街を歩いていると、タトゥーを入れた人を見かける機会が少しずつ増えてきました。アーティストやモデル、スポーツ選手がタトゥーをファッションの一部として取り入れる姿に憧れ、興味を持った方もいるのではないでしょうか。
一方で、日本社会ではまだまだ「反社会的」「怖い」といったネガティブなイメージが根強く残っています。ファッションとして広がりを見せながらも、公共の場での制限や偏見があるのも現実です。今回は、タトゥーが日本でどのように捉えられているのか、その歴史や現状、後悔の声までを整理して考えてみましょう。
日本におけるタトゥーの現状
- 若年層での広がり
10代後半から20代を中心に、自己表現やファッションの一部としてタトゥーを入れる人が増えています。 - 市場の拡大
都留文科大学の調査によると、2014年から2022年にかけて日本のタトゥー人口はほぼ倍増し、約140万人に達しています。 - しかし社会的な偏見は依然として強い
温泉やスーパー銭湯、プールなどの施設で利用制限を受けたり、就職や生命保険の加入で不利になったりするケースも少なくありません。
日本と海外の違い
海外ではタトゥーが個性の表現やアートとして受け入れられている国が多い一方、日本では「任侠映画」「反社会的組織」のイメージが先行しています。文化的背景の違いが、受け入れられにくい大きな理由のひとつです。
日本の刺青の歴史を振り返る
タトゥーは決して最近の文化ではなく、日本では縄文時代から存在していました。
- 縄文〜古代:魔除けや身分証明として利用され、中国の『魏志倭人伝』にも「倭人は全身に入れ墨をしている」と記録が残っています。
- 中世以降:鎌倉時代からは刑罰としての「入れ墨刑」が登場。犯罪者を識別するために使われました。
- 江戸時代:職人や侠客の間でファッション化。和彫りと呼ばれる独自の技術も発展しました。
- 明治時代〜戦後:明治政府が「野蛮」として禁止。戦後に解禁されたものの、長く反社会的なイメージが定着。
- 現代:ファッションやアートとして再評価されつつあり、タトゥーイベントや安全な施術環境も整備されています。
実は後悔している人も多い?
タトゥーを入れた人の中には「入れなければよかった」と感じる人もいます。その理由には以下のようなものがあります。
- ライフスタイルの変化
子どもと一緒に温泉やプールに行けなくなる、結婚や転職で隠す必要が出てくるなど。 - 社会的な制限
就職活動で不利になったり、職業選択の幅が狭まったり、生命保険への加入が難しくなる場合も。 - デザインへの不満
年齢とともに体型が変わり、タトゥーが歪んでしまったり、好みが変化して後悔するケース。 - 健康リスク
インクに含まれる物質による体への影響や、悪性リンパ腫のリスク上昇を示す研究も報告されています。
後悔しないために考えるべきこと
- 本当に必要か?将来の生活や仕事にどう影響するか?
- 一生残るものだからこそ、衝動的ではなく冷静な判断を。
- 信頼できる彫師に相談し、デザイン・位置・施術方法を慎重に選ぶことが大切です。
まとめ
街中でタトゥーを見かけて「かっこいい!」と感じる人もいれば、「ちょっと怖い」と思う人もいるでしょう。感じ方は人それぞれですが、日本ではまだまだ「ファッション」として浸透しているとは言い難い状況です。
芸能人やアーティストの影響で憧れる気持ちも自然なことですが、実際に自分が入れるとなれば、その後の人生にどう影響するかをしっかり考える必要があります。
タトゥーは単なるファッションでありながら、社会との接点では大きな意味を持つもの。だからこそ、「かっこいい」という一瞬の感情だけでなく、長期的な視点で考えることが大切なのではないでしょうか。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
🌸9月20日
【空の日】
「空の日」(そらのひ)は、毎年9月20日で、航空への理解と関心を高めることを目的に定められた記念日です。1940年(昭和15年)に制定された「航空の日」を前身とし、民間航空再開40周年を記念して1992年(平成4年)に「空の日」と改称されました。空の日を含む9月20日から30日までの期間は「空の旬間」とされ、全国各地の空港などで施設見学や航空教室などの様々なイベントが開催されます。