日本では「女性の社会進出」が叫ばれて久しいものの、依然として管理職に占める女性の割合は低いままです。
皆さんの職場でも「女性の上司」が少ないと感じる方は多いのではないでしょうか。
世界的に見ても、日本の女性管理職比率は主要国と比べて明らかに低水準にあります。本記事では、その実態をデータとともに整理し、日本で女性管理職が少ない理由を深掘りしてみましょう。
🌍 世界の女性管理職比率は?
国や地域によって差はありますが、欧米や一部のアジア諸国では30〜40%前後が一般的です。
主要国の女性管理職割合(参考値)
- フィリピン:約48.6%~53.4%
- アメリカ:約41.4%~42.6%
- スウェーデン:約43.0%~43.7%
- オーストラリア:約39.7%~40.0%
- シンガポール:約39.6%~40.3%
一方、日本は 12.7%(令和5年度雇用均等基本調査)〜14.6%(国際労働比較2025) にとどまっており、G7諸国の中では最下位。国際的に見ても大きな課題を抱えていることが分かります。
🇯🇵 日本で女性管理職が少ない原因
女性管理職が増えにくい背景には、以下のような複合的要因があります。
1. 性別役割分担の固定観念
- 「家事・育児は女性の役割」という価値観が根強く残っており、昇進に必要な経験や時間を女性が得にくい状況があります。
- 無意識のバイアスによって、女性に責任あるポジションを任せにくいという風潮が残っています。
2. 長時間労働を前提とした企業文化
- 日本の労働環境は「長時間働ける人が評価される」傾向が強く、育児や介護を担う女性にとって不利になりやすいです。
- 管理職=残業・休日出勤が当たり前というイメージが、女性のチャレンジを阻んでいます。
3. ライフステージとキャリアの中断
- 出産・育児で離職するケースが依然として多く、キャリアの継続性が途切れやすい。
- 育児休暇からの復職後も、キャリア形成において不利な扱いを受けることがあります。
4. 制度や環境整備の遅れ
- 産休・育休制度はあっても、時短勤務や在宅勤務が十分に浸透していない職場も少なくありません。
- 「制度があっても使いにくい雰囲気」が残り、実質的に活用できない状況があります。
5. ロールモデルの不足
- 女性管理職が少ないため、後に続く女性が「自分にもできる」というイメージを持ちにくい。
- 結果として「目指そうと思えない」悪循環が生まれています。
💡 解決への道筋
日本で女性管理職を増やすためには、次のような取り組みが求められます。
- 柔軟な働き方(リモート勤務・時短勤務)の拡充と実効性ある制度運用
- 性別にとらわれない昇進基準の明確化
- 男性も利用しやすい育児・介護制度の整備
- 社内外での女性リーダー育成プログラムやメンター制度
- 企業全体での意識改革と無意識のバイアス是正
単に制度を作るだけではなく、使いやすい雰囲気づくりと意識改革が不可欠です。
📜 法制度と現状のギャップ
「男女共同参画社会基本法」が施行されたのは1999年。
以降、「女性も活躍できる社会」という理念は広がりましたが、数字を見る限り十分に成果が出ているとは言い難い状況です。
「女性は管理職に向かない」といった固定観念や、「男性社会」的な慣習がいまだに根強く残っており、改善のスピードは緩やかです。
🔮 今後の展望
社会全体で少子高齢化が進む中、労働力の確保やイノベーションの促進には、多様な人材の活躍が欠かせません。
女性が管理職として活躍できる環境を整えることは、もはや「平等」の観点だけでなく、日本経済の持続的成長にとっても重要な課題なのです。
果たして10年後、日本の女性管理職比率は世界標準に近づいているのでしょうか?
その答えは、私たち一人ひとりと企業の意識改革にかかっているのかもしれません。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
💵10月8日
【コンビニATMの日】
これは、ATM事業を行う株式会社イーネットが、コンビニATMのさらなる発展を願って制定した記念日です。
この日付になった由来は、以下の通りです。
- 1999年10月8日: イーネットが、日本で初めてコンビニエンスストアに複数の銀行が共同で利用できるATMを設置しました。
- この出来事を記念し、10月8日が「コンビニATMの日」として、日本記念日協会に認定・登録されました。