仕組預金とは?仕組み・メリット・デメリットをわかりやすく解説

皆さんは普段、お金をどこに預けていますか?
銀行、郵便局、あるいはタンス預金という方もいるかもしれません。

日本は「貯金大国」と呼ばれるほど預金好きな国民性で、2023年末時点で家計金融資産は 約2141兆円 にものぼります。その大部分が「現金・預金」となっており、投資よりも安全性を重視する人が多いのが特徴です。

しかし、普通預金の金利はメガバンクで 年0.001〜0.2%程度。例えば100万円を1年間預けても、利息は数百円〜2000円ほどにしかなりません。
「せっかく預けるなら、もう少し増やしたい」と思う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、知る人ぞ知る金融商品 「仕組預金」 について解説します。
普通預金や定期預金よりも高金利が狙える一方で、注意すべきリスクもある商品です。


仕組預金とは?

仕組預金とは、銀行が デリバティブ取引(金融派生商品) を組み込むことで、通常の定期預金より高い金利を設定している預金商品です。

  • 「預金」であるため、定期預金に近い形態を持ちながら、
  • 「投資」のようにリスクを伴う仕組みが特徴です。

代表的な仕組みには、株式や為替の値動きを利用したタイプがあり、その結果として 満期日が変動する・払戻し通貨が変わる といった条件が付くこともあります。


主な特徴

  • 高金利が期待できる
    → 金利は通常の定期預金よりも高めに設定される。
  • デリバティブを活用
    → 為替や株式など、市場の値動きを利用した仕組みを内包。
  • 中途解約が困難
    → 満期前に解約できない、または元本割れ・高額の手数料が発生する。
  • 払戻し条件の変動
    → 市場次第で満期日が繰り上がる/延期される、払い戻し通貨が円から外貨に変わる場合もある。
  • 預金保険の扱いが限定的
    → 円建ての仕組預金は預金保険の対象(元本は保護されやすい)。
    → 外貨建ては預金保険の対象外で、銀行破綻時は元本が戻らないリスクあり。

メリット

  • 通常の定期預金よりも 高金利 が期待できる。
  • 円建てなら 元本保証+預金保険対象(満期まで保有した場合)。
  • 「投資は怖いけど少しでも利息を増やしたい」という人にとって、選択肢のひとつになる。

デメリット

  • 中途解約不可(流動性が極めて低い)。
  • 元本割れの可能性(特に外貨建ては為替リスクが大きい)。
  • 仕組みが 複雑で理解しにくい
  • 預金保険の対象外となるケースもある。

向いている人

  • 余裕資金があり、長期間引き出さなくても困らない人。
  • 通常の定期預金よりも高い利回りを求めたい人。
  • 金融商品のリスクを理解し、仕組みを納得したうえで利用できる人。

なぜ認知度が低いのか?

仕組預金は名前を聞いたことがない人も多いはず。
その理由には次のような点が考えられます。

  • 商品が複雑:仕組みが理解しづらく、説明を聞いてもピンとこない。
  • 金融機関主導:一般の人が自ら探して契約するより、銀行から提案されて知るケースが多い。
  • 利用者が少ない:定期預金ほどメジャーではなく、結果として認知度が上がりにくい。

実際、金融庁の調査でも「仕組預金」という言葉を知っていた人は半数以下にとどまっています。


まとめ

仕組預金は「定期預金」と「投資」の中間に位置する商品です。
高金利が魅力である一方、 流動性の低さや元本割れリスク など注意すべき点も多く、誰にでもおすすめできる商品ではありません。

「余裕資金があって長期で運用したい」「リスクを理解した上で高金利を狙いたい」という方にとっては、選択肢の一つになるでしょう。

資産形成の方法は人それぞれです。
株式や投資信託のように積極的にリスクを取るのか、それとも安全重視で定期預金にするのか…。その中間にある「仕組預金」を知っておくことは、今後の資産運用を考えるうえで役立つはずです。

一度、ご自身のお金の置き場所について見直してみてはいかがでしょうか?

それではまた別の記事でお会いしましょう


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🌸 9月11日🌸

🚒 公衆電話の日

公衆電話の日は毎年9月11日で、1900年(明治33年)のこの日、日本で初めの自動公衆電話(「自動電話」)が東京の新橋駅と上野駅に設置されたことに由来します。当時は交換手を通じて相手に繋ぐ方式で、後にダイヤル式電話が登場し「公衆電話」と呼ばれるようになりました。現在は携帯電話の普及で利用機会は減っていますが、災害時には携帯電話よりもつながりやすく、非常時の連絡手段として重要な役割を担っています