電話の声は合成音だった?知られざる通話の裏側

普段、皆さんはどのくらい音声通話を利用していますか?
家族や友人、仕事でのやり取りなど、スマートフォンや固定電話で声を交わす機会はまだまだ多いですよね。

ところで――その「電話越しの声」、実は本人の生の声ではないってご存じでしたか?
実際に耳に届いているのは、「本人そっくりに合成された声」なんです。今回は、そんな通話の裏側に隠された仕組みを少し深掘りしてみましょう。


📞 なぜ「本人の声」がそのまま届かないのか?

固定電話とスマホ(携帯電話)では、通話の仕組みに大きな違いがあります。

  • 固定電話
    → 声をそのまま電気信号に変えて送る「波形符号化方式」。
    つまり、ほぼ生の声がそのまま相手に届きます。
  • 携帯電話やIP電話
    → 電波を使うため、限られた通信容量で効率よく送る必要があります。
    そこで採用されているのが「ハイブリッド符号化方式」。これは声のデータを圧縮し、あらかじめ用意された「音声の部品(コードブック)」を組み合わせて、相手の声に似た音を合成して送っているんです。

つまり、スマホで聞いている相手の声は「データを元に再現された声」であり、完全に生の音ではないわけです。


🎙️ 合成音声のメリット

「え?偽物の声を聞かされてるの?」と不安に思うかもしれませんが、これは技術的な工夫であり、むしろ私たちにとってメリットが大きい仕組みです。

  • データ量を大幅に削減
    → そのままの声を送ると回線が混雑しますが、合成ならスムーズ。
  • 通話が途切れにくい
    → 圧縮と合成によって限られた電波でも安定した会話が可能に。
  • 違和感の少なさ
    → 合成といっても本人の声に非常に近いため、ほとんど気付かないレベル。

技術が進化するほど、より自然で聞き取りやすい声になっています。最近のVoLTE(高音質通話)などは、その成果のひとつですね。


⚙️ 電話の仕組みをざっくり解説

  1. 声の取得
    → 声(空気の振動)をマイクが電気信号に変換。
  2. 信号の伝送
    • 固定電話:電話線を通じて電気信号をそのまま送信。
    • 携帯電話:電気信号をデジタル化し、電波として基地局に送信。
  3. デジタル化・圧縮
    → 音声をデータに変え、容量を小さくして効率よく送る。
  4. 合成音声の生成
    → 受信側で「声の部品」を使って本人そっくりの声を再現。
  5. 再変換
    → 最後にスピーカーで空気の振動(声)に戻り、私たちの耳に届く。

🤔 まとめ

私たちが何気なく使っている通話の声は、実は「生の声」ではなく「合成された声」でした。
それでもほとんど違和感なく会話できるのは、音声符号化と合成技術が驚くほど進化しているから。

次に誰かと電話するとき、「いま耳にしているのは本人の声そっくりに作られた声なんだ」と意識してみると、ちょっと不思議な気分になるかもしれませんね。

身近すぎて普段気に留めない「通話の声」。そこには、通信を支える技術者たちの知恵と工夫が詰まっているのです。

それではまた別の記事でお会いしましょう


🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」

🌸9月6日

📺 黒の日

「く(9)ろ(6)」の語呂合わせから。
黒はファッションでも食材でも“引き立て役”として大事な色。
コーヒー、黒ごま、黒豆、海苔、イカ墨パスタ……黒い食材って意外に健康的なものが多いんだよね。

🌱豆知識

黒い食べ物にはポリフェノールやミネラルが豊富。
特に黒ごまはアンチエイジング効果が注目されていて、「毎日ひとさじ」で体に良い習慣になるらしいよ。