食品の『常温保存』って何℃?実は決まっている温度の基準とは

みなさんはスーパーやコンビニで食品を買うとき、**「常温保存可能」**と書かれた商品を目にしたことはありませんか?

冷蔵品なら「10℃以下」、冷凍品なら「-18℃以下」といった表示がありますが、「常温保存」となると具体的な温度が書かれていないことが多いですよね。

「常温って結局、何℃なの?」
そんな疑問に今回はお答えしていきます。


常温保存に明確な温度はあるの?

実は、「常温」というのは完全に一律で定められているわけではありません。ただし、基準や目安はしっかり存在しています。

常温の基準まとめ

  • JIS規格:20℃±15℃(つまり5℃~35℃)
  • 厚生労働省:外気温を超えない温度
  • 一般的な目安:15℃~30℃程度

つまり、「常温」とは“外気に応じた保存可能な範囲”を指す言葉であり、決して「何℃まで」と厳密に決まっているわけではないんですね。


常温保存の注意点

常温保存できる食品であっても、置き場所や環境によって品質は大きく左右されます。

  • 直射日光を避ける:日差しは食品の温度を一気に上げ、劣化を早めます。
  • 高温多湿を避ける:カビや腐敗のリスクが高まります。
  • 一時的な高温にも注意:夏の室温は30℃以上になることも。品質が落ちやすくなるので注意が必要です。
  • 風通しの良い場所に置く:湿気を避け、温度の安定にもつながります。

夏場の保存はどうする?

夏は室温が高くなるため「常温保存できる」と書かれた食品でも注意が必要です。

  • 室温が高いときは、すだれやカーテンで日差しを遮る
  • より安心したいなら、冷蔵庫に入れるのもアリ(特に味噌・醤油・大根など)

「常温保存=年中いつでも安心して置ける」ではなく、季節に応じて工夫することが大切なんですね。


メーカーごとに異なる常温の基準

実は「常温保存」といっても、食品メーカーによって想定する温度や期間が少しずつ異なります。

  • 密封技術や殺菌方法によって保存期間は変わる
  • メーカー独自の基準で「常温〇℃」を想定している場合もある
  • パッケージの保存方法表示は必ず確認することが重要

同じ「常温保存食品」でも製品ごとに条件は違うので、ラベルを確認するのが一番の正解です。


ロングライフ牛乳と冷蔵牛乳の違い

常温保存できる食品の代表例が「ロングライフ牛乳(LL牛乳)」です。

普通の牛乳は冷蔵が必須ですが、LL牛乳は特別な製造方法と容器により、未開封なら常温で長期保存が可能になっています。

ロングライフ牛乳(LL牛乳)

  • 殺菌温度:130~150℃で瞬間的に殺菌
  • 容器:光・空気を遮断するアルミ箔入りの無菌容器
  • 保存:未開封なら常温で数か月保存可能
  • 用途:災害時の備蓄やレジャーに便利

冷蔵牛乳

  • 殺菌温度:120~130℃
  • 保存:必ず10℃以下で保存
  • 用途:日常的に飲む用

栄養価は大きな差がなく、保存料も使われていません。つまり、「保存方法」と「容器の工夫」が違いを生んでいるのです。


常温保存食品の活用シーン

  • 災害時の備蓄:電気が止まっても安心して保存できる
  • 買い置き:安いときにまとめ買いしても保存が効く
  • アウトドアや旅行:持ち運びやすく、冷蔵が不要

常温保存の知識をうまく活用すれば、日常生活がグッと便利になります。


まとめ

「常温保存」とは、明確に何℃と決まっているわけではありませんが、

  • 一般的には 15~30℃
  • JIS規格では 5~35℃
  • 厚労省の定義は 外気温を超えない温度

とされています。

食品を安全においしく保つには、保存環境を工夫すること、そしてメーカーのパッケージ表示をしっかり確認することが大切です。

保存技術の進歩によって、牛乳のように常温保存可能な商品も増えてきました。これらをうまく活用すれば、普段の生活だけでなく災害時の備えにも役立ちますよ。

それではまた別の記事でお会いしましょう


🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」

🌸9月17日

モノレール開業記念日

1964年(昭和39年)9月17日に東京モノレールが浜松町~羽田空港間を開業したことに由来する記念日です。東京オリンピック開催に合わせて建設され、都心と羽田空港を結ぶ交通手段として、日本初の旅客用モノレールとして大きな注目を集めました。この記念日は東京モノレール株式会社が制定したものです。