あなたは見抜ける?政治家が使う“犬笛”という言葉の罠

「犬笛」って何?政治家が使う“聞こえない言葉”の正体とは

私たちが普段聞くことのない「犬笛(いぬぶえ)」という言葉。
これはもともと、犬の訓練用に使われる「人には聞こえない高周波の音を出す笛」のことです。

犬笛は、16,000Hz〜22,000Hzの音を出せますが、人間の耳が認識できるのはせいぜい20,000Hzまで。つまり、犬には聞こえるけれど、人間にはほぼ聞こえないという性質を持っています。

そんな犬笛が、実は政治の世界でも使われていることをご存知ですか?
それも「言葉としては聞こえる」のに、「意味が聞き取れる人にしか伝わらない」という、隠されたメッセージとして使われているのです。


政治的な「犬笛」とは?

「犬笛」という言葉は1960年代のアメリカで使われ始めました。
政治家が、表向きには中立的または無害に聞こえる言葉を使いながら、実は特定の層にだけ届くメッセージを発している、という手法です。最近では日本でも使われ始めており、SNSやメディア上で話題になることも増えてきました。


どういう言葉が「犬笛」になるのか?

以下は、いわゆる“犬笛的表現”の例です:

  • 「シカゴのサウスサイドでは、福祉の不正受給が横行している」
     → これは、黒人や性的マイノリティなど特定の層が福祉を悪用しているという偏見を強化する目的で使われた発言とされます。
  • 「女さん」「子どもを守れ」
     → 一見すると正当な主張に見える言葉も、文脈によっては女性蔑視や特定の政治主張を想起させる“犬笛”となることがあります。

犬笛がもたらす影響とその危険性

犬笛の怖さは、「直接的に差別や批判をしていない」ように見える点です。
だからこそ、言質(げんち=問題となる言葉の証拠)を取られにくく、発言者は意図を否定しやすい。
しかし、受け手側の中にはその隠された意味を読み取り、感情的に反応してしまう人もいます。結果として、社会の分断や対立を引き起こすきっかけになってしまうのです。

また、本人が「善意」で発した言葉が、文脈や受け手によって“犬笛”と受け取られてしまうケースもあります。つまり、誰もが無意識のうちに使ってしまうリスクがあるということでもあります。


SNSと犬笛:現代の拡散装置

現代ではSNSの普及により、犬笛はより身近なものになりました。
朝日新聞の報道では、SNS上での議論や炎上の背景にも「犬笛」が使われている例があると指摘されています。

発信者が意図していなくても、受け手が“自分に向けられた攻撃”と感じ、感情的なリアクションをすることで、対立が激化してしまうのです。


犬笛を見抜くために必要なこと

このような時代において、犬笛に振り回されずに生きるには、「読解力」「冷静さ」「多角的な視点」が求められます。

具体的な対策:

  • 発言の背景や文脈を丁寧に確認する
  • SNS上の情報をうのみにせず、複数の情報源を参照する
  • 怒りや恐怖を感じたときほど、一度立ち止まり冷静に考える

日常にも潜む「犬笛」

「犬笛」というと政治の話のように思えるかもしれませんが、実は私たちの生活の中にも似たような“聞こえないメッセージ”が潜んでいます。

たとえば:

  • 家電量販店の広告の「在庫限り!」
  • スーパーの館内放送での「特別ご案内中です」
  • 契約書の“注意書き”や“特記事項”

これらは、聞こえていても「本当の意味」が伝わっていない、あるいは意図的に隠されているメッセージかもしれません。


最後に:あなたの周囲にも「犬笛」が?

あなたの身の回りの会話や情報の中に、“誰かだけに向けられたメッセージ”は潜んでいないでしょうか?
それを「聞き取る力」「読み解く力」が、現代を生き抜くためのリテラシーなのかもしれません。

それではまた別の記事でお会いしましょう

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