高齢化社会で増える「おひとり様」──老後の身元保証はどう備える?
みなさんは、自分の老後について考えたことがありますか?
若い世代にとってはまだ遠い話かもしれませんが、年齢を重ねるにつれて“老後の暮らし”は現実的な課題になります。
特に現代の日本では、少子高齢化と単身世帯の増加によって、「おひとり様」という言葉が注目されるようになりました。
もしも老後に一人暮らしになったとき──病気や介護、入院、さらには亡くなった後のことまで、誰が支えてくれるのでしょうか。
今回は、高齢化が進む日本で増えている「おひとり様」の背景と、安心して暮らすために欠かせない身元保証の選択肢について、わかりやすく解説します。
1. 高齢化社会でおひとり様が増える理由
おひとり様が増えている背景には、社会や家族のあり方の変化が大きく関わっています。
1-1. 結婚や家族のあり方の変化
- 未婚率の上昇
生涯結婚をしない人が増え、高齢期を独身で迎える人が多くなっています。 - 核家族化の進行
かつては三世代同居が一般的でしたが、今では高齢の親と子が別居するケースが多く、子どもがいない夫婦も増えています。 - 価値観の多様化
経済的に自立した女性が増え、結婚よりも自由やキャリアを重視する人が増加。家族に頼らない生き方を選ぶ人が増えています。
1-2. 寿命の伸長
- 男女ともに平均寿命が延びたことで、配偶者と死別した後に長い期間を一人で過ごすケースが増えました。
- 特に女性は男性より平均寿命が長く、配偶者を亡くした後の“おひとり様期間”が長くなる傾向があります。
1-3. 経済的・社会的な要因
- 経済的に余裕のある高齢者が、プライバシーを重視して一人暮らしを選ぶことが増えています。
- 子どもが遠方に住んでいたり、頼れる親族がいなかったりするケースも多く、結果的におひとり様世帯が増加しています。
👉 これらの要因が重なり、高齢者の単身世帯は今後も増え続けると予測されています。
2. おひとり様にとっての大きな課題──身元保証
おひとり様が老後に直面しやすい大きな問題が、身元保証です。
病院への入院や介護施設への入居の際、多くの場合で身元保証人を求められます。
しかし身寄りがない場合、次のような問題が発生します。
- 入院や施設への入居がスムーズに進まない
- 緊急時に連絡先や判断をしてくれる人がいない
- 入院費や施設費用の清算が難しい
- 認知症になったときの財産管理や介護方針の決定ができない
- 死後の葬儀、納骨、遺品整理などを頼める人がいない
こうした課題に対処するため、近年は公的制度や民間サービスを活用するケースが増えています。
3. おひとり様を支える身元保証の主な選択肢
ここでは、代表的な解決策を紹介します。
3-1. 民間の身元保証サービス
身元保証を専門に行う民間事業者が増えており、次のようなサービスを提供しています。
- 入院・施設入居時の身元保証
- 緊急時の駆けつけ・対応
- 財産管理サポート
- 死後事務(葬儀、納骨、公共料金の解約、遺品整理など)
費用の目安: 数十万円〜(サービス内容によってはさらに高額な預託金が必要)
⚠️ 注意点:トラブルの事例もあるため、契約内容をよく確認し、実績のある事業者を選ぶことが重要です。
👉 地域包括支援センターに相談すると、中立的なアドバイスが得られます。
3-2. 任意後見制度
本人の判断能力があるうちに、将来に備えて信頼できる人物(弁護士や司法書士など)を任意後見人として選び、財産管理や医療・介護の判断を委ねる制度です。
- 認知症などで判断が難しくなったとき、後見人が代理で手続きを行えます。
- 施設によっては、任意後見契約があることで入居を認める場合があります。
3-3. 死後事務委任契約
亡くなった後の手続きをスムーズに進めるための契約です。
- 葬儀、納骨、公共料金の解約、遺品整理などを事前に委任
- 弁護士や司法書士、または民間事業者に依頼するのが一般的です
3-4. 公的制度・相談窓口
- 地域包括支援センター・社会福祉協議会
高齢者の生活支援や相談窓口として活用できます。 - 成年後見制度(法定後見)
判断能力がすでに不十分な場合、家庭裁判所を通じて後見人を選任する制度です。
4. 組み合わせて備えるのが安心
最適な方法は人それぞれです。例えば──
- 元気なうちに:任意後見契約+死後事務委任契約を結んでおく
- 費用を抑えたい場合:地域包括支援センターを活用し、公的支援を検討
- 包括的に任せたい場合:民間サービスをパッケージで利用
👉 早めの準備が安心につながります。
まとめ:老後の安心は“知ること”から始まる
おひとり様世帯が増えるなか、身元保証は避けて通れない課題です。
しかし、今ではさまざまな制度やサービスが整ってきています。
大切なのは、元気なうちに知識を持ち、信頼できる相談先を確保すること。
今回の記事が、みなさんが将来に向けて安心を得るためのきっかけになれば幸いです。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
💡10月21日
【あかりの日】
「あかりの日」とは、10月21日に制定された記念日で、電気照明の父、トーマス・エジソンが実用的な白熱電球を発明したことにちなんでいます。
主な目的は、人々の生活に欠かせない「あかり」の重要性や省エネルギーを考えるきっかけとすることです。
概要
- 日付: 10月21日
- 由来: 1879年(明治12年)10月21日に、エジソンが世界で初めて長時間点灯する白熱電球を開発したことを記念しています。
- 制定: 1981年(昭和56年)に、日本照明工業会、日本電気協会、照明学会の3団体で設立された「あかりの日」委員会によって定められました