皆さん、「有機フッ素化合物」や「PFAS(ピーファス)」という言葉を聞いたことはありますか?
「なんだか難しそう…」「専門用語は覚えられない!」という声が聞こえてきそうですね。
でも、実はこのPFAS、私たちの身近な生活用品に多く含まれているんです。
しかも最近では、環境汚染や健康被害との関連で世界中から注目されています。
今回は、この「PFAS」の正体や問題点、そして家庭でできる対策まで、わかりやすく解説していきます!
PFAS(ピーファス)とは一体どんな物質?
PFASは「有機フッ素化合物」と呼ばれる化学物質の総称で、その数はなんと1万種類以上!
炭素とフッ素が強力に結びついた構造を持つため、とにかく「壊れにくい」「分解されにくい」という特徴があります。
そのため、以下のような特性があり、長年さまざまな製品に使われてきました。
PFASの主な特徴
✅ 高い耐熱性・耐薬品性
✅ 撥水性・撥油性
✅ 長期間環境中に残留(難分解性)
✅ 生物体内に蓄積しやすい(生物蓄積性)
PFASはどこに使われているの?
私たちの生活のあらゆるところにPFASは潜んでいます。
【具体的な使用例】
- 調理器具:焦げ付き防止のフライパンや鍋のコーティング
- 衣類:アウトドア用ジャケット、レインコートなどの撥水加工
- 食品包装:ファストフードの包装紙、紙コップ、ピザボックスなど
- 消火剤:特に空港や大型施設で使われる泡消火剤
- その他:医療機器、半導体製造、潤滑剤、塗料、洗浄剤など
PFASが抱える深刻な問題
PFASはその便利さの裏で、次のようなリスクが懸念されています。
✅ 環境への影響
一度環境中に放出されると、土壌や河川、地下水に長期間残留します。
その結果、飲料水や農産物などへの汚染が広がる恐れもあります。
✅ 健康リスク
世界中の研究で、以下のような健康被害の可能性が指摘されています。
- 発がん性
- 免疫力の低下
- コレステロール値の上昇
- 甲状腺ホルモンへの影響
- 妊娠中の胎児への影響(出生体重の低下など)
※もちろん、普段の生活で直ちに健康被害が出るわけではありませんが、長期的な曝露には注意が必要です。
日本でのPFAS対策はどうなっているの?
日本でも、近年PFAS汚染への関心が高まっています。
✅ 規制対象物質
特に問題視されている「PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)」や「PFOA(ペルフルオロオクタン酸)」は、化審法で第一種特定化学物質に指定され、製造・使用・輸入が原則禁止となっています。
✅ 水道水の基準
環境省は、水道水中のPFOSとPFOAの合計値について「暫定目標値」として1リットルあたり50ナノグラムという数値を設定しています。
これは日本各地の水道水の安全性を守るための基準です。
✅ 各地で進む調査
一部地域では水道水や地下水から基準値を超えるPFASが検出され、自治体が対応に追われているケースも。
今後、全国的な調査・対策がますます求められています。
家庭でできるPFAS対策
「じゃあ私たち一般家庭ではどうすればいいの?」
という方のために、できる範囲でできる対策をまとめました。
✅ 浄水器の導入
活性炭フィルターや逆浸透膜(RO膜)タイプの浄水器は、PFAS除去効果があるとされています。
✅ ウォーターサーバーの利用
浄水機能付きのウォーターサーバーも有効です。
✅ 製品選びで意識する
撥水加工製品やフッ素加工製品を購入する際は、PFASフリー(PFAS不使用)と明記されているものを選ぶのも一つの方法です。
✅ 最新情報のチェック
環境省や各自治体のホームページで、地域の水質情報やPFAS関連ニュースをチェックしておくと安心です。
類似物質ってあるの?
PFASは非常に広いグループで、以下のような類似物質も存在します。
主な物質名 | 特徴 | 規制状況 |
---|---|---|
PFOS | 耐熱性・撥水性が高い | 製造・使用は原則禁止 |
PFOA | コーティング剤などに使用 | 製造・使用は原則禁止 |
PFHxS | PFOSの代替品として使用されていた | 規制対象に指定されつつある |
PFHxA | 短鎖型PFAS、代替品として使用されることも | 一部で規制検討中 |
これらの物質は、規制が進んでいるものもあれば、まだ広く使われているものもあります。
最後に
いかがでしたか?
最初は聞きなれない言葉だったかもしれませんが、調べてみると意外と身近な存在だったPFAS。
もちろん、すぐに体に悪影響が出るわけではありませんが、「知っておくこと」「選択すること」は私たち自身の健康を守るために大切です。
これからニュースや商品表示で「PFAS」「有機フッ素化合物」という言葉を見かけたら、ぜひ思い出してみてくださいね。
少しの意識が、将来の安心につながるかもしれません。
それではまた別の記事でお会いしましょう
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