恋愛感情を悪用する「ロマンス詐欺」とは?
近年、特殊詐欺の被害が年々増加しているというニュースをよく目にします。
その中でも近年特に被害が拡大しているのが「ロマンス詐欺」です。
ロマンス詐欺とは、SNSやマッチングアプリなどで知り合った相手に恋愛感情を抱かせ、最終的にお金を騙し取る詐欺のことです。
「結婚を前提に付き合いたい」
「将来は一緒に暮らしたい」
「あなただけを愛している」
そんな甘い言葉で信頼関係を築き、相手の心を完全に掴んだ後で金銭を要求します。
結婚詐欺自体は昔から存在していましたが、インターネットやSNSの普及によって手口はより巧妙になり、被害は拡大しています。
「自分は騙されない」
そう思っている人ほど危険かもしれません。
今回はロマンス詐欺の代表的な手口と、被害に遭わないための対策について解説していきます。
ロマンス詐欺の典型的な手口
ロマンス詐欺にはいくつかのパターンがありますが、多くの場合は次のような流れで進行します。
① 魅力的な人物を演じて接近する
まずはSNSやマッチングアプリで接触してきます。
プロフィールには、
- 医師
- 軍人
- 投資家
- 外資系企業勤務
- 国際的なビジネスマン
など、社会的地位や経済力が高そうな肩書きが並んでいます。
さらに写真には美男美女の画像が使われることが多く、最近ではAIで生成した人物画像も利用されています。
そのため画像検索をしても一致しないケースが増えています。
② 恋愛感情を育てて信頼を得る
接触後は頻繁にメッセージを送り、親密な関係を築いていきます。
- おはよう
- おやすみ
- 今日も頑張ってね
このような何気ないやり取りを毎日続けます。
そして徐々に、
「運命を感じる」
「あなたと出会えて人生が変わった」
「早く会いたい」
などの甘い言葉を繰り返します。
この段階では被害者は警戒心を解き、相手を恋人として認識するようになります。
この心理操作は「ラブ・ボミング(愛情爆撃)」とも呼ばれています。
③ お金の話を持ち出す
十分な信頼関係ができた頃に、いよいよ本題へ入ります。
手口は大きく分けて2つあります。
近年急増している投資型ロマンス詐欺
最近特に多いのが投資を利用した手口です。
例えば、
「将来のために資産形成をしよう」
「私も投資で利益を出している」
「一緒にお金を増やそう」
などと言って投資話を持ちかけます。
そして指定されたサイトやアプリに登録させます。
最初は少額で利益が出ているように見えるため、多くの人が信用してしまいます。
しかし、その利益は画面上だけの偽物です。
さらに高額投資を促され、いざ出金しようとすると、
- 手数料が必要
- 税金が必要
- 保証金が必要
などと言われ、追加でお金を要求されます。
最終的には連絡が取れなくなり、お金だけが消えてしまいます。
同情を利用する「助けて詐欺」
もう一つの代表的な手口が同情を利用する方法です。
例えば、
- 家族が重病になった
- 手術費が必要
- 事故に遭った
- 仕事でトラブルになった
など、不幸な出来事を演出します。
また、
「あなたに送ったプレゼントが税関で止められている」
という定番のパターンもあります。
恋愛感情が深まっている状態では、
「助けてあげたい」
「見捨てられない」
という気持ちが働きます。
詐欺師はその善意を巧みに利用するのです。
なぜロマンス詐欺はなくならないのか?
これだけ注意喚起されているのに、なぜ被害は減らないのでしょうか。
理由は、騙す側が想像以上に組織的だからです。
犯罪組織によるマニュアル化
現在のロマンス詐欺は個人犯ではなく、海外を拠点とする犯罪組織が関与しているケースが少なくありません。
そこでは、
- どのような言葉が効果的か
- いつお金の話を切り出すか
- どうすれば依存させられるか
といったノウハウがマニュアル化されています。
つまり、被害者は一人の詐欺師ではなく、組織全体を相手にしている場合があるのです。
AI技術が詐欺を進化させている
昔の国際ロマンス詐欺には分かりやすい特徴がありました。
- 日本語が不自然
- 話が噛み合わない
- 翻訳ソフト特有の文章
しかし現在はAIの発達により状況が大きく変わっています。
自然な日本語で会話できるだけでなく、画像生成AIやディープフェイク技術によって実在するように見える人物を作り出すことも可能になりました。
そのため、以前より見抜くのが難しくなっています。
「幸せ」を利用する詐欺だから
オレオレ詐欺が恐怖や焦りを利用するのに対し、ロマンス詐欺は幸福感を利用します。
人は恋愛感情が高まると冷静な判断が難しくなります。
「この人を信じたい」
「疑うのは申し訳ない」
そんな気持ちが警戒心を弱めてしまうのです。
だからこそ年齢や性別に関係なく誰でも被害者になる可能性があります。
ロマンス詐欺に騙されないための4つの鉄則
① 会う前のお金の話は詐欺を疑う
一度も会ったことがない相手からお金の話が出たら警戒しましょう。
恋人関係であっても同じです。
どんな理由であれ、お金を要求された時点で一歩引いて考えることが大切です。
② 送金先を確認する
送金先が相手本人ではなく、
- 見知らぬ外国人名義
- 関係のない法人名義
だった場合は特に注意が必要です。
少しでも違和感があれば送金してはいけません。
③ 投資話を安易に信用しない
SNSで知り合った相手から投資話を持ちかけられた場合は特に警戒しましょう。
本当に信頼できる金融機関や証券会社なのか、自分で調べる習慣が大切です。
④ 必ず第三者に相談する
恋愛感情が絡むと判断力は大きく低下します。
家族や友人に相談するだけでも冷静になれる場合があります。
詐欺師は「二人だけの秘密」と言うことがありますが、それこそ危険信号です。
「自分は大丈夫」が一番危ない
ロマンス詐欺の被害者は決して特別な人ではありません。
高学歴の人や社会経験が豊富な人でも騙されています。
詐欺師は人間の心理を研究し尽くし、組織的にアプローチしてきます。
つまり騙されるのは知識不足だからではなく、人間だからなのです。
だからこそ、
「自分は大丈夫」
ではなく、
「自分も騙されるかもしれない」
という意識を持つことが重要です。
もし少しでも違和感を覚えたら、一人で抱え込まず家族や友人、警察や消費生活センターへ相談しましょう。
被害を防ぐ最大の方法は、詐欺の手口を知り、冷静な第三者の意見を聞くことです。
恋愛感情や優しさにつけ込むロマンス詐欺。
大切なお金だけでなく心まで傷つけられないよう、日頃から十分注意していきたいですね。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
7月13日
【日本標準時制定記念日】
日本標準時制定記念日は、日本の時間を統一する「日本標準時」が定められたことを記念する日です。
昔は地域ごとにバラバラだった日本の時間を1つにまとめるきっかけとなった、歴史的な記念日です。
💡 記念日の由来
1886年(明治19年)7月13日、明治天皇の名で「本初子午線経度計算方及標準時ノ件(ほんしょしごせんけいどけいさんほうおよびひょうじゅんじのけん)」という法律(勅令)が公布されました。この中で、東経135度の時間を「日本全国の共通の基準時間(日本標準時)」にすることが初めて決定されました。
- 7月13日とする説:この法律が「一般に広く発表(公布)された日」を基準としています。
- 7月12日とする説:明治天皇がこの法律を「承認・署名(親署)した日」を基準としています。基準地である兵庫県の明石市立天文科学館などでは、7月12日を記念日としてイベントを行うことがあります。
🗺️ なぜ「東経135度(明石市など)」が選ばれた?
世界標準時(イギリスのグリニッジ天文台)から1時間ごとに時差を計算する際、経度15度で1時間の時差が生まれます。
「135」という数字は15で綺麗に割り切れる(135 ÷ 15 = 9)ため、世界標準時とちょうど9時間の時差になり、計算が非常に扱いやすかったという理由で選ばれました。
⏳ 制定される前の日本はどうだった?
それまでの日本には全国共通の時間がなく、江戸時代まではそれぞれの地域で太陽の動きに合わせた「地方時」を使っていました。そのため、東京と大阪、あるいは北海道と福岡などで、少しずつ時計の針がズレていました。
しかし、明治時代になって鉄道や電報(電信)が普及すると、地域ごとに時間が違うことでダイヤの乱れや連絡の行き違いが起き、非常に不便になったため全国一律の標準時が作られました。
なお、この法律が実際にスタート(施行)したのは、2年後の1888年(明治21年)1月1日からです。