親を名前で呼ばせる子育てってアリ?メリット・デメリットと意外な落とし穴

皆さんは、子どもの頃に両親のことを何と呼んでいましたか?

多くの人は「お父さん・お母さん」、あるいは「パパ・ママ」と呼んでいたのではないでしょうか。

ところが世の中には、親のことを「○○さん」と名前で呼ぶ家庭もあります。

「えっ、親を名前で呼ぶの?」

そう思う人も少なくないかもしれません。

一方で、あえて子どもに親を名前で呼ばせる家庭には、それなりの考え方があります。

親子だからといって上下関係を作るのではなく、ひとりの人間同士として接したい。

子どもには自分の意見をしっかり持ってほしい。

そんな思いから、あえて名前で呼ばせている家庭もあるようです。

では、親を名前で呼ばせる子育てには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

反対に、学校や社会に出たときに困ることはないのでしょうか?

今回は、少し変わった「親を名前で呼ぶ」という子育てについて考えてみます。


なぜ親を名前で呼ばせるの?

まず気になるのが、

「そもそも、なぜ子どもに親を名前で呼ばせるの?」

というところですよね。

もちろん家庭によって理由はさまざまですが、大きく分けるといくつかの考え方があります。

1.親子でも「対等な人間」でいたい

一般的な親子関係では、

「親が子どもを育てる」

という構図になります。

親がルールを決め、子どもがそれに従う。

もちろん、子どもが成長するうえでは必要な場面もあります。

しかし、親子だからといって常に「親が上、子どもが下」という関係にする必要はない、という考え方もあります。

そこで、家庭の中ではお互いを名前で呼び、

「親も子どもも、一人の人間である」

ということを意識するわけです。

子どもにも自分の意見を持ってほしい。

親の言うことを何でも鵜呑みにするのではなく、

「自分はどう思う?」

と考えられる人間になってほしい。

そんな教育方針につながることがあります。


2.「親」という役割ではなく、一人の人間として見る

「お父さん」「お母さん」という呼び方には、親としての役割が強く含まれています。

もちろん、それ自体は悪いことではありません。

ただ、名前で呼ぶことで、

「この人にも親になる前の一人の人生がある」

という感覚を持ちやすくなるという考え方があります。

例えば、母親を「お母さん」ではなく「○○さん」と呼ぶ。

すると、子どもから見ても「母親」という役割だけではなく、一人の人間として認識しやすくなるかもしれません。

親もまた、

「子どもだからこうしなさい」

ではなく、

「一人の人間としてどう考えているんだろう?」

と子どもの意見を尊重する。

そんな関係を目指している家庭もあるでしょう。


3.何でも話せる親子関係を作りたい

名前で呼び合うことで、親子の心理的な距離を近づけたいという考え方もあります。

もちろん、

「名前で呼んだから仲良くなる」

と単純に言えるわけではありません。

しかし、普段から親子でフランクに会話する家庭であれば、子どもが悩みを相談しやすくなる可能性はあります。

学校で嫌なことがあった。

友達とケンカした。

恋愛で悩んでいる。

将来の進路が決められない。

そんなときに、

「親には何を言っても否定される」

と思ってしまうと、子どもは相談することをためらいます。

逆に、

「とりあえず話してみよう」

と思える関係なら、親子のコミュニケーションは取りやすくなるでしょう。

つまり重要なのは、名前で呼ぶことそのものよりも、

「子どもが親に何でも話せる関係を作れているか」

なのかもしれません。


親を名前で呼ばせるメリット

ここまでの話を整理すると、名前呼びには次のようなメリットが考えられます。

・子どもの自主性を尊重しやすい

親の言うことを無条件に受け入れるのではなく、自分で考える習慣につながる可能性があります。

・親子の距離が近くなる

友達に近い感覚で話せるため、親子間のコミュニケーションが活発になることがあります。

・親も「一人の人間」として見てもらえる

「親だから我慢する」「親だからこうあるべき」といった役割だけではなく、個人として尊重される関係を築きやすくなります。

・家庭ごとの価値観を大切にできる

「みんながそうしているから」ではなく、自分たちに合った親子関係を考えるきっかけにもなります。

ただし、ここで注意したいのは、

「名前で呼ばせれば、必ず自立心が育つ」わけではない

ということです。

呼び方だけを変えても、親が子どもの意見をまったく聞かなければ意味がありません。

大切なのは呼び方よりも、その背景にある親子関係なのではないでしょうか。


一方でデメリットは?学校や社会に出たときに困らない?

ここからが少し難しいところです。

家庭の中では問題なくても、子どもが成長して社会との接点が増えてくると、周囲との違いを意識する場面が出てくる可能性があります。

特に高校生くらいになると、学校だけでなくアルバイト、進路活動、友人関係など、人間関係が一気に広がります。

すると、

「えっ、親のこと名前で呼んでるの?」

と言われることもあるでしょう。

本人にとっては当たり前でも、周囲にとっては珍しい。

このギャップが問題になる可能性があります。


1.友達から驚かれたり、からかわれたりする

例えば友達と一緒にいるとき、つい普段の癖で、

「○○、今日帰ってくるの遅いって言ってた」

などと親を名前で呼んでしまったとします。

友達からすると、

「○○って誰?」

となるかもしれません。

「お母さんのことだよ」

と答えた瞬間、

「えっ、お母さんを名前で呼んでるの?」

と驚かれる。

もちろん、それだけで大きな問題になるとは限りません。

むしろ、

「うちでは普通なんだよ」

と笑って終わるかもしれません。

しかし、多感な時期の子どもにとっては、

「うちって普通じゃないのかな?」

と意識するきっかけになる可能性があります。


2.TPOによる使い分けが必要になる

より注意したいのがこちらです。

家庭内では名前呼びでも、社会では親のことを「父」「母」「父親」「母親」などと表現する場面があります。

例えば、

  • 学校の先生との面談
  • 進路相談
  • アルバイトの面接
  • 就職活動
  • 友達の保護者との会話
  • 公的な手続き

などです。

このような場面で、普段の習慣がそのまま出てしまうと、

「言葉遣いが少し変わっているな」

と思われる可能性があります。

だからこそ、名前呼びを取り入れるのであれば、

「家の中では名前で呼んでもいい。でも外では相手や場面によって呼び方を変える」

ということを教えておく必要があります。

これは名前呼びに限った話ではありません。

家庭の中だけで通用する言葉やルールは、誰にでもあるものです。

だからこそ、

「我が家のルール」と「社会のルール」は別

と教えておくことが重要なのでしょう。


3.「自分の家庭は変わっている」と悩む可能性も

子どもは成長するにつれて、他の家庭と自分の家庭を比較するようになります。

友達の家に遊びに行ったとき、

「○○ちゃんのお母さん」

という呼び方を聞く。

学校で、

「うちのお母さんがさ……」

という会話を聞く。

そんな経験が積み重なることで、

「そういえば、うちとは違うな」

と気づくことがあります。

そこで、

「うちの家庭って変なのかな?」

と悩んでしまう可能性もあります。

ただ、これは名前呼びに限った問題ではありません。

家庭ごとにルールや習慣は違います。

食事の時間、門限、スマートフォンのルール、親子の距離感など、家庭によって違って当然です。

重要なのは、

「人と違っていてもおかしくない」

と子ども自身が理解できるようにしておくことではないでしょうか。


4.「親しい」と「礼儀がない」を混同してしまう可能性

もう一つ気をつけたいのが、親子関係と社会的な人間関係を混同してしまうことです。

親とは対等でフランクに話している。

だからといって、学校の先生や先輩、アルバイト先の上司などにも同じ接し方をしていいわけではありません。

ここは、

「対等であること」と「礼儀がないこと」は別

と教える必要があります。

相手を尊重することと、自分の意見を持つことは両立できます。

むしろ、

「自分の意見を持ちながら、相手の立場も尊重する」

ことこそ、社会に出るうえで重要なのではないでしょうか。


日本では親を名前で呼ぶ家庭はどれくらいある?

では、実際に日本ではどのくらいの人が親を名前で呼んでいるのでしょうか。

ここは少し注意が必要です。

調査によって対象者や質問方法が異なるため、「日本の家庭の○%が名前呼び」と一つの数字で断定するのは難しいところがあります。

ただ、各種アンケートを見る限り、親を下の名前で呼ぶケースは、一般的な「お父さん・お母さん」「パパ・ママ」と比べるとかなり少数派です。

つまり、日本では現在も、

「親を名前で呼ぶ」というのは珍しい家庭内習慣

と考えてよいでしょう。

ただし、ここで面白いのは、名前呼びをしている理由が必ずしも同じではないことです。


「教育方針」と「家庭事情」は分けて考えたほうがいい

親を名前で呼んでいる家庭には、さまざまな背景があります。

例えば、

① 意識的な教育方針

「親子でも一人の人間として接したい」

「子どもには自主性を持ってほしい」

という考えから、意図的に名前呼びを取り入れているケース。

② 家庭環境によるもの

再婚などによって、

「いきなりお父さん・お母さんと呼ぶのは難しい」

という事情から、名前で呼ぶようになっているケース。

③ 自然にそうなった

幼い頃から家族全員が名前で呼び合っていて、それがそのまま定着したケース。

このように、同じ「親を名前で呼ぶ」という結果でも、そこに至った理由はさまざまです。

そのため、

「名前で呼んでいる家庭=こういう教育をしている」

と決めつけるのは少し違うでしょう。


結局、親を名前で呼ばせるのはアリ?ナシ?

ここまで見てくると、

「結局、名前で呼ばせるのは良いの?悪いの?」

と思う人もいるでしょう。

個人的には、

名前で呼ぶこと自体に、絶対的な正解・不正解はない

と思います。

親子の距離を近づけたい。

子どもを一人の人間として尊重したい。

そんな目的で名前呼びを取り入れるのであれば、それも一つの家庭のスタイルです。

一方で、

「名前で呼ばせれば自立心が育つ」

と考えて、呼び方だけを変えるのは少し違う気がします。

大切なのは、

  • 子どもの意見を聞く
  • 自分で考える機会を与える
  • 必要なルールは教える
  • 他人を尊重することを教える
  • 家庭と社会のルールの違いを理解させる

といった日々の関わりではないでしょうか。


子どもが「やっぱりお母さんと呼びたい」と思ったら?

そして、もう一つ大切なのが、

子ども自身の気持ちが変わったときにどうするか

ということです。

幼い頃は名前呼びが当たり前だったとしても、高校生や大学生になって、

「やっぱりお母さんって呼びたい」

と思うかもしれません。

逆に、

「今までお母さんだったけど、名前で呼びたい」

と思う可能性もあります。

そんなときに、

「あなたは小さい頃から名前で呼ぶって決めていたでしょ」

と押し付けてしまえば、本来の目的から外れてしまいます。

もし名前呼びの目的が「子どもの自主性を育てること」なら、

呼び方を変えるかどうかも子ども自身が考えて決められる

ことのほうが大切なのかもしれません。


まとめ

今回は、少し珍しい「親を名前で呼ばせる子育て」について考えてみました。

名前で呼び合うことで、親子を上下関係ではなく対等な人間として捉えたり、コミュニケーションを取りやすくしたりするメリットは考えられます。

その一方で、学校や社会に出たときに周囲との違いを感じたり、TPOに応じた呼び方の使い分けが必要になったりする場面もあるでしょう。

結局のところ、

「名前で呼ぶことが良い」のではなく、「なぜ名前で呼ぶのか」が重要なのではないでしょうか。

親子の関係は家庭によって違います。

「お父さん・お母さん」と呼ぶ家庭もあれば、「パパ・ママ」と呼ぶ家庭もある。

そして「○○さん」と名前で呼ぶ家庭があってもいい。

大切なのは、呼び方そのものではなく、その家庭の中で親子がお互いを尊重できているかどうか。

そう考えると、「親を名前で呼ぶ」という少し変わった習慣も、単なる珍しい子育て方法ではなく、

「親子って、どんな関係が理想なんだろう?」

と考えるきっかけになるのかもしれません。

ちなみに筆者自身は、両親を名前で呼んだことはありません。

そのため、もし今から親を名前で呼ぶとしたら……正直、かなり違和感があります(笑)。

皆さんはどうでしょうか?

「親を名前で呼ぶのはアリだと思う」

「やっぱりお父さん・お母さんのほうが自然」

「自分も親を名前で呼んでいる」

など、いろいろな意見があると思います。

ぜひコメントで皆さんの意見を教えてください!

それではまた別の記事でお会いしましょう


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9月2日

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くつの日(ダイアナの靴の日)

  • 由来:「く(9)つ(2)」の分かりやすい語呂合わせから誕生しました。
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