私が子供の頃によく飲んでいた薬に『粉』のものがありました。確か『胃薬』と親からは聞かされていました。この粉薬が苦いわけで、子供の自分は飲むことが苦手でした。皆さんも普段から何かしらの薬を飲む機会があると思いますが、薬は『水』で飲んでますか?それとも『水以外』ですか?皆さんが意外と知らない水以外で服用した場合の薬の服用方法について触れてみたいと思います。
水以外で服用した場合のメリット・デメリット
薬を服用するときには、基本的に「水」で飲むのが推奨されています。水以外で薬を飲むと、薬の効果が変わったり、副作用が強まったりするリスクがあるためです。それでは、薬を水以外で服用する際のメリット、デメリット、危険性についてみてみましょう。
水以外で薬を飲むメリット
正直なところ、ほとんどメリットはありません。ただし、以下のケースが挙げられます。
- ジュースや牛乳などで飲みやすくする: 薬が苦くて飲みにくいときに、味を紛らわせるため。
- アルコールで気分を良くする: お酒と一緒に薬を飲むことで気分を和らげようとする人がいますが、これは非常に危険です。
- 手軽さ: コーヒーやお茶が手元にあって水を取りに行くのが面倒な場合。
デメリットと危険性
1. 薬の効果が変わる(相互作用)
- 牛乳・乳製品
- 牛乳に含まれるカルシウムが、抗生物質(テトラサイクリン系など)や一部の骨粗鬆症治療薬と結合し、薬の吸収が低下します。
- 結果として、薬の効果が弱まるため、治療が長引くリスクがあります。
- お茶・コーヒー(カフェイン含有)
- カフェインが、鉄剤や抗不安薬の吸収を阻害したり、眠気を抑える作用を強めたりします。
- タンニン(お茶に含まれる成分)が鉄分と結合し、吸収が悪化します。
- ジュース(特にグレープフルーツジュース)
- グレープフルーツジュースは、肝臓の薬物代謝酵素(CYP3A4)を阻害し、一部の降圧薬や抗コレステロール薬の血中濃度が異常に高まる可能性があります。
- 結果として、**副作用(低血圧や筋肉痛など)**が強く現れることがあります。
- アルコール
- 薬の代謝が遅くなり、効果が強く出過ぎる危険があります。
- 特に睡眠薬や抗うつ薬、鎮痛薬は、アルコールと一緒に摂取すると呼吸抑制や意識障害を引き起こすリスクが高まります。
- 肝臓に負担がかかり、肝障害のリスクが増加します。
2. 胃腸障害
- 炭酸飲料や酸味が強い飲み物
- 胃を刺激し、胃痛や胃潰瘍のリスクが増えます。
- 胃酸過多の人には特に注意が必要です。
安全に薬を服用するためのポイントとは?
- 基本は水(常温がベスト)
- 水はpHが中性で、他の成分が少ないため、薬の効果を邪魔しません。
- 量はコップ一杯(150~200ml)が推奨されています。
- 特別な指示がある場合を除き、水以外で飲まない
- 医師や薬剤師が「牛乳と一緒に飲んでください」と指示した場合など、特例を除いて基本は水です。
- アルコールとの併用は絶対に避ける
- どの薬でも基本的にアルコールは厳禁です。
CMでもナレーションに『用法・容量を守って正しく服用しましょう!』と言われてるその裏にはデメリットに対する注意喚起の意味が込められているんですね。外出先やオフィスなんかで手元に水が無かった場合に安易に水以外の物で代用してしまいがちになりますが、もしデメリットを知っていたら・・・何のために薬を飲んでいるのかを一旦考えてみる事もアリなんじゃないかな?そんな気もします。自分の体を一番大切に出来るのは自分だけですからね!
それではまた別の記事でお会いしましょう