インターセックスって何? ジェンダーやLGBTQ+との違いをやさしく解説

最近、「ジェンダーレス」や「LGBTQ+」といった言葉を耳にする機会が増えてきました。
その中で「インターセックス」という言葉をご存じでしょうか?

一見すると難しそうな専門用語ですが、決して18禁ワードではありません。
実際には、人間の体の多様性を表す大切な概念なのです。

今回は「インターセックス」とは何か、そして他の関連する言葉(ジェンダーレスやLGBTQ+)との違いについて、わかりやすく解説していきます。


インターセックスとは?

インターセックス(Intersex)とは、生まれつきの身体的特徴が、典型的な「男性」や「女性」の定義に当てはまらない人を指します。

具体的には、

  • 染色体
  • 性腺(卵巣・精巣)
  • 性器の形態
  • ホルモンの分泌

などにおいて、一般的に「男性」「女性」とされる分類から外れる状態です。

重要なのは、これは病気ではないということ。
人間の多様性のひとつであり、医学的には「性分化疾患(DSD)」という用語が使われることもありますが、近年では「性発達の多様性(Differences in Sex Development)」と呼ぶほうが望ましいとされています。


インターセックスの主な特徴

インターセックスには実に70種類以上のバリエーションが存在するといわれています。

代表的な例を挙げると:

  • 外見は女性だが、染色体は男性型(XY)である
  • 性器に男女両方の特徴がみられる
  • 卵巣と精巣、両方の特徴を持っている
  • 思春期になって初めて身体の特徴に気づく

など、多様です。

また、出生時に診断されるケースもあれば、大人になるまで本人や周囲が気づかないケースも少なくありません。


インターセックスとジェンダー・セクシュアリティの違い

ここで混同されがちなのが、「インターセックス」と「性自認」や「性的指向」の違いです。

  • インターセックス → 生物学的な身体的特徴
  • ジェンダーアイデンティティ(性自認) → 自分が「男性」「女性」「そのどちらでもない」と感じる心の性
  • 性的指向 → 恋愛・性的に惹かれる相手の性

つまり、インターセックスであることは「心の性」や「誰を好きになるか」とは直接関係ありません。
インターセックスの人の中にも、異性愛者・同性愛者・両性愛者などさまざまな人がいます。


人権への配慮と社会的課題

インターセックスの人々は、その「身体の違い」から、差別や偏見にさらされることがあります。

特に深刻なのが、**本人の意思が確認できないうちに行われる医療介入(外科手術など)**です。
国際的には、緊急性のない手術は本人が成長して意思を持てるようになるまで延期すべき、という考え方が広がっています。

「普通に見えるように」という社会的プレッシャーが、当事者の人権を脅かすこともあるのです。


インターセックス、LGBTQ+、ジェンダーレスの違い

似ているようで違う、関連する3つの言葉を整理してみましょう。

インターセックス

  • 身体的特徴が典型的な男女どちらにも当てはまらない人
  • 性自認や性的指向とは直接関係しない

性的マイノリティ(LGBTQ+)

  • 主に「レズビアン」「ゲイ」「バイセクシュアル」「トランスジェンダー」「クィア/クエスチョニング」を指す
  • 性的指向や性自認に関わるカテゴリー
  • インターセックスも広い意味では性的マイノリティに含まれることがある

ジェンダーレス

  • 性別にとらわれないあり方や表現を指す言葉
  • ファッションや生き方のスタイルに使われることも多い

共通する課題とつながり

これらはそれぞれ違う概念ですが、共通しているのは**「性別二元論」という社会の枠組みから外れることで生じる生きづらさ」**です。

  • インターセックスの人は、身体的な違いゆえに偏見や手術を強いられることがある
  • LGBTQ+の人は、自分の性的指向や性自認を理由に差別を受けることがある
  • ジェンダーレスな人は、固定観念の押し付けにより自由が制限されることがある

互いに支援し合い、理解を深め合うことで、より包括的な社会の実現につながります。


まとめ

インターセックスは、単なる医学用語でも特殊な存在でもありません。
人間の自然な多様性の一つであり、誰にでも関わりうるテーマです。

性のあり方は一人ひとり違い、「こうあるべき」と一括りにできるものではありません。
インターセックス、LGBTQ+、ジェンダーレス……違いを理解しつつも、共通する課題を意識することが、すべての人が自分らしく生きられる社会への第一歩となります。

「性は多様である」という視点を持つことが、偏見をなくし、お互いを尊重し合える社会につながっていくのではないでしょうか。

それではまた別の記事でお会いしましょう


🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」

🌸9月27日🌸

【女性ドライバーの日】

「女性ドライバーの日」は、日本の女性で初めて自動車運転免許を取得した「渡辺はま」さんが1917年(大正6年)9月27日に試験に合格したことを記念して制定された記念日です。この日をきっかけに、物流業界などで人手不足の解消に向けた女性ドライバーの活躍を後押しする活動や情報発信が行われています。