香りが“マナー違反”になることも?
皆さんは、飲食店や電車で「隣の人の香水が強すぎて気分が悪くなった」なんて経験はありませんか?
自分ではいい香りと思っていても、周りの人にとっては頭痛や吐き気の原因になることがあります。
実はこうした現象には名前があり、「香害(こうがい)」と呼ばれています。
最近は、柔軟剤や洗剤、芳香剤などの香りが強くなっていることから、社会的にも注目されるようになってきました。
香害とは?
香害とは、柔軟剤や香水などに含まれる合成香料(化学物質)が原因で、頭痛やめまい、吐き気などの体調不良を引き起こす現象を指します。
特に「香りが長持ちする製品」による相談が増えており、本人にとっては快適でも、周囲の人にとっては健康被害となる場合があります。
香害による症状
香害の症状は人によって大きく異なります。代表的なものは以下の通りです。
- 頭痛、吐き気、めまい、倦怠感
- 鼻や喉の刺激、咳、涙目
- 皮膚のかゆみや発疹
- 動悸、強い疲労感
場合によっては 化学物質過敏症 に発展し、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
化学物質過敏症とは?
化学物質過敏症は、ごく少量の化学物質に反応して全身に症状が現れる病気です。
- 微量の香料や排気ガスでも頭痛・吐き気・不眠・皮膚症状などが出る
- 発症すると、仕事や外出が難しくなるケースもある
- 一度なってしまうと改善が難しく、生活の質を大きく損なう
香害は、この化学物質過敏症のきっかけになり得ると指摘されています。
日常生活でできるちょっとした配慮
香害は「気をつける」だけで防げることが多いのも特徴です。
- 公共の場では香りの強い柔軟剤・香水の使用を控える
- 芳香剤や消臭スプレーは必要最小限にとどめる
- 「自分にとって心地よくても、他人にとっては辛いかもしれない」ことを意識する
たとえば、友人との食事会で「香りが強すぎて料理が楽しめなかった」と言われたら悲しいですよね。
ちょっとした配慮で、みんなが快適に過ごせる環境が作れます。
体調不良を感じたときの対処法
もし香りによる不調が続く場合は、以下の対処を検討してください。
- 換気や空気清浄機を活用する
- マスクや衣類で香りを遮断する
- 原因となる製品を避ける
- 症状が重いときは、化学物質過敏症外来のある医療機関を受診
まとめ
香りは本来、リラックスや癒しをもたらすものです。
しかし、その香りが他人にとっては「体調不良の原因」になることもあるのです。
香害を防ぐのに特別なことは必要ありません。
「少しだけ香りを控えめにする」「周りの人を思いやる」――それだけで多くの人が快適に過ごせるようになります。
あなたの“いい香り”、もしかしたら誰かには“強すぎる匂い”かもしれません。
ぜひ今日から少しだけ、周りへの香りの配慮を意識してみてください。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
🌸 9月9日
- 重陽の節句(菊の節句)
五節句のひとつで、一年の長寿や無病息災を願う日。菊の花を飾ったり、菊酒を飲む風習がありました。日本では今あまり馴染みが薄いけれど、本来はとても大切にされてきた行事です