「プレミアムフライデー」ってもう忘れちゃった?
ブラックフライデーが日本でもすっかり定着し、年末商戦の目玉イベントとなった今。
一方で、似たような名前なのにすっかり影が薄くなってしまった施策があります。
そう、「プレミアムフライデー」。
「そんなのあったね!」と思った方もいるのではないでしょうか?
今回は、そんな懐かしの施策について“今どうなっているのか”まで含めて分かりやすくまとめてみました。
■ プレミアムフライデーとは?
プレミアムフライデーは、経済産業省と日本経済団体連合会が中心となって2017年にスタートした取り組みです。
主な目的は次の2つ。
● ① 消費の活性化
月末の金曜日に午後3時ごろまでに仕事を終え、
「ちょっと贅沢な消費」
「心が豊かになる体験」
をしてもらうことで、停滞した個人消費を刺激する狙いがありました。
● ② 働き方改革の後押し
日本社会の課題だった長時間労働を是正し、
- 有給休暇の取得促進
- 柔軟な働き方の普及
につなげる意図もありました。
キャッチコピーは
“月末金曜は、ちょっと豊かに。”
…良い響きですよね。
しかし、実際は 「広く浸透した」とは言い難い結果 に。
■ 結局、今もプレミアムフライデーは続いているの?
結論から言うと、
制度自体は“まだ存在している”が、社会的な存在感はほぼ消えかけている
という状態です。
▼ 現状のポイント
- 推進協議会の公式サイトは2023年6月に閉鎖
→ 情報発信の中心が消滅。ムードも一気に縮小。 - 経済産業省は情報発信を継続
→ 制度の終了は宣言されていない。 - 企業の利用は少ない
→ 月末は忙しい企業が多く、「金曜15時退社」は現実的でないという声が多い。 - コロナ禍で働き方が大きく変わった
→ リモートワークの普及により、「特定の日に早く帰る」という価値が弱まった。
つまり、
「制度としては残っているけど、誰も話題にしない」
そんな状態に近いです。
■ プレミアムフライデーを使ったキャンペーンは残ってる?
近年、一般消費者向けの大規模なキャンペーンを行う大手企業はほとんどありません。
ただし、完全に消えたわけでもなく、以下のような動きは続いています。
● ① 社内制度として継続する企業
例:SBテクノロジー、ダスキンなど
→「働き方改革」の一環として、月末金曜の早帰り制度を独自に運用。
→社内向けの取り組みとしては今も機能。
● ② 過去には店舗や百貨店が積極活用
串カツ田中、三越などが、
- 割引
- 特別メニュー
などを提供し、一定の売上効果も見られました。
しかし昨今では、
消費者向け施策は“ブラックフライデーが圧倒的主役”に。
結果、プレミアムフライデーは完全に影を潜めています。
■ なぜプレミアムフライデーは定着しなかったのか?
理由をまとめると、次のような構図が見えてきます。
① 月末金曜はそもそも忙しい
どの企業も締め作業や請求業務が重なりがち。
15時退社は理想だが、現実は厳しい。
② 組織文化・業務構造の壁
「早く帰る」ためには、
- 業務見直し
- 人員配置
- マネジメント改革
が必要。
制度だけ導入しても実態は変わらなかった。
③ コロナによる急速な働き方改革
リモートワークやフレックス制度の普及により、“特定の日にまとめて早く帰る”意味が薄れた。
④ 消費行動の変化
オンラインでいつでも買い物できるようになり、
「金曜日に一斉に外に出る」という発想が時代とズレてしまった。
■ まとめ:プレミアムフライデーはこれからどうなる?
久しぶりにその名前を聞いて、「あったあった!」と懐かしく感じた人も多いはず。
しかし実際は、
- 思った以上に浸透しなかった
- 社会の変化に追いつけなかった
- 目的が現代の働き方と合わなくなった
という印象が否めません。
個人的には、
このまま静かにフェードアウトしていくのでは…?
という気もしています。
皆さんはどう感じましたか?
「あなたのプレミアムフライデー体験」や「制度の印象」もぜひ聞かせてくださいね。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
12月11日
【百円玉記念日】
この記念日は、1957年(昭和32年)12月11日に、日本で初めて百円硬貨が発行されたことを記念して制定されました。
それまで百円は板垣退助の肖像が描かれた紙幣(百円札)でしたが、物価の上昇に伴い百円を使う機会が増えたため、紙幣よりも丈夫で長持ちする硬貨に変更されました。
当初発行された百円硬貨は銀貨(鳳凰のデザイン)でしたが、その後銀相場の変動などにより、現在使われている白銅貨(桜のデザイン)に変更されています。