スマホ広告でよく見る「IP規格」とは?IPXとIPの違いまで徹底解説

スマホやイヤホン、腕時計などの広告でよく見かける「IP67」「IP68」といった表示。
なんとなく「防水っぽい数字かな?」と思っていても、正確な意味まで理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。

特にスマホは日常的に持ち歩くもの。雨に濡れたり、うっかり水に落としてしまうリスクもあるため、防水性能を重視して選ぶ人も多いと思います。実は、この「IP表示」にはしっかりとした国際規格があり、数字の違いによって性能も変わってくるのです。

この記事では、そんな 「IP規格」=防水・防塵性能の国際基準 について、初心者の方でもわかりやすく解説していきます。


IP規格とは?

IP規格は 「Ingress Protection(侵入に対する保護)」 の略で、電気製品の 防塵(ほこりへの耐性)防水性能 を等級で表す国際規格です。

「IP」の後ろに続く 2つの数字 に意味があり、左の数字が防塵性能、右の数字が防水性能を示します。

例:IP67

  • 6 → 防塵性能(最高レベル)
  • 7 → 防水性能(一時的な水没に耐えるレベル)

IP規格の読み方と等級

1桁目(防塵性能)

  • 0〜6の7段階で評価されます。
  • 数字が大きいほど性能が高く、6は「完全に粉塵を防ぐ」レベルです。
  • 試験を行っていない場合は「X」と表記されます(例:IPX7)。

2桁目(防水性能)

  • 0〜8の9段階で評価されます。
  • 数字が大きいほど性能が高く、8は「継続的な水没に耐える」レベルです。
  • 防水試験を行っていない場合は「X」と表記されます(例:IP6X)。

💡 注意点
防水等級は「上位互換」ではありません。
例えば「IPX7(水没に耐える)」だからといって「IPX5(噴流水に耐える)」性能を持つとは限らないのです。そのため「IPX5/IPX7」のように併記されることもあります。


防水等級の具体例(抜粋)

  • IPX4:あらゆる方向からの水の飛沫に耐える
  • IPX5:あらゆる方向からの噴流水(ホースなどの水流)に耐える
  • IPX7:一定の水圧で一時的に水没しても浸水しない
  • IPX8:継続的な水没でも浸水しない

「IPX」と「IP〇〇」の違い

「IPX8」や「IP68」のように似た表記がありますが、違いは 防塵性能が評価されているかどうか にあります。

IPX〇(例:IPX8)

  • 防塵性能:試験をしていない(評価なし)
  • 防水性能:数字が防水性能を示す(例:8 → 水没に耐える)

IP〇〇(例:IP68)

  • 防塵性能:1桁目の数字が示す(例:6 → 最高レベル)
  • 防水性能:2桁目の数字が示す(例:8 → 最高レベル)

「X」と「0」の違い

  • X:試験を行っていない(性能が不明)
  • 0:試験をした結果、保護性能がない

この違いを混同しないよう注意しましょう。


具体的な例

  • IP68:防塵性能6(完全防塵)、防水性能8(継続的な水没OK)
  • IPX8:防水性能8(継続的な水没OK)、ただし防塵性能は不明
  • IP5X:防塵性能5(粉塵が完全には防げないが内部に有害な量は入らない)、防水性能は不明

防水性能を過信しないための注意点

防水規格を理解した上で、使うときに気を付けたいポイントがあります。

  • 経年劣化:ゴムパッキンや接着部分は時間とともに劣化するため、新品の頃の防水性能は永続しません。
  • 試験条件と現実の違い:試験は真水・常温で行われます。海水・温泉水・プール・洗剤などには対応していない場合が多いです。
  • 水蒸気に注意:サウナやお風呂などの高温多湿環境は、水没よりもむしろ結露による故障リスクが高まります。

まとめ

「IP規格」は、防塵・防水性能を数値化した国際基準です。

  • IP68なら「ほこりに強く、水没にも強い」
  • IPX7なら「水没に強いが、防塵性能は不明」

というように、数字の組み合わせによって意味が変わります。

スマホやイヤホン、防水カメラなどを選ぶときは、ぜひこの「IP表示」をチェックしてみてください。購入時の判断材料になるだけでなく、使用環境に合わせて適切な製品を選ぶヒントにもなりますよ。

それではまた別の記事でお会いしましょう


🟡 おまけコーナー:「明日って何の日?」

🌼10月5日🌼

【世界教師デー】

ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が1994年に制定しました。1966年10月5日に、「教員の地位に関する勧告」がユネスコと国際労働機関(ILO)によって採択されたことを記念しています。 

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世界100カ国以上で世界教師デーが実施されており、ユネスコはこの日を中心に国際会議などを開催しています。