4月に入って入学や入社シーズン真っ盛りな時期となってきました。これから新しい環境に飛び込んでいく初々しい姿を目にする季節ですね。社会人うん十年の私としても毎年新鮮な気持ちになったりします。しかし、近年では社会人のスピード退職という言葉が盛んに聞かれるようになりました。これは一体どういう事なんでしょうか?私なりに考察してみようと思います。
新社会人に何が起きているのか?
新社会人のスピード退職というワードが近年盛んに使われています。これはいったいどう事なんでしょうか?まずは原因を探ってみたいと思います。
1. 理想と現実のギャップ
- 説明会や面接でのイメージと、実際に働いてみた現場のギャップが大きいと「こんなはずじゃなかった」と感じてしまいます。
- 特に「やりがい」や「成長環境」といった抽象的な言葉で期待値が高まっている場合、実際の仕事が地道な作業ばかりだと落胆することも。
2. 職場の雰囲気や人間関係
- 新しい職場の雰囲気が合わなかったり、先輩や上司とうまくコミュニケーションが取れないと、精神的に辛くなります。
- 特に、入社初日から放置されたり、雑用ばかり任されて孤独感を感じるケースもあります。
3. 自分の適性を見失った
- 学生時代に「とりあえず有名企業に入れば大丈夫」と考えて就職活動をした結果、実際の業務と適性が合わないと気づくパターン。
- 研修を受けて初めて「この仕事、向いてないかも」と気づくこともあります。
4. メンタルヘルスの問題
- 新しい環境に適応できず、ストレスやプレッシャーで体調を崩す人もいます。
- 入社してすぐの研修やOJTが厳しかったり、急に大量の業務を任されたりして追い込まれるケースも。
5. 転職が一般化している影響
- 今の若い世代は「一つの会社に長く勤めることが美徳」とは考えていないことが多いです。
- SNSや転職サイトで「もっと良い環境がある」と簡単に情報が手に入るため、「ダメなら辞めて次を探せばいい」と考える傾向も強いです。
日本社会では既に終身雇用と言うものは終焉を迎えています。現代では転職が一般化していて、理由はスキルアップや収入アップ、適正の見直しの結果としての転職というのもあるようです。時代の流れで変化が生じているのはとても良いように感じます。人間関係やストレスフルな環境も確かに存在しますよね。入った事がない環境で人間関係が良いか悪いかは誰にも分かりませんからね。私も最初に入った会社は1年で辞めています。会社の風土が私とは正反対でした。毎日が地獄にいるように感じられて辛かってのを覚えています。当時は『最初の会社は最低3年は居なさい』という考えが主流の時代でしたが、周りの反対を押し切って辞めました。今でも正解だったと思っています。
社会的な影響もあるかも
最近は「新卒カードが大事」って感覚が薄れてきて、合わない会社なら早めに見切りをつけて他の選択肢を探すことが悪いことだとは思っていない人が多いです。
とはいえ、企業側からすると採用や研修にかけたコストが無駄になってしまうので、ミスマッチを減らすための対策が求められていますね。
古き良き時代の日本の名残り?
日本の教育システムは、依然として「良い成績を取って良い大学に入れば安心」という価値観が根強く、「自分が何をしたいのか」を考える機会が少ないと感じます。
1. 学歴重視の就職活動
- 就職活動の初期段階で「学歴フィルター」があることで、まず大学ブランドが重視されがちです。
- そのため、「自分が何をしたいか」よりも「就職に有利な大学」を目指すケースが多いです。
- その結果、本当にやりたいことが分からないまま社会に出る人が増えています。
2. 社会経験を積む機会が少ない
- 学生時代に「インターンシップ」や「アルバイト」で社会経験を積む人も増えてきましたが、それでも短期間の体験にすぎないことが多いです。
- 実際に仕事として責任を持って取り組む経験が不足しているため、働くこと自体のリアルなイメージが掴めないまま入社してしまうケースもあります。
3. 自己理解やキャリア教育が不十分
- 高校や大学で「自己分析」を教えられる機会はほとんどなく、いきなり就職活動のタイミングで「自己PR」や「志望動機」を考えさせられるのが現状です。
- もっと早い段階から、「自分の興味や適性を知る」ための教育があれば、ミスマッチは減るはずです。
4. 教育現場も変化しつつあるが…
- 最近はキャリア教育に力を入れている学校も増えましたが、まだまだ「就活対策」に偏っている印象があります。
- 本質的なキャリア観を育むよりも、「面接でうまく話す技術」に終始しているケースも多いです。
解決策としては?
- 教育段階でのキャリア形成支援:中高生のうちから「自分が何をしたいか」を考える授業が必要。
- 企業側のミスマッチ対策:インターンや職場体験を通じて、業務内容をしっかり伝える工夫が求められる。
- 社会全体での意識改革:学歴やネームバリューよりも「何を成し遂げたいか」を評価する文化が根付くことが理想。
時代に合った考え方は必要と考える事は必要!
「3年は続けろ」という考え方は、かつての終身雇用や年功序列が前提にあった時代の価値観です。
今はその前提が崩れているのに、古い価値観だけが残っていることで、若い世代と上の世代の間にギャップが生まれている感じがします。
時代に合った考え方を共有する必要性
現代は、技術革新やグローバル化によって仕事の流動性が高まり、「一つの会社に固執するリスク」が大きくなっています。
だからこそ、「短期間で辞めるなんて根性がない」と断じるのではなく、「なぜ辞めたいのか」を冷静に考え、支援する環境が必要です。
退職代行業が生まれた背景
退職代行サービスが普及した背景にも、古い考え方が変わっていないことが一因としてあります。
- 上司が「根性がない」と叱責したり、退職希望をなかなか受け入れなかったりすると、直接話すのが怖くて辞められない若者が増えます。
- それでも精神的に追い詰められ、最終的に代行サービスを使うしかない、というケースが多いですよね。
- 本来は、「辞める自由」がもっと認められていれば、退職代行がここまで需要を持たないはずです。
「3年勤めないといけない」神話を考え直す
確かに、一つの会社に3年以上勤めればスキルや経験が身につくのは事実ですが、それを全員に押し付けるのは時代遅れです。
- 例えば、IT業界やスタートアップではスキルが重要視され、数ヶ月で転職しても評価されることが多いです。
- 逆に、古い体質の企業では「3年どころか10年以上同じ会社にいるのが当たり前」という価値観が根強く残っています。
- これが業界や職種によって異なるため、一概に「3年は我慢しろ」というのはナンセンスですよね。
世代間ギャップを埋めるために必要なこと
- 上の世代が変化を理解する姿勢を持つこと:古い価値観に固執せず、現代の働き方を認める意識改革が必要です。
- 若者が「辞める理由」を整理して伝えられるよう支援すること:辞めるにしても、その理由が衝動的でなく納得感があるかどうかが大事です。
- 企業側の柔軟な対応:短期間で辞めることを責めるのではなく、「どうすれば続けられるか」を一緒に考える余地が欲しいですね。
柔軟な働き方が求められる時代
- 世界的に見ると、リモートワークやフレックスタイムが普及してきているのに、日本は「出社が当たり前」という風潮が根強い企業もまだ多いです。
- 若者が「もっと自由に働きたい」と思うのは自然な流れで、それを「甘え」と決めつけてしまうのは時代遅れです。
- これからは、「どこで働くか」よりも「何を達成するか」が大事な時代ですよね。
時代に合わせた「働く意義」の再考
結局のところ、「どう働くか」ではなく「どう生きたいか」が重要だと思います。
日本全体が柔軟な働き方を尊重できる社会にならないと、個人の選択肢が限られてしまう。
いかがでしたか。今社会人真っ只中の方、これから社会人になろうとしている方、どのように感じられますか?世界から見た日本はかなり遅れを取っている様に見えます。今回のような問題も少なからず関係していると思うのです。今後の日本の在り方や未来について社会全体で考えていく必要があると感じます。もちろん私も含めてですが。皆さんはどう感じ、考えましたか?またこっそり教えて下さいね。
それではまた別の記事でお会いしましょう