日本の貧困率は世界で何位?見えにくい現実とその解決策をわかりやすく解説

最近、物価高や食料品の価格上昇によって、日々の暮らしが厳しくなってきたと感じる人も多いのではないでしょうか。特にニュースなどで「子どもの貧困」「ひとり親世帯の困窮」「年金だけでは足りない高齢者」などの話題を耳にするたび、日本の将来が少し不安になります。

では、そもそも日本の「貧困率」はどれくらいで、世界の中ではどんな位置にいるのでしょうか?
この記事では、日本の貧困率の現状とその原因、さらにどんな対策が取られているのかを分かりやすく解説していきます。


相対的貧困率とは?──日本はG7で最も高い水準

まず「相対的貧困率」という言葉の意味を確認しましょう。

相対的貧困とは、その国の平均的な生活水準と比べて著しく低い所得しか得られない状態を指します。具体的には、世帯所得が国民の中央値の半分未満である場合、「相対的貧困層」として扱われます。

日本の相対的貧困率は、2021年時点で15.7%。これはOECD加盟国38カ国中で7位という高い水準です。しかも、G7諸国の中では最も高い数値となっています。

つまり、日本ではおよそ6人に1人が相対的貧困状態にあるということになります。


なぜ日本の貧困率は高いのか?──5つの主な要因

1. 高齢化の進行

高齢者の単身世帯が増えており、年金だけでは生活が成り立たないというケースも少なくありません。医療費や介護費もかさみ、支出に対して収入が追いつかない高齢者が増加しています。

2. 非正規雇用の増加

バブル崩壊以降、非正規雇用が一般化しました。現在では働く人の約4割が非正規とも言われ、収入の不安定さや福利厚生の乏しさが貧困の温床となっています。

3. ひとり親家庭の増加

離婚や死別により、ひとりで子育てを担う家庭が増加。特に母子家庭では、収入が少ない上に育児と仕事の両立が難しいという課題があります。

4. 社会保障制度の不備

生活保護の申請ハードルが高かったり、必要な支援にたどり着けないケースも多く、「助けを求められない貧困層」が存在します。

5. 教育格差

貧困家庭の子どもは、塾や進学に必要な費用を工面できず、将来の進路に制限がかかることも。これが、貧困の「世代間連鎖」につながるのです。


取り組まれている主な対策──国・自治体・民間が連携

日本では、経済的・教育的・生活面の各支援策が講じられています。以下に主な例を紹介します。

🔸 経済的支援

  • 児童扶養手当、生活保護
  • 母子父子寡婦福祉資金貸付
  • 住宅確保給付金、高等職業訓練促進給付金
  • 就学援助制度(給食費・学用品費の補助)

🔸 教育支援

  • 無償の学習支援拠点
  • 地域による居場所・学びの場の提供
  • 奨学金や大学進学サポート制度

🔸 生活支援

  • 子どもの貧困対策推進法
  • こども食堂・フードバンク支援
  • 生活困窮者自立支援制度

🔸 就労支援

  • シングルマザー・シングルファーザーの職業訓練
  • キャリアアップ支援制度

🔸 地域と民間の取り組み

  • NPOによる学習支援
  • 地域ボランティアによる相談窓口や居場所づくり
  • 食品・衣料の寄付活動 など

現状の課題──対策はあるが、まだ「届いていない」

様々な制度や支援策が整ってきてはいますが、次のような課題も残っています。

  • 支援の「情報格差」や「孤立」:制度の存在を知らない人が多い
  • 貧困の長期化・複雑化:一度陥ると抜け出すのが難しい
  • 支援側の課題:NPOや地域団体の人手不足、資金不足
  • 子どもの貧困:2021年時点で約9人に1人の子どもが貧困状態

私たちにできること──「小さな支援」が未来を変える

貧困は一部の人の問題ではありません。誰もがいつか直面する可能性がある「社会全体の課題」です。

私たちにできることは、小さくても確かな行動です。

  • フードバンクやこども食堂への寄付
  • 周囲の困っている人への声かけ
  • 支援団体をSNSで広める
  • 「見えない貧困」への理解を深める

まとめ:日本の貧困を他人事にしない社会へ

日本の相対的貧困率は、世界でも高い水準にあります。その背景には高齢化や非正規雇用の増加、教育格差など、複数の社会的要因が複雑に絡んでいます。

対策は進んでいますが、まだ十分とは言えません。行政、民間、地域住民の連携と、何よりも「ひとり一人の意識」が、今後の貧困対策の鍵となるでしょう。

少しでも「助けになりたい」と思ったなら、それはもう第一歩です。私たちにできる範囲で、小さなアクションを積み重ねていきましょう。

それではまた別の記事でお会いしましょう


🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」

【7月5日】

🍗ビキニスタイルの日

1946年7月5日、フランス・パリで世界で初めてビキニ水着が発表された日です👙
発表したのはフランスのデザイナー・ルイ・レアール。
当時はとても衝撃的なデザインで、モデルも最初はなかなか見つからなかったとか💦
名前の由来は、ビキニ環礁での核実験に匹敵するインパクトという意味合いから来ているんだそう。
夏に向けて海やプールの話題が出始めるこの時期にぴったりの記念日ですね🏖️