「また道路工事か…」
3月の終わり頃になると、あちこちで道路工事が目立つようになり、「なんでこの時期に集中してるの?」と疑問に思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
実はこの“年度末の工事ラッシュ”には、しっかりとした理由があるのです。今回は、その背景とちょっとした裏話をわかりやすく解説します。
■年度末の工事が多い一番の理由:予算の消化
日本の行政では、「予算」は基本的に4月から翌年3月までの“年度”単位で管理されています。
各自治体や省庁は、年度初めに立てた計画に基づいて事業を進めていきますが、予算には「繰り越し」が難しいという特性があります。
つまり、使い切れなかった予算は返さなければならないケースが多いのです。
そのため、年度末になると「残った予算を有効活用しよう」として、急ピッチで道路工事や公共工事が集中するというわけなんですね。
■なぜ“道路工事”が選ばれるのか?
予算消化の手段として「道路工事」がよく選ばれるのには理由があります。
- 比較的短期間で実施できる
- 計画や手配がしやすい
- インフラ整備という名目で正当性がある
こうした理由から、「今のうちにここを整備しておこう」といった形で、急きょ工事が決まるケースも多いんです。
■実は計画的なものも多い
一方で、「予算消化=無駄遣い」と思われがちですが、実は年度初めからある程度計画された工事がこの時期に集中するように組まれていることも多いのです。
冬場は雪や凍結の影響で工事が難しい地域もありますし、交通量が比較的落ち着く時期を見計らってあえて年度末に集中させる場合もあります。
そのため、すべてが無計画な予算消化ではないことも、ちょっと知っておくと見方が変わるかもしれません。
■住民の不満も無視できない問題
とはいえ、道路の片側通行や通行止め、騒音などで日常生活に支障が出ることも事実。
年度末に集中することで、「またか…」「どうして一気にやるの?」といった不満の声が上がるのも仕方ないですよね。
今後はより分散した工事スケジュールや、情報公開の工夫が求められる場面も増えていきそうです。
■まとめ:年度末の工事には理由がある!
- 日本の予算制度が「年度単位」なため、3月は予算消化が集中する
- 短期間で実施しやすく、名目も立てやすいのが道路工事
- 無計画なものばかりではなく、計画的にこの時期に行われる工事もある
- 住民の声とのバランスを取りつつ、今後の工夫も必要
「なんでまた?」と思うような工事も、こうした背景を知ることで少し見方が変わるかもしれません。
年度末の風物詩ともいえる道路工事、その裏にある行政の仕組みをちょっとだけ覗いてみると、日常の風景も面白く見えてきますよ。
それではまた別の記事でお会いしましょう