あなたも縛られていない?「やめられない心理」の正体
「そろそろやめたいのに、なぜかやめられない…」
そんな経験、ありませんか?
気づけば毎日ログインしているスマホゲーム。ほとんど見なくなったのに解約できない動画サブスク。筆者である私も、10年続けているゲームがありますが、最近は“ログインだけ”が日課になっています。それでもなぜか、削除する勇気が出ないんですよね。
なぜ私たちは、もう楽しめていないものや使っていないサービスを手放せないのでしょうか?
その心理の裏には、「サンクコストバイアス」という人間特有の思考のクセが隠れています。
サンクコストバイアスとは?
サンクコストバイアス(Sunk Cost Bias)とは、すでに投じた時間・お金・労力といった「埋没費用(サンクコスト)」を惜しむあまり、合理的な判断ができなくなってしまう心理のことです。
たとえば、本来なら「これから得られる利益や楽しさ」を基準に続けるかやめるかを決めるべきです。
しかし人間は、「もったいない」という感情に支配され、過去の投資を正当化しようとしてしまうのです。
サンクコストバイアスの身近な例
🎬 映画のチケット
つまらない映画だと分かっても、「せっかくお金を払ったのだから」と最後まで見てしまう。
💹 投資
損失が続いている株を、「ここまで我慢したんだから」と手放せず、さらに損を広げてしまう。
💼 ビジネス
開発がうまくいかない新製品でも、「これまでの費用を無駄にしたくない」と撤退できずに続けてしまう。
💔 人間関係
関係が冷めていても、「ここまで積み重ねた時間が無駄になる」と感じて別れられない。
日常生活にも潜む「やめられない心理」
実は、私たちの日常にもサンクコストバイアスはたくさん潜んでいます。
お金だけでなく、時間・労力・感情など、見えないコストに縛られてしまうのです。
🍽️ 消費・買い物
- 「もったいないから」とお腹いっぱいでもビュッフェで食べ続ける。
- セールで買ったけど使わない服を「いつか着るかも」と捨てられない。
- 高い家電を買って後悔しても、「せっかく買ったし」と我慢して使い続ける。
🎮 エンタメ
- 面白くないゲームを、「課金したから」と惰性で続けてしまう。
- 行列に長時間並んで、「ここまで待ったんだから」と引き返せない。
🧠 キャリア・人間関係
- 「ここまで頑張ったから」と、合わない職場を辞められない。
- 交際がうまくいかないのに、「ここまで一緒にいたのに」と別れられない。
💪 健康・自己投資
- 効果のないダイエット法を、「今さら変えられない」と続ける。
- 語学学習が停滞しているのに、「教材代がもったいない」と惰性で続ける。
コンコルド効果との違いは?
サンクコストバイアスとよく似た言葉に「コンコルド効果」があります。
実はこの2つ、ほぼ同じ意味で使われることが多いのですが、由来が異なります。
| 観点 | サンクコストバイアス | コンコルド効果 |
|---|---|---|
| 意味 | 投じた費用に縛られて非合理な判断をする心理 | 投下費用に固執して失敗を続ける現象 |
| 由来 | 経済・心理学の用語 | 超音速旅客機「コンコルド」開発の失敗事例 |
| よく使われる場面 | 日常・心理学・消費行動など | 大規模プロジェクト・ビジネス・投資など |
つまり、
- 個人の心理として語るときは サンクコストバイアス
- 大きな事業の失敗を指すときは コンコルド効果
という使い分けが自然です。
サンクコストバイアスから抜け出す3つのヒント
- 未来に焦点を当てる
過去の努力ではなく、「これからどうすれば最も良い結果になるか」で考える。 - 客観的な視点を持つ
自分では冷静に判断できないとき、第三者の意見を取り入れる。 - 撤退ラインを決めておく
「この条件になったらやめる」とルールを先に決めておくことで、感情に流されにくくなる。
「やめる勇気」は、前に進む力になる
私たちは「続けること=正しいこと」と思い込みがちです。
でも時には、「やめること」こそが自分を自由にする第一歩かもしれません。
惰性で続けていることを見直し、「これって本当に自分のためになっている?」と一度立ち止まって考えてみる。
その瞬間、サンクコストの鎖が少しずつほどけていくはずです。
やめる勇気を持つことは、過去を無駄にすることではなく、未来を取り戻すこと。
あなたも今日から、少しだけ“やめる勇気”を持ってみませんか?
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
11月18日
【音楽著作権の日】
「音楽著作権の日」は、1939年(昭和14年)のこの日に日本音楽著作権協会(JASRAC)が設立されたことに由来しています。
この記念日は、音楽の創作者の権利を守り、音楽文化の普及と発展に貢献することを目的としています。
なお、日本には著作権全般に関わる「著作権制度の日」もあり、こちらは1899年(明治32年)の旧著作権法の公布日にちなんで7月22日とされています。