熟年離婚が増え続ける背景とは?
かつて「結婚したら一生添い遂げるもの」と考えられていた時代は、もう過去のものになりつつあります。
日本は長寿社会を迎え、人生100年時代と言われるようになりました。その結果、子育てや仕事が一段落したあとに「この先の人生をどう生きたいか」を改めて考える人が増えています。
その中で注目されているのが熟年離婚です。
実は、離婚件数全体は減少しているにもかかわらず、50代以降や同居期間20年以上の夫婦による離婚の割合は増え続けているのです。
今回は、この“熟年離婚”がなぜ増えているのか、その理由と背景をデータとともに探っていきましょう。
熟年離婚とは?
熟年離婚とは、一般的に結婚20年以上を経た夫婦が離婚することを指します。特に50代後半から70代にかけて離婚するケースが多く、夫の定年退職や子どもの独立を機に決断されることが少なくありません。
近年では「グレー・ディボース(Gray Divorce)」とも呼ばれ、米国や欧州などでも同様の現象が起きています。
熟年離婚の主な理由
熟年離婚の背景には、長年積み重なった小さな不満が、ある時を境に抑えきれなくなるという共通点があります。以下に主要な理由を整理します。
1. 価値観のずれとコミュニケーション不足
- 若い頃には「性格の違い」として受け流せたことが、長年の結婚生活の中で大きなストレスに変わることがあります。
- 会話が減り、互いへの関心が薄れていくことで、感情の距離が広がっていきます。
2. 夫の態度や役割分担への不満
- 妻の意見を軽視する、家事や育児を丸投げする、感謝の言葉がない──こうした長年の不満が定年退職後に一気に噴出するケースが多いです。
- モラルハラスメント(モラハラ)やDV(家庭内暴力)が原因になることもあります。
3. 退職後の生活リズムの変化
- 定年退職を機に夫が家にいる時間が増え、妻がこれまで通りの生活を送れなくなることがあります。
- 家事を手伝わない夫に対する不満が爆発し、「このまま一緒に暮らせない」と感じる人も少なくありません。
4. 義両親の介護問題
- 長年にわたり義父母の介護を担ってきた妻が、心身ともに限界に達して離婚を選ぶケースがあります。
- 配偶者が介護に無関心だったり、負担を押し付けたりしたことが決定打となることもあります。
5. 経済的な問題と年金分割制度
- 夫の浪費癖や借金、経済的DVなどで家計が圧迫される場合、長年の不満が離婚のきっかけになります。
- 2007年に導入された年金分割制度により、専業主婦でも離婚後の生活設計を立てやすくなったことも熟年離婚を後押ししています。
6. 不倫・浮気
- 若い頃から続いていた浮気が発覚したり、熟年期に新たな関係が発生したりと、配偶者への信頼を裏切る行為は大きな離婚理由です。
7. 「第二の人生」への希望
- 子育てや仕事が一段落したとき、「この先も同じ人と暮らすのか」と立ち止まり、自己実現や新しい人生を選びたいと考える人もいます。
熟年離婚に至るまでの経緯
熟年離婚は、ある日突然決断されるものではありません。
その多くは、**何十年もの我慢の末に訪れる“最終的な選択”**です。
- 不満の蓄積
小さな価値観の違いや相手の態度への不満が積もり、心の距離が広がる。 - 我慢の限界
子どもの独立や夫の退職といった節目をきっかけに、「もうこれ以上は無理」と気持ちが変化。 - 離婚の決意
長年のストレスが限界に達し、別れる決断を下す。 - 離婚の切り出しと交渉
話し合いで解決できない場合、調停や裁判に進むケースもある。 - 離婚後の新たな人生
自由を手に入れる一方で、経済面や孤独など新たな課題に向き合う必要がある。
データで見る熟年離婚の現状
厚生労働省の統計によれば、2022年時点で同居期間20年以上の夫婦の離婚は全体の約23.5%。
これは統計開始以来、過去最高の割合です。
さらに米国でも、50歳以上の離婚は過去30年間で約2倍に増えたと報告されており、これは世界的な傾向と言えます。
熟年離婚が増加した背景
熟年離婚の増加には、時代の変化が大きく影響しています。
- 平均寿命の延び:「残りの人生を自分らしく生きたい」という考え方が広がった。
- 女性の社会進出と経済的自立:仕事を持つ女性が増え、結婚に依存しない選択が可能に。
- 年金分割制度の導入:離婚後も安心して生活できる環境が整った。
- ライフスタイルの変化:子育てが終わることで夫婦だけの関係性が浮き彫りになり、溝が深まることも。
- 価値観の多様化:離婚への抵抗感が薄れ、「離婚=失敗」という考え方が変わりつつある。
まとめ:熟年離婚は“ネガティブ”な選択だけではない
かつて離婚は“失敗”や“後ろめたいもの”と捉えられていました。
しかし今は、自分らしく生きるための前向きな選択肢として離婚を考える人が増えています。
もちろん離婚には経済的・精神的なリスクも伴いますが、同時に長年の不満やストレスから解放され、新たな人生を歩み出せるという可能性も秘めています。
結婚を続けるにせよ、別れるにせよ、大切なのはお互いを理解し尊重できる関係を築くことです。
今パートナーがいる人も、これから結婚を考える人も、将来のために“夫婦のあり方”について話し合ってみるのは有意義かもしれません。
それではまた別の記事でお会いしましょう
🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」
11月17日
【将棋の日】
「将棋の日」とは、毎年11月17日に制定されている将棋の記念日です。これは、江戸時代に将軍の前で将棋の対局が披露された「御城将棋(おしろしょうぎ)」という行事にちなんで、日本将棋連盟が1975年に定めました。
「将棋の日」の主な特徴
- 由来: 江戸時代、将棋好きの徳川家康が将棋三家(将棋の家元)を優遇し、徳川吉宗の時代には旧暦11月17日に御城将棋が開催されていました。この歴史的背景から、将棋の文化を後世に伝えることを目的として制定されました。
- 目的: 将棋の普及と発展、そして将棋文化の継承が主な目的です。
- イベント: 日本将棋連盟は、毎年「将棋の日」の記念行事として、公開対局やプロ棋士によるトークショー、指導対局など、将棋ファンが楽しめる様々なイベントを開催しています。
- 開催地: イベントは毎年、全国各地の様々な場所で開催されています。例えば、2024年には渋谷区で、2023年には仙台市で実施されました。
将棋の日をきっかけに、多くの人々が将棋の魅力に触れる機会となっています。