本当に支援が必要なのは誰?家族タイプで変わる税金の仕組み

家庭タイプで変わる?税金の優遇、実はこんなに差がある

「税金」と聞くと、あまり良い印象を持たない方が多いかもしれません。私自身も同じです。ですが今回は、その税金について少し掘り下げて考えてみたいと思います。

あなたはいま、どんな家庭を築いていますか?
一人暮らしの方、パートナーと暮らしている方、子どもと暮らすシングルマザー/ファザーなど、現代はさまざまなライフスタイルが当たり前になってきました。

ですが、そんな中でふと疑問に思ったのが、日本の「税制の仕組み」です。

税金には「控除」という制度があり、条件を満たせば納める税金が少なくなる仕組みです。この「控除」がどのような家庭に有利に働いているのか、ご存じでしょうか?

今回は、「家庭の形」と「税制の優遇」の関係について、3タイプの世帯を比較しながら考察していきます。


税制優遇を受けやすいのはどのタイプ?

ここでは以下の3つの家庭タイプで比較してみます:

  • ① 単身者
  • ② シングルマザー/ファザー(ひとり親世帯)
  • ③ 夫婦(共働き・子育て世帯)

① 単身者

主な控除:

  • 基礎控除、社会保険料控除、生命保険料控除、医療費控除、寄付金控除など。

特徴:

  • 一般的な控除のみで、家族構成による追加の控除はなし。

② シングルマザー/ファザー

主な控除:

  • ひとり親控除(35万円)
  • 扶養控除(子供がいる場合)
  • その他の一般控除(基礎控除等)

特徴:

  • 子育て支援の一環として「ひとり親控除」が設けられている。
  • ただし、控除額は夫婦世帯よりは控えめ。

③ 夫婦(共働き・子育て世帯)

主な控除・優遇制度:

  • 配偶者控除(最大38万円)または配偶者特別控除
  • 扶養控除(子どもがいる場合)
  • 相続税の配偶者控除(1億6,000万円まで非課税)
  • 居住用不動産の贈与特例(最大2,000万円)
  • 住宅ローン控除(夫婦それぞれ適用可能)
  • 医療費控除(世帯合算しやすい)
  • ふるさと納税(夫婦それぞれ上限利用可能)

特徴:

  • 世帯合算での控除活用、相続・贈与の大規模な優遇がある。
  • 子育て支援制度も多重に受けやすい。

最も優遇されているのは「夫婦(子育て世帯)」

税制の優遇幅や制度の多さから見ると、「夫婦で子育てしている世帯」が最も得をしていると言えます。

  • 相続税・贈与税の優遇が大きく、将来的な資産形成や承継にも有利。
  • 夫婦それぞれが所得控除を受けられるため、節税効果が高い。
  • 控除の多重適用が可能な場面が多い。

では、本当に支援が必要なのは?

優遇が悪いとは思いません。しかし私が強く思うのは、**もっと手厚く支援すべきなのは「ひとり親世帯」ではないか?**という点です。


シングルマザー/ファザーが直面する現実

1. 経済的な困難

  • 一人で家計と育児を担い、教育費や生活費の負担が重い。
  • 日本のひとり親世帯の貧困率はOECD諸国の中でも高水準。

2. 時間と精神的な限界

  • 仕事と育児をすべて一人で担うことで、時間的にも精神的にも大きな負担がかかる。

3. 社会的孤立

  • 育児の協力者が少ないことから、孤立しやすい傾向がある。

なぜ「さらなる税制支援」が必要か?

  1. 「一人で二人分」の役割を担っているから
  2. 貧困の連鎖を防ぐための再分配が必要だから
  3. 子どもへの投資としての支援が重要だから
  4. 少子化対策の一環として社会全体で支える意義があるから

現実的な課題もある

  • 財源確保:新たな優遇には財源が必要。
  • 制度の複雑化:仕組みが増えると分かりにくくなり、行政コストも増大。
  • 不正受給防止:制度を適切に使ってもらう仕組みづくりが必要。

おわりに 〜誰もが安心して暮らせる社会へ〜

制度として見たとき、最も優遇されているのは夫婦・子育て世帯であることは確かです。しかし、本当に支援が届くべきところに届いているか?という視点で見ると、まだまだ改善の余地があると感じます。

特にひとり親世帯のように、努力してもなお厳しい現実に直面している人々には、より手厚いサポートがあって然るべきではないでしょうか。

税金の仕組みは複雑ですが、「公平さ」と「未来への投資」という視点で、よりよい制度が整備されていくことを願っています。

それではまた別の記事でお会いしましょう


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