あなたの職場にも、こんな人はいませんか?
「決して会社を辞めるわけではない。でも、どこか以前より元気がない。指示されたことはやるけれど、それ以上のことはしない。なんとなく、淡々と仕事をこなしている──」
それはもしかしたら、「静かな退職(Quiet Quitting)」のサインかもしれません。
今回は、最近注目されているこの「静かな退職」という考え方について、その背景や特徴、そして私たちの働き方との関係を掘り下げてみたいと思います。
■ 静かな退職(Quiet Quitting)とは?
静かな退職とは、社員が実際に退職するわけではなく、「必要最低限の業務だけを行い、それ以上の仕事には関わらない」状態を指します。
言い換えれば、心だけが会社から離れてしまっている状態。
会社への情熱やモチベーションを失いながらも、職場には居続けるという、ちょっと複雑な働き方です。
■ 静かな退職の特徴
以下のような行動が見られる場合、「静かな退職」に該当する可能性があります:
- 仕事への熱意の低下:指示された業務はこなすが、それ以上はやらない。
- 必要最低限の業務のみ:残業や休日出勤を避け、定時で退社。
- 心理的な距離感:職場への愛着や仲間意識が薄れ、孤立気味になる。
- ワークライフバランス重視:仕事よりもプライベートを優先する価値観にシフト。
■ なぜ静かな退職が増えているのか?
この現象は単なる「怠け」ではありません。背景には、社会全体の価値観の変化があります。
- 過度な労働文化(ハッスルカルチャー)への反発
常に頑張り続けることを良しとする風潮に、疑問を抱く人が増えています。 - 終身雇用制度の崩壊
一つの会社に人生を捧げる時代は終わり、多様なキャリア観が浸透しています。 - プライベートの重視
仕事=人生ではなく、人生の一部として働くという考え方が主流に。 - 将来への漠然とした不安
社会不安や経済的な不透明感が、若者の仕事観に影響を与えています。
■ 「静かな退職」が多いのはどの世代?
実はこの傾向、特定の年代に限らず広がっています。
◯ Z世代・ミレニアル世代(20代〜30代)
- ワークライフバランスやタイパ(タイムパフォーマンス)を重視。
- キャリアパスへの不安や、会社への過度な依存を避ける傾向。
- 評価されない環境に早く気づき、冷静に距離を置く。
◯ 40代・50代の中堅〜シニア層
- 昇進の限界や評価への不満から、やりがいを感じられなくなる。
- 若手世代との価値観の違いに孤独を感じる。
- 「もう無理して頑張らなくても…」という心境に達することも。
■ 静かな退職は本当に悪いこと?
静かな退職=悪ではありません。
むしろ、自分を守るための「防衛本能」でもあるのです。
- 燃え尽き症候群の予防
過剰なストレスから心と体を守るためのセルフケア。 - 働き方の見直しのきっかけ
何が自分にとって大切なのかを見つめ直すチャンス。 - ワークライフバランスの実現
人生を仕事だけに捧げない、持続可能な生き方。
■ 企業にとっての課題とリスク
とはいえ、企業側から見れば無視できない問題も。
- 生産性の低下
- 職場の士気の低下
- 優秀な人材の流出
- 新しい挑戦や提案が減る
- 潜在的なリスクの見逃し
■ 企業側ができる対策とは?
静かな退職を防ぐには、従業員の「やる気の源」を大切にすることがカギです。
- コミュニケーションの活性化
日常的な対話を通じて、不満や悩みを早期にキャッチ。 - 納得感のある人事評価制度
成果だけでなく、プロセスも含めて評価する仕組み。 - キャリア支援の充実
将来のビジョンが描けるようなサポート体制づくり。 - 柔軟な働き方の導入
リモートワークやフレックスなど、多様な働き方を認める。 - 心理的安全性の高い職場づくり
「自分らしくいられる」ことが、長く働ける理由になる。
■ 昭和世代の私が感じること
昭和生まれの私からすると、昔は「とにかく会社に尽くすのが当たり前」でした。
上司に逆らわず、ノルマは達成して当たり前。
休み返上や残業はむしろ“美徳”とされていたように思います。
でも、今は時代が違います。
経済成長も鈍化し、頑張れば給料が上がるとは限らない。
ネット社会が進み、リモートワークや副業など、働き方の選択肢は増えました。
だからこそ、今は「自分に合った働き方」を模索する時代だと、私は思います。
■ あなたはどう考えますか?
「静かな退職」は、単なるサボりではなく、時代の変化のひとつの現れです。
あなた自身や、身近な人にも関係するテーマかもしれません。
あなたにとって、働くってなんでしょうか?
会社や上司のために?生活のために?それとも、何かを実現するための手段?
そんな問いかけを、この記事が投げかけるきっかけになれば幸いです。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
🌼 8月15日はこんな日!
🕊 終戦の日(日本)
1945年8月15日、日本がポツダム宣言を受諾し、第二次世界大戦が事実上終結した日です。
この日は「戦没者を追悼し平和を祈念する日」として、全国各地で黙祷や平和祈念式典が行われます。
今生きている私たちの平和な日常は、過去の多くの犠牲の上に成り立っています。
歴史に触れることで、今の価値観や自由のありがたさを再確認する日でもあるね。