はじめに:その“見えないごみ”、知っていますか?
皆さんは「マイクロプラスチック」という言葉を聞いたことがありますか?
近年、ニュースやドキュメンタリーでも頻繁に取り上げられるようになり、耳にしたことがある方も多いかもしれません。
しかし、その実態や私たちの生活との関係について、どれほど知っているでしょうか?
そして、どのくらい「自分ごと」として感じられるでしょうか?
今回は、この“見えないごみ”であるマイクロプラスチックが、私たちの体と環境にどのような影響を与えているのか、そして私たちにできることについて一緒に考えていきたいと思います。
マイクロプラスチックとは?
マイクロプラスチックとは、5mm以下の微細なプラスチック片のことを指します。
・元から小さく製造されたもの(洗顔料や歯磨き粉に含まれる「スクラブ」など)
・大型のプラスチック製品が劣化して砕けたもの(袋やペットボトルの破片など)
この2つに大別されます。
目に見えにくいため、知らないうちに私たちの体内や自然界に入り込み、静かに影響を及ぼしています。
人体への影響:すでに“体内にある”かもしれない?
近年の研究では、マイクロプラスチックが人間の消化器系・内分泌系・免疫系・呼吸器系など、さまざまな体の機能に悪影響を与える可能性があることが指摘されています。
● 消化器への影響
腸に入り込んだマイクロプラスチックが、腸壁を傷つけ炎症を引き起こす可能性があると報告されています。
● 内分泌かく乱作用(ホルモンバランスへの影響)
マイクロプラスチックには**有害な化学物質(例:ビスフェノールAやフタル酸エステル)**が含まれ、それらが体内に取り込まれることで、ホルモンのバランスを乱すリスクがあります。
● 免疫力の低下
体内で異物として認識され、慢性的な免疫反応が続くことにより、自己免疫疾患などのリスクも懸念されています。
● 呼吸器・血管・脳への侵入
空気中に舞うマイクロプラスチックは吸い込むことでも体内に入る可能性があります。最近の研究では、血液や脳からマイクロプラスチックが検出されたという報告もあり、心臓疾患や神経系への影響も懸念されています。
環境への影響:すでに壊れ始めている生態系
マイクロプラスチックは、生態系全体に連鎖的な被害をもたらします。
● 誤飲による生物への影響
プランクトン・貝類・魚・鳥類などがマイクロプラスチックを餌と間違えて摂取してしまいます。これにより、成長障害・繁殖率の低下・死亡といった深刻な問題が起きています。
● 食物連鎖を通じて人間にも影響
小さな生き物から始まり、食物連鎖を通じて有害物質が濃縮され、最終的に人間にもその影響が及びます。
● サンゴ礁へのダメージ
サンゴがマイクロプラスチックを摂取することで、共生関係にある褐虫藻が減少し、サンゴの生存に支障をきたす例も報告されています。
日本の現状:実は「プラごみ大国」
実は、日本はプラスチックごみの排出量が非常に多い国のひとつです。
データで見る日本のプラごみ事情:
- 一人当たりの容器包装廃棄量:約32kg(世界2位)
- 年間の総廃プラスチック量:823万トン(2022年時点)
- 海への流出量:世界30位だが、先進国では2位
この背景には、過剰な包装文化やコンビニ・スーパーでの利便性重視といった生活習慣が関係していると考えられています。
私たちにできること:小さな行動が、大きな変化を生む
私たち一人ひとりができることはたくさんあります。たとえ小さなことでも、積み重なれば大きなインパクトにつながります。
🌱 個人でできること:
- エコバッグ・マイボトルの持参
- レジ袋やプラ製カトラリーの使用を減らす
- ごみの分別と適切な処理
- ごみ拾いやビーチクリーン活動への参加
🌎 社会・行政・企業の取り組み:
- 洗顔料・歯磨き粉などへのマイクロビーズ規制
- 生分解性プラスチック製品の開発支援
- 国際的な連携による対策(国連の「プラスチック条約」など)
おわりに:この問題、あなたはどう考えますか?
マイクロプラスチック問題は、単なる「環境問題」ではなく、私たちの命と健康にも直結する問題です。
「どうせ一人じゃ何も変わらない」と思うのではなく、
「自分にできることから始めよう」という意識が、変化の第一歩になります。
あなたは、今日から何を変えますか?
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
🇯🇵【国民安全の日】
1960年に制定。交通安全・労働災害防止・防犯など、「国民の安全意識を高めよう」という目的の日です。夏の行楽シーズンも始まる頃なので、改めて安全への意識を見直す良い機会ですね。
🍉 ちょこっと豆知識:
7月1日は、多くの企業で「クールビズ」が本格化したり、年後半がスタートする「折り返し地点」でもあります。「今年もあと半分か〜」と、少しだけ振り返ってみるのもいいかもしれませんね😊