医者の字ってなぜあんなに汚いの?その理由と現場での問題点、改善への取り組み

医師の字が読めないのはなぜ?その理由と現場での影響とは

病院で診察を受けたとき、ふと目にした医師の手書きカルテや処方箋。その文字があまりにも読めなくて驚いたことはありませんか?私自身、これまでに何人ものお医者さんに診てもらってきましたが、正直なところ「綺麗な字を書く先生」に出会った記憶がありません。

なぜ、医師の字はあんなにも崩れていて読めないのでしょうか?
今回はその理由と背景、さらに現場で実際に起きている問題点や改善の取り組みについて詳しく掘り下げてみたいと思います。


医師の字が汚い主な理由

医師の字が汚いとされる背景には、いくつかの要因があります。

1. 圧倒的な多忙さと時間制約

医師は日々、診察、検査、手術、病棟回診、カンファレンスなど、膨大な業務に追われています。
一人あたりの診察時間も限られており、次から次へと患者さんを診なければならない状況。
その中でカルテ記入や処方箋記載もこなすため、「とにかく急いで書く」「きちんと形にする暇がない」というのが実情です。

2. 専門用語・略語の多用

医療現場では、一般の人がほとんど目にしない専門用語や略語が多用されます。
例えば、薬剤名、疾患名、検査項目など…。
こうした単語は医師同士であれば「走り書き」でも内容が通じることが多く、結果的に字がさらに崩れていきます。

3. 書字習慣の影響

医学部時代からの「走り書き習慣」がそのまま社会人生活に持ち越されるケースも多いです。
特に昔はカルテがドイツ語で書かれていた時代背景もあり、「読めなくても仕方ないもの」という独特の文化が根付いたとも言われています。

4. 内容優先主義

医療現場で最も大切なのは「情報の正確さ」。
「読める綺麗な字」よりも「診断内容や処方内容が間違っていないこと」が最優先事項になります。
そのため、多少字が崩れていても「とにかく情報が残っていればOK」という考え方が一般的です。

5. 筆記具の影響

意外と見落とされがちですが、使用するペンの種類やインクの質によっても字の読みやすさは左右されます。
特に医師がよく使うボールペンは、速記には適していますが、綺麗に書くには不向きなこともあります。

6. 電子カルテ化による「手書き離れ」

近年では電子カルテが普及し、そもそも手書きの機会自体が減っています。
その結果、医師の「字を書く能力そのもの」が低下しているケースも少なくありません。


実際の統計は?字が汚い医師の割合

具体的な統計データは存在しないものの、以前「ほぼ日刊イトイ新聞」で掲載された記事によれば、以下のような分布が紹介されています。

  • 読めない字を書く医師:約2割
  • 医学部生でも解読困難なレベル:約4割
  • 何とか読める字を書く医師:約2割
  • 普通に読める字を書く医師:約2割
  • 綺麗な字を書く医師:数%以下

この数字を見ると、やはり「医師=字が汚い」というイメージも、ある程度事実に基づいていると言えそうですね。


字が汚いことによる医療現場での問題点

「汚い字」は単なる見た目の問題だけではありません。
医療現場では、次のような重大なリスクにつながる恐れがあります。

  • カルテの誤読:看護師や他の医師が読み間違え、誤った治療や投薬につながる危険性
  • 情報伝達の遅延:読めないカルテが原因で、確認作業に時間がかかり、診療スピードが落ちる
  • 患者の不安感:「これ、ちゃんと読めるのかな?」と患者自身が不安になる
  • 薬局での処方ミス:読めない処方箋によって、薬剤師が誤解し、違う薬が処方される可能性

特に命に直結する現場だからこそ、「読みやすさ」は軽視できない課題なのです。


最近の改善の取り組み

このような背景から、最近では次のような改善策も広がりつつあります。

● 電子カルテの全面導入

手書きカルテを廃止し、すべてパソコン入力に切り替える病院が増加しています。これにより、誤読のリスクが大幅に減少。

● 医師向けペン字研修

一部の医療機関では「読みやすい文字を書く研修」なども行われています。
特に医師が若いうちに「走り書き癖」を改善する取り組みが注目されています。

● 処方箋の印刷化

最近は処方箋も手書きではなく、システムから印刷されるスタイルが一般的になりつつあります。


最後に…患者としてどう感じるか

もちろん、医師も人間です。
限られた時間内で最大限の診療をしようと努力してくれていることは重々わかります。

ですが、やはり患者側としては「読める字で情報が残されている安心感」は大きいものです。
自分の命に関わる情報ならなおさら、「ちゃんと読める状態」であってほしい。
それが正直な気持ちではないでしょうか。

「読めないくらい汚い字で書く」というのは、もはや「字」と呼べるのか?というレベルのものもありますよね…。
現場の忙しさは理解しつつも、最低限の可読性は保ってもらいたい…そう感じる方も多いのではないでしょうか。

皆さんはどう思いますか?

それではまた別の記事でお会いしましょう


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