米が高い今こそ思い出したい…「ササニシキ」って覚えてますか?
お米の値段が上がり続けている昨今、スーパーで米袋を手に取るたびに「銘柄、どうしようかな」と悩む方も多いのではないでしょうか。
中には「絶対ブランド米派」という人もいれば、「価格重視でブレンド米でもOK」という人もいますよね。
ブランド米といえば、やはり有名なのは新潟県産コシヒカリ。
ですが、かつてはコシヒカリと肩を並べるほどの存在感を持つ銘柄がありました。その名は――ササニシキ。
昭和〜平成初期にかけては「東のササニシキ、西のコシヒカリ」とまで呼ばれたお米ですが、最近ではその名前を耳にする機会がめっきり減りました。
「そういえば…どこへ行ったの?」と気になる方も多いはず。
この記事では、かつて日本の食卓を席巻したササニシキの歴史・特徴・衰退の理由・現在の栽培状況・後継品種までを徹底解説します。
ササニシキとは?かつての“あっさり系王者”
- 誕生:1963年、宮城県古川農業試験場で誕生
- 交配:「ハツニシキ」×「ササシグレ」
- 特徴:粘りが少なく、あっさりとした口当たり。和食や寿司飯にぴったり。
- 全盛期:1980年代〜90年代初頭、コシヒカリに次ぐ作付面積を誇った。
食味の魅力
- 粘り控えめで口の中でほぐれるような食感
- 冷めても美味しく、お寿司やお弁当に最適
- 炊き上がりの香りが上品で、まさに「銀シャリ」の代表格
なぜ姿を消したのか?
ササニシキが市場から姿を消した大きなきっかけは1993年の大冷害です。
この年、東北地方は記録的な冷夏に見舞われ、ササニシキは大打撃を受けました。
衰退の主な理由
- 冷害に弱い:気温低下で収穫量が大幅減
- 病気に弱い:特に「いもち病」にかかりやすく、品質が安定しない
- 栽培の難しさ:気候リスクに敏感で、生産者が敬遠
- 高齢化・後継者不足:農家の世代交代が進まず、作り手が減少
この結果、作付面積は急減し、スーパーの棚からも姿を消していきました。
現在のササニシキはどうなっている?
完全に消えたわけではありません。
現在でも**宮城県の一部地域(石巻市・栗原市・大崎市など)**では熱心な農家が栽培を続けています。
- 希少品種化:市場で見かける機会は少ない
- 高級志向:自然栽培・有機栽培にこだわる生産者が多い
- 販売ルート:地元の米穀店やオンライン直販で購入可能
後継品種の登場
ササニシキの魅力を受け継ぎつつ、弱点を補う品種も数多く開発されました。
- つや姫(山形県):粒が大きく甘みがあり、炊き上がりの美しさも魅力
- はえぬき(山形県):冷めても美味しく、セブンイレブンのおにぎりにも採用
- ささ結(宮城県):ササニシキとひとめぼれの子。品質コンテストも開催
- ササロマン:ササニシキ系の軽やかな食味を再現
- ササシグレ:ササニシキの親品種で、昔ながらの味わい
ササニシキを味わうには?
- 宮城県産を狙う:特に石巻・栗原・大崎産が有名
- ネット直販:農家直送サイトや地元米穀店の通販を活用
- 後継品種を試す:つや姫・はえぬきなどもおすすめ
まとめ
ササニシキは、昭和の食卓を代表する“あっさり系米”として一時代を築きましたが、冷害や病気に弱いという宿命的な弱点から姿を消していきました。
しかし、現在でも一部地域で栽培は続き、その味は脈々と受け継がれています。
もし「懐かしい!」と思った方や、「一度食べてみたい!」という方は、ぜひ探してみてください。希少ゆえの価値と、昔ながらの上品な味わいに出会えるはずです。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
🌟9月2日
宝くじの日
語呂合わせ「く(9)じ(2)」から、1967年に第一勧業銀行(現:みずほ銀行)が制定した記念日です。宝くじの時効防止をPRするのが目的で、外れ券を使った「敗者復活戦」の抽選イベントも行われています。