庶民の味「秋刀魚」が消える!?激減する理由と私たちにできること
秋の味覚といえば、何を思い浮かべますか?「栗」「柿」「きのこ類」など、たくさんの美味しい食材がありますが、なかでも「秋刀魚(さんま)」は、秋の風物詩ともいえる存在でしょう。焼きたての香ばしい香り、脂がのった身、そしてリーズナブルな価格…。そんな秋刀魚が、近年、私たちの食卓から遠ざかりつつあるのをご存じですか?
今回は「なぜ秋刀魚の漁獲量が激減しているのか」「価格の変化はどうなっているのか」、そして「この先、秋刀魚とどう付き合っていくべきか」について詳しく見ていきましょう。
■ 秋刀魚の漁期と主な漁場
秋刀魚は、実は夏の終わり頃から獲れ始めているのをご存じでしたか?漁期は8月中旬から12月上旬までと意外に長く、なかでも9月〜10月が最も美味しい旬の時期とされています。
<秋刀魚漁の概要>
- 漁期:8月中旬~12月上旬
- 旬:9月~10月(脂がのって美味)
- 主な漁法:棒受網漁業(夜間に光で誘引)
- 漁場の移動:北海道東部沖 → 千島列島沖 → 三陸沖 → 常磐沖 → 房総沖(時期により南下)
こうした情報を知ると、「秋刀魚は秋の魚」というイメージがより深まりますね。
■ 秋刀魚の漁獲量が激減…その理由とは?
ここ数年、秋刀魚の漁獲量は驚くほど減少しています。1958年をピークに減少傾向が続き、特に2022年には過去最低の1.8万トンを記録しました。これは最盛期(約60万トン)の約30分の1という衝撃的な数字です。
▼ 主な要因は以下のとおり:
- 地球温暖化による海水温の上昇
秋刀魚は冷たい海を好む魚。海水温の上昇によって、主な生息海域が変わり、日本近海に来にくくなっていると考えられています。 - 資源量の減少
海全体で秋刀魚の個体数そのものが減っている可能性も指摘されています。 - 国際的な漁獲圧の高まり
日本以外の国々でも秋刀魚漁が行われており、漁獲規制が十分でないために、資源がさらに圧迫されています。
▼ さらに懸念されること:
- 水産庁の対応:2025年の秋刀魚漁獲枠は、前年より1割減の約9.5万トンに設定。
- 持続可能な漁業管理の強化が急務。
こうした状況を受けて、私たちが「当たり前」に食べてきた秋刀魚が、“高級魚”化している現実があるのです。
■ 秋刀魚の価格はどう変わった?
漁獲量の減少に伴って、価格も大きく変動しています。特に近年は不漁続きで、店頭価格が高騰し、「1尾2,000円以上」という年も珍しくありませんでした。
▼ 価格の推移:
- 2023年まで:不漁が続き、価格は高騰。100gあたり平均181円と高値。
- 2024年:久しぶりの豊漁により、価格が大きく下落。
- 東京では卸売価格が1キロ400~500円
- 大阪では約550円まで下落
- 一部スーパーでは1尾98円〜特売、中には18円で販売された例も!
こうした価格変動は、漁獲量・燃料費・海外との競合など、さまざまな要因に左右されます。かつての「庶民の味」が、今では手の届きにくい存在になりつつあるのは、少し寂しいですね。
■ これから私たちができること
秋刀魚の現状から見えてくるのは、温暖化や資源管理の問題が、私たちの食卓に直結しているという現実です。環境問題は遠い話ではありません。
▼ 私たちができる行動例:
- 電気や水のムダ遣いを減らす
- 地産地消を意識した食生活を送る
- 再生可能エネルギーやエコ商品を選ぶ
- 食品ロスを減らす
たとえ小さな一歩でも、積み重ねれば大きな変化につながります。
■ 最後に
秋の定番である秋刀魚が、これからもずっと食卓に並び続けてほしい。そのためには、自然環境と向き合い、持続可能な未来を考えることが必要です。
「美味しい!」の裏にある現実を知ることで、食べ物への感謝や地球への関心がきっと深まるはず。私たち一人ひとりができることから始めてみませんか?
それではまた別の記事でお会いしましょう
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