車中泊ブームは終わった?それでもコンビニが「泊まれる駐車場」を作る理由

皆さんは「車中泊」をしたことがありますか?

一時期、車中泊が大きなブームになりましたよね。

道の駅やサービスエリアなどで車中泊を楽しむ人が増え、SNSやYouTubeでも車中泊に関する動画や情報をよく見かけるようになりました。

「車があれば、ホテルを予約しなくても旅ができる」

そんな手軽さも車中泊の魅力だったと思います。

ところが最近は、以前ほど「車中泊ブーム」という言葉を聞かなくなった気がします。

「車中泊って、もう人気がなくなったの?」

そんな疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。

ところが、実際の状況を調べてみると、どうやら車中泊そのものが廃れたわけではなさそうです。

むしろ現在は、車中泊を安心して楽しめる場所が増えています。

その中でも特に気になるのが、コンビニの駐車場を利用した車中泊サービスです。

「コンビニって、買い物をする場所じゃないの?」

と思ってしまいますが、実はローソンでは駐車場の一部を車中泊スペースとして利用する「RVパーク」の取り組みが始まっています。

今回は、車中泊ブームのその後と、なぜコンビニが車中泊スペースを作るのかについて考えてみたいと思います。

車中泊ブームは終わった?

まず気になるのが、現在の車中泊人気です。

結論から言えば、

「車中泊ブームが終わった」というより、「一過性のブームから定番のレジャーへ変化した」

と考えたほうが近いのではないでしょうか。

コロナ禍では、できるだけ人との接触を避けながら旅行を楽しめる方法として、車中泊が大きな注目を集めました。

ホテルや旅館とは違い、自分の車で移動して、そのまま車内で寝ることができます。

人混みを避けながら旅行できるという意味でも、当時の状況と車中泊の相性は非常によかったのでしょう。

しかし、ブームが落ち着いてくると、車中泊を始めた人のすべてがそのまま続けるわけではありません。

「思ったより車内が狭い」

「寝てみたら意外と体が痛い」

「準備や片付けが大変」

「夏は暑いし、冬は寒い」

など、実際に体験したからこそ分かる大変さもあります。

その結果、気軽に試してみた人の一部は離れていったのかもしれません。

一方で、車中泊そのものが好きになった人や、キャンピングカーなどを使って本格的に楽しむ人は残っています。

つまり、

「ブームだから車中泊をする人」が減った一方で、「車中泊が好きだから続ける人」は残った

ということではないでしょうか。

車中泊をする場所も変わってきた

車中泊を取り巻く環境で大きく変わったのが、「どこで泊まるのか」という問題です。

以前は、道の駅やサービスエリアなどで車内に泊まっている人をよく見かけました。

しかし、駐車場は本来「休憩や買い物などのために利用する場所」であり、宿泊施設ではありません。

長時間の駐車、ゴミの放置、騒音、車外での調理や飲食など、車中泊をめぐるマナー問題が取り上げられることもありました。

そのため、現在は「どこでも自由に車中泊」というスタイルではなく、車中泊をしてもよい場所を選んで利用するという考え方が広がっています。

その代表的な存在が「RVパーク」です。

RVパークとは、日本RV協会が定めた条件を満たした、安心して車中泊を楽しむための施設です。

2026年6月時点で、全国のRVパークは644カ所まで増えています。

つまり、車中泊そのものがなくなったのではなく、

「勝手に泊まる」から「泊まれる場所を利用する」へ

と変化しているのです。

これは車中泊をする側にとっても、周辺住民や施設側にとっても、良い変化なのではないでしょうか。

そして登場した「コンビニRVパーク」

そんな中で登場したのが、ちょっと意外な場所です。

それが、

コンビニです。

「コンビニで車中泊?」

と思ってしまいますよね。

しかし、ローソンは日本RV協会などと連携し、店舗の駐車場を活用した車中泊施設「RVパーク」の実証実験を2025年から始めました。

最初は千葉県内の店舗からスタートし、その後、埼玉県・静岡県・愛知県へ展開を拡大。

2026年7月からは、合計28店舗での展開となっています。

利用料金は1泊2,500~3,000円程度。

1予約につき車両2台分のスペースが用意され、電源の利用やゴミ処理などにも対応しています。

「車中泊をするために、わざわざコンビニの駐車場を使うの?」

と思うかもしれません。

しかし、よく考えてみると、コンビニは車中泊との相性がかなり良いのです。

なぜコンビニが車中泊スペースを作るの?

最大の理由の一つは、

「コンビニの強みを、そのまま車中泊に活用できるから」

ではないでしょうか。

24時間営業という強み

まず、コンビニには24時間営業という大きな特徴があります。

夜中に飲み物が欲しくなっても、食事が必要になっても、すぐに買い物ができます。

トイレを利用できることも大きなメリットです。

ホテルの場合、チェックイン・チェックアウトの時間があります。

キャンプ場の場合も、設備や営業時間などに制約があります。

その点、24時間営業のコンビニが隣にあるというのは、車中泊をする人にとってかなり便利です。

防犯面でも安心感がある

もう一つは「人の目」です。

人通りや明かりが少ない場所で車中泊をするより、店舗の明かりがあり、店員がいる場所のほうが安心できる人も多いでしょう。

特に、車中泊初心者や一人旅の人にとっては、

「コンビニが隣にある」

というだけでも心理的な安心感につながります。

駐車場を有効活用できる

そして、これはコンビニ側にとっても重要です。

コンビニの駐車場は、時間帯によって利用状況が大きく変わります。

昼間は買い物客で混雑していても、夜間になると空いている店舗もあります。

そこで、駐車場の一部を車中泊スペースとして有料で提供すれば、

「夜間の空きスペースを収益化する」

ことができます。

もちろん、店舗周辺の環境や駐車場の広さなどによって向き不向きはあります。

それでも、既存の設備を活用して新しいサービスを生み出せるという点は、コンビニ側にとっても魅力的です。

「コンビニで泊まる」と何が嬉しい?

車中泊をする側からすると、コンビニRVパークにはいくつかのメリットがあります。

1.トイレに困らない

車中泊で意外と重要なのがトイレです。

夜中にトイレへ行きたくなったとき、周囲に何もない場所だと困ります。

コンビニなら、すぐ近くにトイレがあります。

これはかなり大きなメリットでしょう。

2.食事や飲み物をすぐ買える

「ちょっとお腹が空いた」

「朝食を買いたい」

「コーヒーが飲みたい」

そんなときも、すぐに買い物ができます。

旅先で食事場所を探す必要がないのも便利です。

3.電源が使える

車中泊では、電源の確保も重要です。

スマートフォンの充電だけなら簡単ですが、冷暖房や調理家電などを使おうと思うと、電源の問題が出てきます。

ローソンのコンビニRVパークでは、電源ドラムの貸し出しも行われています。

「電源がある」というだけでも、車中泊の快適性は大きく変わります。

4.「ここで泊まっていい」という安心感

個人的には、これが一番大きなポイントかもしれません。

普通のコンビニ駐車場に勝手に車を停めて寝ていると、

「ここで寝ていて大丈夫かな?」

と気になる人もいるでしょう。

しかし、RVパークとして正式に予約して利用していれば、

「ここは車中泊をしていい場所」

という明確な安心感があります。

車中泊初心者にとって、この心理的なハードルの低さはかなり大きいと思います。

でも、近隣住民との騒音問題は大丈夫?

ここで気になるのが、

「コンビニの駐車場で夜に車中泊をしたら、近隣住民から苦情が出ないの?」

という問題です。

コンビニは住宅街の中にあることも珍しくありません。

夜間に車が集まり、話し声やエンジン音が増えれば、近隣住民とのトラブルにつながる可能性があります。

そのため、コンビニRVパークでは、一般的なキャンプ場のように自由に外で過ごせるわけではありません。

基本的には、車内で静かに過ごすことが前提です。

テーブルやイスを駐車場に出して宴会をするような使い方ではありません。

また、アイドリングを控えることで、騒音や排気ガスへの配慮も行われています。

つまり、

「車中泊を自由に楽しむ場所」というより、「車の中で静かに泊まる場所」

というイメージに近いでしょう。

このあたりは、普通のキャンプとは大きく違うところです。

実際に利用しているのはどんな人?

ローソンの実証実験で興味深かったのが、利用者の年齢層です。

当初は「安く旅行したい若い世代」が多いのではないかと想定されていたものの、実際には利用者の約8割が50代以上でした。

また、1泊2日程度の利用が中心で、リピーターも一定数いることが分かっています。

さらに、ゴールデンウィークやお盆、年末などの連休期間には、7店舗平均で稼働率が9割を超えたというデータもあります。

これを見ると、

「車中泊は若者だけのブーム」というイメージは、少し違うのかもしれません。

むしろ、時間に余裕ができた世代が、ゆっくりと車旅を楽しむための選択肢として車中泊を利用しているとも考えられます。

車中泊は「安い宿泊方法」だけではない

車中泊というと、

「ホテル代を節約するために車で寝る」

というイメージを持つ人もいるでしょう。

もちろん、それも車中泊の大きな魅力です。

しかし、現在の車中泊は、それだけではありません。

自分の好きな場所へ移動し、好きなタイミングで休憩し、朝になったらまた次の目的地へ向かう。

そんな自由な旅そのものを楽しむ人もいます。

キャンピングカーの国内保有台数も増加しており、2024年には16万5千台に達したと日本RV協会が発表しています。

車中泊は単なる「宿泊費の節約」ではなく、

「車を使った新しい旅行スタイル」

として定着しつつあるのではないでしょうか。

さらに「災害への備え」という側面もある

車中泊には、もう一つ意外なメリットがあります。

それが、

災害時の避難場所としての活用

です。

大きな災害が発生したとき、避難所での生活が難しい人が車内で過ごすケースがあります。

もちろん、車中泊避難にはエコノミークラス症候群などの健康上の注意点もあり、「車があれば安心」と単純に考えることはできません。

それでも、

「車内で寝ることができる」

「スマートフォンを充電できる」

「簡単な食事を作れる」

といった能力を普段から身につけておくことには、一定の意味があります。

普段は旅行に使い、いざというときには防災にも役立つ。

そう考えると、車中泊という趣味の見方も少し変わってきます。

車中泊ブームは終わったのか?

ここまで見てみると、僕は「車中泊ブームは終わった」とは言い切れないと思います。

むしろ、

「ブームという段階を終えて、定番のレジャーへ変化した」

と考えるほうが自然ではないでしょうか。

一時期のように、テレビやSNSで「車中泊ブーム!」と大きく取り上げられる機会は減ったかもしれません。

しかし、RVパークは増え続けています。

キャンピングカーも普及しています。

そして、コンビニまで車中泊サービスに参入し始めました。

これは、車中泊という文化が消えたのではなく、

「より快適に、より安全に、より周囲へ配慮しながら楽しむ方向へ進化している」

ということなのではないでしょうか。

まとめ:車中泊は「ブーム」から「文化」へ?

車中泊というと、

「昔流行ったけど、今はもう下火なのでは?」

と思ってしまうかもしれません。

しかし、実際には車中泊を楽しめる場所は増えています。

RVパークのような専用施設が増え、キャンピングカー市場も拡大。

そして今度は、コンビニの駐車場まで車中泊の場所として活用され始めています。

これはなかなか面白い変化ですよね。

コンビニ側からすれば、夜間の駐車スペースを有効活用できます。

利用者側からすれば、トイレ、食事、飲み物、電源などを確保できます。

そして何より、

「ここは正式に車中泊していい場所」

という安心感があります。

もちろん、車中泊をするなら、その場所のルールを守ることが大前提です。

「自分が楽しければいい」ではなく、近隣住民や他の利用者にも配慮する。

そうしたマナーが守られてこそ、車中泊を楽しめる場所も増えていくのではないでしょうか。

一時期のような派手なブームではなくなったとしても、車中泊はこれからも残っていく。

そしてもしかすると、僕たちが気づかないうちに、

「車中泊=ちょっと変わった趣味」から「普通の旅行スタイル」へ

変わりつつあるのかもしれません。

皆さんは、車中泊をしてみたいと思いますか?

ホテルとは違った自由な旅ができる一方で、快適に眠るための準備やマナーも必要です。

もしまだ車中泊をしたことがない方は、まずは設備の整ったRVパークなどから試してみるのも面白そうですね。

「ちょっとやってみたい」

そんな気持ちから始めてみるのも、一度きりの人生ならアリなのではないでしょうか。

それではまた別の記事でお会いしましょう


🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」

9月21日

【世界アルツハイマーデー】

世界アルツハイマーデーとは、認知症への理解を深め、患者や家族への支援や啓発を行う世界的な記念日です。

制定の背景

  • 制定年: 1994年(平成6年)9月21日に、国際アルツハイマー病協会(ADI)が世界保健機関(WHO)と共同で制定しました。
  • 由来: 同日、スコットランドのエジンバラで第10回国際アルツハイマー病協会国際会議が開催されたことがきっかけです。
  • 世界アルツハイマー月間: 2012年からは9月全体が「世界アルツハイマー月間」と定められ、世界各地でさまざまな取り組みが行われています。

日本国内の取り組み

  • 法律での位置づけ: 2024年1月に施行された「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」により、日本でも法令として9月21日が「認知症の日」9月が「認知症月間」と定められました。
  • 活動内容: 全国の自治体や公益社団法人 認知症の人と家族の会などが中心となり、講演会や街頭宣伝、シンボルカラー(オレンジ色)を使ったライトアップなどの啓発活動が展開されます。