活用されています。