「うちは関係ない」と思ってない?意外と身近な“遺産相続トラブル”の実態と防ぐ方法

皆さんは「相続」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
「お金持ちの家で起きるもの」「うちは財産なんて少ないから関係ない」——そう思っていませんか?

実は、相続トラブルはごく普通の家庭でも起きています。
近年では、仲の良かった家族が遺産をめぐって疎遠になるケースも少なくありません。

今回は、そんな“身近なのに見落としがちな”遺産相続トラブルの現状と、争いを防ぐための方法を紹介します。


💥相続トラブル(=争族)は増えている?

家庭裁判所に持ち込まれる遺産分割事件の数は、年々増加傾向にあります。
司法統計によると、以下のように推移しています。

申し立て件数
2020年14,617件
2019年13,639件
2018年13,111件
2015年11,466件

つまり、5年で約3,000件も増加しているのです。
これは「相続トラブル」が決して他人事ではないことを示しています。


💰「少ない遺産」ほど揉めやすい?

意外に思うかもしれませんが、トラブルの多くは高額な遺産ではなく、一般家庭レベルの金額で起きています。

遺産額割合
1,000万円以下34.7%
1,000万円超~5,000万円以下42.9%

つまり、全体の約8割が5,000万円以下の家庭なのです。
「遺産が少ないから安心」というわけではなく、むしろ限られた財産をどう分けるかが争いの火種になることも。


🔍なぜ相続トラブルが増えているのか?

近年「争族」と呼ばれる相続トラブルが増えている背景には、以下のような社会変化があります。

  • 高齢化の進展:長寿化で相続のタイミングが遅れ、子世代も高齢になり利害がぶつかりやすい。
  • 一般家庭でのトラブル増加:遺産が少ないほど「誰が何をもらうか」がシビアになる。
  • 家族関係の多様化:再婚・事実婚・連れ子など、相続関係が複雑化。
  • 不動産の問題:地方の空き家など、換金しづらい財産の扱いが難しい。

⚡「争族」の主な原因とは?

相続争いは、単に“お金”の問題ではなく、人間関係と感情の問題が深く関わっています。
主な原因をいくつか見てみましょう。

💡遺産の内容・分け方

  • 不動産が中心で分けにくい
  • 遺言書がないため話し合いがまとまらない
  • 生前に一部の子どもだけに贈与があった
  • 預貯金の使い込みが発覚した

💡相続人同士の関係性

  • 兄弟姉妹の仲が悪い、または疎遠
  • 介護を一方的に担った人が報われないと感じる
  • 財産を管理していた人への不信感

💡家族構成の複雑化

  • 再婚・内縁関係・認知した子どもなどで法定相続が複雑になる

💡感情的な対立

  • 「愛情の証」として遺産を捉え、不公平だと感じる
  • 「親の気持ちは自分が一番分かっている」と対立する

🧭トラブルを防ぐための「生前対策」

相続トラブルを防ぐ最も効果的な方法は、生前からの準備です。
以下の5つのステップを意識しておくと安心です。

① 遺言書を作成する

遺言書は“家族のトラブル予防書”です。
特に「なぜこのように分けたのか」を説明する付言事項を添えると誤解を防げます。

  • 公正証書遺言:公証人が作成するため法的に確実
  • 自筆証書遺言:自分で書けるが、法務局での保管を推奨

② 生前贈与を活用する

  • 暦年課税制度:年間110万円まで非課税
  • 相続時精算課税制度:2,500万円まで非課税でまとめて贈与可能

③ 家族信託を検討する

認知症などで判断能力が低下しても、信頼できる家族が財産を管理できます。
遺言代わりとしても機能します。

④ 家族で話し合う

財産の内容・分け方をオープンに共有し、意見を出し合うことが大切です。
「見える化」するだけで多くの誤解が防げます。

⑤ 専門家に相談する

弁護士・司法書士・税理士などの専門家を早めに頼ることで、冷静で現実的な対策が取れます。


⚖️相続発生後の対策

もし遺言書がない場合、次のステップを丁寧に進めましょう。

  1. 遺産分割協議を実施
    相続人全員で話し合い、「遺産分割協議書」を作成して署名・押印します。
  2. 話し合いがまとまらない場合は調停へ
    家庭裁判所の「遺産分割調停」を利用すれば、調停委員が仲介して冷静な合意を促してくれます。

🌸まとめ:「争わない相続」は準備から

人はいつか必ず死を迎えます。
そして、残された家族が**“財産”ではなく“わだかまり”を相続してしまう**こともあります。

「うちは財産なんてないから大丈夫」と思っている家庭ほど、実は危険かもしれません。
相続は金額の多寡ではなく、気持ちの整理と準備の有無が大きく影響します。

今のうちから家族と話し合い、「安心して託せる形」を整えておきましょう。
それが、残された家族への“最後の思いやり”です。

それではまた別の記事でお会いしましょう


🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」

🦖11月3日

[ゴジラの日]

「ゴジラの日」は、1954年のこの日に、シリーズ第1作となる映画『ゴジラ』が日本で初めて公開されたことに由来しています。 

この日は、ゴジラファンにとって、ゴジラの誕生日や記念日として祝われています。ゴジラの生誕を祝って、以下のようなイベントや企画が行われることがあります。 

  • 過去のゴジラ映画の上映会や特集
  • 新作映画の公開
  • 記念グッズの販売
  • ファン同士の交流イベント