デジタルが当たり前になった今、なぜアナログが再び注目されているのか?
アナログ全盛期の時代を知る筆者にとって、現在のデジタル社会は「とにかく便利」の一言に尽きます。
スマホひとつで買い物、決済、情報収集、写真撮影まで完結し、生成AIの登場によって思考や創作のサポートまで担ってくれる時代になりました。
一方で、こうした環境で生まれ育ったデジタルネイティブ世代は、必ずしも同じ感覚を抱いているわけではありません。
むしろ彼らの間では、近年「アナログ」が新鮮で魅力的な体験として受け止められ、静かなブームを起こしています。
なぜ、これほどまでにデジタルが浸透した世界で、あえてアナログが選ばれるのでしょうか。
今回は、その象徴とも言えるフィルムカメラ人気を入り口に、アナログ回帰の背景と、これからのデジタルとアナログの関係について考えてみたいと思います。
あえてフィルムを使う。写ルンですが若者に支持される理由
2025年現在、Z世代を中心に**フィルムカメラ、とりわけ「写ルンです」**が再び大きな注目を集めています。
スマホで高画質な写真を無限に撮れる時代に、なぜ「撮ったその場で確認できない」「失敗も多い」フィルムが選ばれるのか。
そこには、デジタルでは得られない価値があります。
●「エモい」と評される体験そのもの
フィルム特有の粒子感、少し色褪せたような柔らかい質感。
そして、現像するまで結果がわからないドキドキ感。
この一連の体験すべてが「エモい」としてSNSで共有され、単なる写真ではなく物語のある記録として楽しまれています。
● 品薄と価格高騰が示す“本物の需要”
需要の急増により、写ルンですは購入制限がかかるほどの品薄状態が続いています。
2025年には価格改定も行われましたが、それでも人気は衰えていません。
「安いから」ではなく、「それでも欲しい」存在になっている点が象徴的です。
● デジタルとの融合も進行中
撮影後の現像やデータ受け取りをスマホで完結できる仕組みが整い、
アナログ×デジタルのハイブリッド体験として進化している点も、若者に受け入れられる理由のひとつです。
フィルムカメラだけじゃない。広がるアナログ回帰の波
この流れは写真だけに留まりません。
デジタル化が進みきった反動として、さまざまな分野でアナログ回帰が起きています。
■ 音楽:カセットテープとレコード
ヒスノイズや盤をひっくり返す動作など、
「手間がかかる」こと自体が体験価値として楽しまれています。
■ 文房具:紙の手帳とライフログ
予定管理はスマホ、心の整理は紙。
書く行為そのものが、自分と向き合う時間として再評価されています。
■ エンタメ:ボードゲームと純喫茶
画面越しではなく、同じ空間で時間を共有する体験。
効率とは真逆の「ゆっくり流れる時間」が価値になっています。
■ 日常生活:有線イヤホンや手仕事
充電不要、壊れにくいという実用性に加え、
「あえて選ぶ」姿勢そのものがライフスタイルとして成立しています。
デジタルネイティブ世代にとって、アナログは「新しい」
若い世代にとって、アナログは懐かしいものではありません。
**デジタルとは異なる“別ジャンルの新体験”**なのです。
1. デジタル疲れへの無意識な対処
常に通知や評価にさらされる環境から、一時的に距離を置きたい。
アナログは、そのための自然な選択肢になっています。
2. タイパを極めた先の“あえての非効率”
効率を知っているからこそ、
時間をかける行為が「贅沢」になるという逆転現象が起きています。
3. 完璧じゃないからこそ、リアル
ノイズや失敗を含んだ記録は、その瞬間にしか存在しないもの。
加工できないからこそ「本物」と感じられる価値があります。
デジタルとアナログは、対立ではなく共存へ
現在起きているアナログ回帰は、単なる懐古趣味ではありません。
デジタルとアナログを目的によって使い分ける“両利き”の価値観が、自然に根付いてきているのです。
便利さはデジタルに任せ、
心を満たす体験はアナログに委ねる。
そんなバランスが、これからの時代の豊かさなのかもしれません。
おわりに
筆者としては、自分の青春の一部だったものが、
新しい世代によって別の価値として蘇っていることに、素直な嬉しさを感じます。
時代は繰り返すのか、それとも進化しているのか。
その答えは分かりませんが、
この現象がとても色鮮やかに映ることだけは確かです。
皆さんは、デジタルとアナログの関係をどう感じていますか?
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
1月13日
【遺言の意味を考える日】
「遺言の意味を考える日」の概要
- 由来:
- 語呂合わせ: 「1(い)13(いみ)=遺言の意味」と読む語呂合わせからきています。
- 制度の開始: 2019年1月13日に、相続法改正によって自筆証書遺言の作成方式が緩和(財産目録のパソコン作成が可能になるなど)されたことを記念しています。
- 制定者: 相続支援を行う「NPO法人 えがおで相続を(旧・一般社団法人えがお相続相談室)」が制定しました。
- 目的: 遺言の手続きがより身近になったことをきっかけに、遺言の大切さやその意味を家族で考える機会にしてもらうことを目的としています。